家入レオ。作品を一緒に作ったメンバーで回るツアーだから曲の解釈も深まっていくと思う

インタビュー | 2018.03.19 19:00

自分を守るっていうのは何かを身に付けるのではなく手放していくことなのかもしれない

──自分のメッセージを伝えること、そして演じることで表現者として他の人の言葉をどう伝えていくか、そういうこと。そのバランスがとれてきたのかもしれないですね。
家入レオだと思います。「ずっと、ふたりで」をレコーディングした時に、“どんな曲がきても私が歌えばちゃんと家入レオの作品になるんだな”って思えて。もちろんまだまだ勉強していかなきゃいけないことはたくさんあるんですけれど、“やっぱり同じ音楽でもレオちゃんが歌うと届き方が違うんだよね”って言ってくれた言葉を、本当にその時に信じることができて。その声を大事にしていこうと思いました。私が歌うだけで笑顔になってくれたり、辛い経験の中から一歩前に進むことができたって言ってもらえて…もう歌うだけでいいんだなって。そう、今回いろんな方とアルバムの制作でご一緒したんですけれど、ちょっと表現が難しいんですが…声を貸すというか…。
──あぁ、なるほど! 分かります。
家入レオ今回ご一緒した方たちが、“家入さんに歌っていただいて良かった”って心から言ってくださっているのが伝わってきて。自分がこれから生きていくスタイルが少し見えた気がしました。
──そういうふうに楽曲を提供した方々がおっしゃるということは、その方たちにとっては楽曲を届けるために“借りた声”が素晴らしいものだったということですね。逆に言えば。
家入レオそうだと嬉しいです。“僕たちは書くことしかできなくて。それを立体的にしたり色を付けたりすることはできない。だから自分の曲を、赤ちゃんがお腹の中でちょっとずつ成長していくのを見守るような気持ちで見守っていました”って言ってくださいましたね。
──声がしっかり乗って完成した時に、ひとつの人格も宿るというのもありますし。
家入レオそうですね。すごく良かったと思います。どんどん軽くなってきますね、身体が。自分を守るっていうのは、何かを身に付けたりとかするのではなくて、どんどん手放していくことなのかもしれないって思いました。
──この若さで手放せるってすごい。
家入レオいえ、まだ全然できてないし、やっぱりいまだに葛藤もあるんです。私も曲をもっと書きたいって思う時もあるし、その気持ちには正直に生きようと思うから、全部楽曲提供していただくスタイルはとっていかないと思うんですけれど。でも、葛藤しているからこそ人の心に届く…たぶん私がただやりたいようにやったら、その一瞬の美しさとか切なさとかが生まれなくなるかもと感じました。ライヴでも幸せが情景というよりは、たぶん私を通してみんな何かを解決しに来てるんだなっていう…すごくそういうことを感じるので、そこをちゃんと担っていける人になっていきたいな、と思います。
──『TIME』の制作は新しい人たちとの出会いの中での楽しさとか、そっちのほうにシフトしてる感じがありました。
家入レオそうだと思います。曲ってちゃんと空気感というものが閉じ込められるので。あらゆる可能性を一緒に試している人たち、っていう。私自身も含めて。
──可能性という部分では、本当に新しくて面白いことがたくさん起きていますね。デビューの時からレオさんの世界に触れていると、やっぱりそういう人たちの中で“家入レオ像”みたいなものがなんとなくできてくる。それを良い意味で裏切ってくれるアルバムだとも思いました。
家入レオたしかにそれはあるかもしれないです。ずっと歌い続けていきたいっていう気持ちは今も変わらないですし、リリースする作品にこの瞬間の全てをかけるという気持ちも変わらないですけれど、長くやっていくのだからそれが遺書みたいになる必要はないというか(笑)。可能性をひとつひとつ自分の中に見つけていくことがアルバム作りの気がするし。うん、だから面白さとか意外性ってすごく必要だと思います。
──その『TIME』を抱えてのツアーでは、どんなステージを作りたいと考えています?
家入レオ今までライヴはコンセプトをはっきり出していなかったんですけれど、今回は作り込んだものにしたいと思っています。音楽が、歌うことが、一番前にくるかたちで、でもCDの音源とはまた違った力強さが出るように。演出面でもシチュエーションを作りたいんですよね、もっと曲に入り込めるような。ドラマを作りたいんじゃなくて、シチュエーションを用意して、私が歌うことによってみんなが自分の物語を重ねられるような。あと、ステージには無意味に置かれているものがあってはいけないと思うので、そういうところにもこだわりたいです。
──また新しい、進化したレオさんに出会うことができそうですね。
家入レオ固定概念みたいなものもリセットされると思います。でも、何より自由に楽しんでいただければ。そして、同じ時代に同じ日本で生きてることは奇跡に近いと思うので…私は今みんなに会いたいから、ぜひ!来てほしいです。

PRESENT

直筆サイン入り砂時計を2名様に!

※転載禁止

受付は終了しました

公演情報

DISK GARAGE公演

家入レオ 6th Live Tour 2018 〜TIME〜

2018年5月3日(木・祝) 東京・オリンパスホール八王子
2018年5月12日(土) 大阪・国際会議場 メインホール
2018年5月13日(日) 大阪・国際会議場 メインホール
2018年5月19日(土) 広島・上野学園ホール
2018年5月20日(日) 香川・サンポートホール高松 大ホール
2018年5月26日(土) 愛知・名古屋国際会議場 センチュリーホール
2018年6月1日(金) 北海道・札幌市教育文化会館 大ホール
2018年6月2日(土) 北海道・音更町文化センター
2018年6月9日(土) 神奈川・パシフィコ横浜 国立大ホール
2018年6月16日(土) 福岡・サンパレスホテル&ホール
2018年6月22日(金) 三重・三重県文化会館 大ホール
2018年7月1日(日) 東京・東京国際フォーラム ホールA

≫ チケット情報は『家入レオ 6th Live Tour 2018 〜TIME〜』特設サイトにてご確認ください。

プロフィール

家入レオ

1994年12月13日生まれ、福岡県出身。13歳で音楽塾ヴォイスの門を叩き、青春期の叫びと葛藤を爆発させた「サブリナ」を完成させた15歳の時、音楽の道で生きていくことを決意。翌年に単身上京し、12年2月に「サブリナ」でメジャーデビューを果たす。17年2月に迎える5周年を記念した初のベストアルバム『5th Anniversary Best』をリリースし、同年4月には初の日本武道館公演を大成功に収めた。

  • 取材

    竹内美保

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