HOUND DOG 大友康平インタビュー、3年連続のワンマン・ショーにみなぎる自信!大友が目指すライブステージとは!?

インタビュー | 2018.03.07 18:00

目指すライブは相撲や歌舞伎と同じ。同じメニューでも、1本1本全部違う

──HOUND DOGくらい長いキャリアになると、ライブは皆勤賞みたいなファンもいるでしょうが、若いときにはずっと追いかけていたけど、しばらく来ていなくて、最近また来るようになったという方もいらっしゃると思うんです。
だから、最近は3つのタイプのお客さんを満足させないといけないんですよ。ずっと来てくれてる人、昔に熱狂してたもののしばらくブランクがあって久しぶりに来た人、それから初めての人。その3タイプの人をまとめて満足させるのは本当に大変ですよね(笑)。でも、自分のライブは相撲や歌舞伎と同じだと思ってるんです。相撲はだいたい上位陣の対戦は毎場所同じなんですよね。それでも、やっぱり毎回盛り上がるじゃないですか。歌舞伎は伝統と文化の伝承であって、ストーリーはみんなわかっている演し物をやるんですけど、歴代の役者さんたちの演技にみんな感動するわけじゃないですか。そういう世界こそ僕が目指すところで、例えば10年連続同じメニューでも、でも毎年1本1本全部違うっていう。
──HOUND DOGのライブ、というか大友さんのパフォーマンスでとりわけ変わらないなあと感じるのは "作らない"という有り様です。
作ったものは、やがてメッキが剥がれますからね。メッキの下から出てくるのが本当の姿なんだと思いますが、僕の場合は最初からステージの上ではそれでやってますからね。だから、昔はしゃべらなかったんですよ。しゃべるのが本当に嫌で、言いたいことは楽曲で言ってるからしゃべらなくてもいいじゃないかと思ってた時期もありました。でも、いろんな人のライブを見に行って、吸収できるところは吸収したいという気持ちはずっとあったんで。

©︎TSUKASA MIYOSHI

──ということは、やはり大友さんのなかではステージングのスタイルみたいなことについて試行錯誤があったということですか。
いや、スタイルと言っていいのかわからないですけど、そういうものがあるとして、それは多分デビューのときから自分の感触としてはほとんど変わっていないような気がします。ただ、ロックンロールとバラードという二本柱でずっとやってたところに、「ff(フォルティシモ)」のヒットでもうひとつメッセージ・ソングという柱ができて、そこは大きかったと思います。スタイルということで言えば、そこだったかもしれないですね。「ff(フォルティシモ)」がヒットしたときのツアーくらいから、「楽しい」「切ない」に加えて「明日も頑張れる」という、本来ロックンロールにはなかった要素が加わって、そこで自分たちの個性というか、HOUND DOGという存在が完成したような気がします。
──大友さん個人の「魂をぶつける」という有り様は変わっていないけれど、音楽的な柱がもうひとつ加わることで、バンドとしての、あるいはステージのスタイルが完成したということですか。
そうですね。で、逆に「ff(フォルティシモ)」という曲をいっそう輝かせるために、楽しいロックンロールがあったり、掛け合いがあったり、バラードで泣かせたり、っていう。それは、横綱がいて大関がいて関脇がいて小結がいて、そして平幕の力士もいて本場所が成立するというのと同じだと思うんですよね。でも、さらにその基本には何があるかと言えば、自分が楽しいということですよ。自分が楽しくなければ、お客さんは絶対楽しくないから。自分がノッてなければお客さんはノらない。これは鉄則です。だから、自分がまず楽しむ。そこはデビューしたときから変わっていないですよ。
──その楽しめる度合いや楽しめるポイントは変わらないですか。それとも、キャリアを重ねるなかで変わってきましたか。
それは、単純に昔は高いキーのところが平気で出てたのが、だいぶ苦しくなってきたりとか、そういう変化はありますけど、そういうこと以前にそもそも自分のなかに二人の大友康平がいるんですよね。なんでも肯定してくれる大友と、「まだまだダメだ」っていう大友と。その「まだまだダメだ」と言うほうの自分に認めさせたいという気持ちがずっとあるんです。なかなか認めてくれないんですけど(笑)。
──お客さんとの勝負もあるけれど、自分との勝負もあるわけですね。
そうなんです。いちばん多い時で年間100本くらいやってたのが、それでも2005年くらいまでは50本くらいやってたんですけど、それから5年くらいブランクがあって、2010年に渋谷公会堂をやったときに、まあまあ良かったんだけど、それからまたちょっとブランクがあって、その次は2015年までの5年が大きかったですね。総合的なロックンロール・ショーをほとんどやらなかったその時期にちょっと鈍った感じがあったんです。一昨年のときは、ちょっとやり方を忘れてましたから。それが、一昨年、昨年と、2年続けてやってみて、完全に感覚を取り戻したんで、今回はそこにツヤを出す段階に入るというか。
──何千回とやってきたことなのに、やっぱりちょっと忘れてる感じというものがあるんですね。
歌うことについてはあまりないんですけど、ステージの運び方ですよね。ここではこういうMCをやって、みたいなことが以前は自然にやれていたのに、久しぶりにやってみると、忘れてるんです。でも、それは何百回リハをやってもダメで、お客さんの前でやって初めて思い出すんですよ。もちろん、一昨年も昨年も自分のなかで120点のステージがやれたんですけど、今回はさらにいい感じでやれる予感がしてるんで、ぜひ楽しみにしててください。

©︎TSUKASA MIYOSHI

HOUND DOG LIVE 2018 「It's Showtime ~ One night special」

PRESENT

HOUND DOG LIVE 2018「It's Showtime~One Night Special」GOODSのタオルを3名様に!

※転載禁止

受付は終了しました

公演情報

DISK GARAGE公演

「HOUND DOG LIVE 2018 It's Showtime ~ One night special」

2018年3月10日(土)11(日) Zepp Osaka Bayside
2018年3月21日(水・祝) 豊洲PIT
2018年3月22日(木) EX THEATER ROPPONGI

詳細はオフィシャルサイトにてご確認ください

  • 兼田達矢

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    兼田達矢

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