【KOJI × you】Legend Guitarist 異伝~Crash~ 対談

インタビュー | 2017.09.20 12:00

インタビュー:岡本 明
Live Photo:小野寺将也
(Legend Guitarist Vol.2 ~Summer Next Start~ 2017/8/24@赤坂BLITZ)

――KOJIさんとyouさんの2人による「Legend Guitarist 異伝~Crash~」が11月20日に開催されますが、これまでのLegend Guitaristシリーズとは違うものになりそうですか?

KOJI(ALvino)
どちらかというと、スピンオフみたいな感じかな。
you(Janne Da Arc)
もちろん、大勢のギタリストでやるのも有意義なんですけど、2人のスピンオフ企画だとまた別の表情のライブができるんじゃないかなと思って。

――きっかけは何だったんですか?

KOJI(ALvino)
vol.1は5人のギタリストが自分の楽曲を時間内に演奏して、そこに別のギタリストが参加するスタイルでやったんです。でも、vol.2は全員の曲を全員で演奏するという形態になって。その思いは最初からあったんですけど、5人いるからなかなか難しいだろなと思って。あれはあれでいい形でできたんですけど、vol.2は4人になったことでそれが可能になったんですね。
you(Janne Da Arc)
vol.1の本番終わりで、楽屋でその話をしてましたからね。
KOJI(ALvino)
見に来たお客さんたちもライブの間、ずっと楽しめるからね。単なる対バン形式じゃなくて、お互いの曲を一緒にステージで奏でる。それがLegend Guitaristの、他のイベントとは違う大きな特徴だと思うので、だったら2人でやるのもありだなと。もちろん、4~5人でやるのもありだし。

――ということは、2人はステージに出ずっぱりという形になりそうですか?

KOJI(ALvino)
そのつもりです。
you(Janne Da Arc)
まだ細かいことはこれからですけどね。
KOJI(ALvino)
新曲も作ろうかなとか。
you(Janne Da Arc)
vol.2でも僕とKOJIさんの共作の曲も披露しましたし。
KOJI(ALvino)
メンバー紹介できる曲を作ろうかという話になって。頭の部分は僕が作って、そこからyou君に投げたら、エンディングまで考えてくれて。それが「Summer Next Start」。それがあったから、11月のイベントはどうしようってリハの合間に話していたら、you君はもっと大胆なことを考えていて(笑)。
you(Janne Da Arc)
将来を考えたら、できるだけこのイベントのためのオリジナル曲を作ったほうがいいなと思ったんです。今はKOJIさんが主導的立場ですけど、この企画自体が一本立ちできて、今後もいろんなギタリストが出たり入ったりできるためには、このイベントの曲があったほうがいいんじゃないかと。
KOJI(ALvino)
たとえばyou君がこのイベントのために作った曲が、you君が出演しなくても演奏されるようなイベントということです。そういうことができていけば、やりがいもあるし。参加するギタリストが曲を作っても、そのギタリストが参加しなかったら、せっかく作った曲が二度と演奏されないのはもったいない。だったら、そのイベントのために作った曲を、人が代わっても大切に届けていく。理想だけど、そこにたどり着くためには楽曲のクオリティだったり、アーティストの力が必要だったりするので、そういう意味ではちょっと気合い入ったよね。
you(Janne Da Arc)
そうですね。継続していくことを考えると、そういうことも必要だなと。

――ステージ上で2人だけがメインとなると、また感じが違ってきそうですけど?

KOJI(ALvino)
vol.2で実際に4人で音を出した時、ハモリのパートがあったり、クリーンな音と歪みの音の弾き分けがあったりするんですけど、それ以上に周りのギタリストのコードのパワーがすごくて。いっせいに鳴らすと、メインのメロディを弾いているギターの音が聴こえないっていうことがあって、音を間引いたりしたんですよ。
you(Janne Da Arc)
結構大変でしたよね。
KOJI(ALvino)
それが2人になると、アンサンブル的には変化しますね。
you(Janne Da Arc)
音を詰めるのにも限界がありますからね。もうちょっと細かい作業もできるかなと。
KOJI(ALvino)
クリーンなギターをリードで聴かせたいところでも、実際にライブになると音量のコントロールが難しいんです。リードを弾いていても、他のギタリストのコードの音が加わると、繊細な表現をどう聴かせるか難しい。そこはリハで詰められたので、いい形にできたんですけど、2人だとギターのアンサンブルを詰めて、2人ならではの聴かせ方ができるんじゃないかなと思っています。

――やりがいがありそうですね。“Crash”とサブタイトルに付けたのは?

