「初めて行ったライブは?」~森友嵐士編~

スペシャル | 2016.03.28 18:00

森友嵐士が初めて行ったライブは?

CHAR25
編集部:森友嵐士さん、初めて行ったライブを教えてください!


「サザンオールスターズ」

俺が22〜23歳で、映画「稲村ジェーン」の頃です。その頃、実は桑田佳祐さんと親しくさせていただいていて。学生の頃、桑田さんのお父さんがオーナーだったLIVE HOUSEでバーテンダーのバイトをしていたんですけど、それがきっかけでご縁ができて。お正月の頃だったかな、ミュージシャンの方たちが集まっていて、桑田さんが俺のことをみなさんに『ヴォーカリストの〜』って紹介してくださったんです。桑田バンド、サザンのメンバースタッフの方々がいる中で、なんだかわからないただのアマチュアの俺をひとりのヴォーカリストとしてちゃんと紹介していただいて、とても感動したのを覚えています。時には撮影したばかりの「稲村ジェーン」の映像を見ながら桑田さんがアフレコしてくれたり、一緒にお酒を飲んだり。本当に特別な時間をいただきました。

俺は当時、T-BOLANの前身となるアマチュアバンドをやっていたんですけど、そんな繫がりがあって、サザンのリハを一度みせてもらえたらと願ってました。トップシーンのプロの仕事の現場が見たくて。でも、なかなか桑田さんには言い出せなくて。そんなある日、原坊さんに話をきりだしてお願いしてみたんです。『わかったぁ、けいちゃんに聞いてみるねっ』そうしたらOKが出て、一度だけなんですけどみせていただいて。みんな全然違う。これが日本のトップアーティストのオンとオフなんだなって思いました。スタッフの緊張感はすごいし、クリエイティヴに関して妥協も緩さも全くない。そこには小林武史さんもいらっしゃって、フレーズが生まれると、その場で譜面を起こして配られていて。いいと思った瞬間や感覚を誰も逃さない、今ここで何か起こるかもしれないっていう期待感がスタジオにずっとある。“このテンションなんだ、これがプロなんだ!”っていう、すごいものを教わりました。

そのリハの本番ライブ、横浜アリーナだったと思うんですけど、覚えているのはすごい感動した、ということ。でも、楽屋にうかがって桑田さんに「すごい良かったです!」って言ったら、「いや…」って。満足してない。“こんなにいいのに、何がダメなんだろう?”って俺は思ったんです。今は分かるんですよ、自分の満足度とオーディエンスの受け取った感覚が必ずしも一致するとは限らないんだって。たぶん、その時の桑田さんもきっと納得できない何かがあったんでしょうね。誰とも話さない感じでした。俺は浮かれていたのに、シーンとしてた…。本気の仕事ってそういうことなんですよね。その時のことは忘れない。

桑田さんって、大人の色気があって、少年のやんちゃがある。おどけてみせたり…バラードの時はすごい緊張感だし、エロティックなものもとっても似合う。全部あるんです。全ての魅力を持っていらっしゃる方で、ずるいですよね(笑)。いろんな色の才能を全部持ち合わせた方で感動するし憧れもするし、僕の音楽人生に大きな影響を与えてくださった方なんです。

CHAR25
森友嵐士さん、ありがとうございました!

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