KOJI(ALvino)
これまでのやり方を壊していこうという意味合いもあって。今のメンバーで進めて行くなら、年長組でいろいろなものを壊していこうじゃないかと。壊すといっても、壊して平らにするのではなくて、壁を壊していくイメージかな。

――これまでは椅子席の会場で、今回はスタンディングの会場ですが、そこも影響しそうですか?

KOJI(ALvino)
どうなんでしょう。6月にLa’cryma ChristiのHIROと2人でスタンディングの会場でライブをやったんですけど、お客さんは思い思いに楽しんでくれていたので、それほど意識はしなかったですけど。でも、ノリがいい曲とか作りたくなりますよね、ジャンプしたくなる曲とか。そればかりじゃなくてもいいけれど、スタンディングの会場ならではの曲も作ってみたいですね。個人的にはyou君のメロウな曲が好きなので、単に勢いだけじゃなく、ギターならではの表現でメロディを弾いてほしくて。そこも残しつつ、盛り上がる曲も入れていきたいですね。
you(Janne Da Arc)
僕もスタンディングの会場でインストのライブを何度かやったことがありますけど、そこまで意識はしてなかったですね。もちろん激しい曲もありますけど、緩急をつけるのが大事というか。それがあったうえでの、ノリを大事にした曲や、テンションが上がる曲を演奏したいですね。

――11月ですから、もう迫ってますよね?

KOJI(ALvino)
せかされて気づく、みたいな(笑)。頭の中でこういう曲を作ろうと思っていても、いざギターを持って作ってみると、思い通りの曲がどこまでできるか心配なんです(笑)。自分のソロアルバムでも、ノリのある曲を作ろうと思っているとバラードができたりするんですよ(笑)。ライブに向けて曲を作るのと、音源のための曲を作るのは違うんです。音源だとスローな曲が多めでもいいけれど、ライブだと乗れる曲を作りたいから。

――youさんはライブ向けだと意識は違います?

you(Janne Da Arc)
僕はそこまで意識しなくて。確かにライブ向けというのもある程度想像しながらやります。こうしたほうが楽しくなるだろうなとか。本当は自分の趣味だとこっちだけど、それはやめておこうとか。

――バランスが大事だから?

you(Janne Da Arc)
やっぱり、お客さんに楽しんでもらいたいのが一番なんですよね。ギターインストをできるだけいろんな人に聴いてほしい、耳に止めてほしい。その気持ちが強いですから。

――改めて、イベントに向けた意気込みをお願いします。

KOJI(ALvino)
Legend Guitaristというタイトルがついているこのイベントは今後、出演するギタリストにとってのワンマンライブ、ステージに立っているギタリストのワンマンライブ、という意識が強くなっていくと思うんです。その最少人数の2人でどういうものが見せられるかという期待もあるので、その期待を超えるライブをしたくて気合いも入っています。参加するギタリストみんなそうだけど、お客さんのことを考えているんです、こうやったほうが分かりやすいだろうとか。たとえばvol.2では、RENO君が“お客さんが声を発さないまま帰るのもいやだから”、ということで声を発するコール&レスポンスのパートを作ってみたり、みんなが見ている方向が一緒なんです。インストに馴染みがなくても、俺とyou君に興味がある人は足を運んでくれたら嬉しいです。一度、触れてみてほしいです。
you(Janne Da Arc)
まだ始まったばかりのイベントですけど、これからいろいろなことをやってみようという段階での2人のライブで、どこまでできるのか楽しみです。今回は、椅子席の会場ではなくスタンディングの会場という差以上に、内容の違うものにしたいのもありますね。こういうライブってあまりないので、そこが強みになると思うんです。やりたいと思っていても現実的に無理とか、きついと思われがちなんですけど、それが現実になる段階に足がかかっている感じがするので。ワクワクする気持ちと、どうしようっていう気持ちもありますけど、ギターインストという、唯一無二の音楽空間の土台を作りたいですね。そこから広がっていければ最高なので、ぜひとも足を運んでいただきたいです。

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