今年11月にデビュー7周年を迎えたラムジ。ヴォーカルの山下祐樹がプロデューサーの井上慎二郎を慕って福岡から上京したのが9年前。05年にメジャーデビューを果たした後に、09年からはストリートライブをはじめ、東方神起への楽曲提供で作家として注目を集めた。決して順風満帆とは言えない活動の歩みを、シンガー期/シンガーソングライター期/ストリートミュージシャン期/現在と、大きく4つの期間に分けて、ヴォーカル 山下祐樹に振り返ってもらった。
── メジャーデビューした頃は、ご自身にとってはどんな時期でした?
「もともと、地元の友達である小久保淳平がデビューしていて。彼のサウンドプロデュースを井上慎二郎がやってたんですね。そこで、一緒にやりたいなって思って上京をしたので、06年にリリースした1stアルバム『ラムレンジャー』までは、何も知らないシンガーと、すでに長いキャリアをもっているプロデューサーの2人組という感じだったと思います。地元でバンドはやってたけど、ラムジとしてはインディーズ期間という下積みもなかったので、デビューと同時に勉強が始まった感じですね」
── 07年にリリースしたミニアルバム「ラブレター」のタイトル曲をきっかけに、山下くんも作詞を手がけるようになりました。
「シンガーとしてできることをやったあと、次はなにが必要かっていうことをふたりで話し合って。その結果、僕が、自分の言葉で発信するものがないといけないって考えるようになったんですね。そういう意味で、07年リリースの2ndアルバム『momoiro』は、ほぼ僕の作品っていうような認識でやらせてもらって。すごくパーソナルな部分を書けたなっていう実感がある一方で、どんどん自己主張が激しくなって、わがままにもなっていって……。主張があった方がアーティストらしくていいんだ!っていう思い込みがあったんですよね。いわば、アーティストぶってる時期です(笑)」
── そこから、次の3rdアルバム『merry go round』まで約3年も空くんですよね。
「大変でしたね。ほんと、しんどかった!」
── (笑)なにがあったんですか?
「メジャーにいれること、音楽ができてること、いろんな人が協力してくれること……それに、お客さんに対しても慢心があったんだと思います。その頃から、ちょっとふたりの関係が険悪になったというか……。お互いによかれと思ってやってることでも、結果がでないことで、どんどん否定してしまう時期があって。例えば、なにかを変えたいっていう一心で、髪を伸ばしたり、髭を生やしたこともあったんですけど(笑)、ぜんぜん噛み合わなくて、仲が悪くなっていって。当時は、解散しようかっていう話にまでなったんですよ。でも、どうしても諦めたくないっていうことで、ストリートライブをはじめて」
── メジャーアーティストでありながらも川崎の駅前で歌うのはどんな心境でした?
「心のなかではくそ〜っていう気持ちはあったんですけど、結果が出てない以上、何も言えないんだっていう気持ちがあったので、もうやるしかないって思ってました。それに、隣には僕以上に実績のある井上が、プライドをずたぼろにされながらも頑張ってくれてましたから。悔しさはとにかく隠して、そんな概念ありませんくらいの気持ちでやってましたね」
── ストリートライブをはじめたことで、何かが変わりました?
「いまとなっては、そこで感じたこと、考えたこと、出会えた人……その全部が、ラムジの全てだなって言っていいくらいの貴重な財産になってますね。音楽については、いくら考えても答えはでないんですけど、考えた分だけ、お客さんがひとりずつ増えていった感じがしたんですね。そこで感じたのは、とにかく、聴いてくれる人に伝わらないと意味がないなってこと。自分が憧れていたアーティストはナゾが多かったし、特別感があったけど、自分はそうじゃないなとも思って。ラムジの音楽は、目の前の人と話す、会話の延長なんだなってことに気づいたんですよね。特別な存在ではなく、一般人の代表を目指してやりたい、リアルなものを追い続けたいって思うようになった。だから、3枚目のアルバム『merry go round』では、目の前の人が目の前の人を大事にすることによって、どんどん輪がつながっていくんじゃないかっていうことを歌ってて。まさに、ストリートライブから生まれたアルバムだったなって思います」
── この春には、被災地に出向き、感じたことも踏まえた4枚目のアルバム『MELODIES』がリリースされました。
「一時期は、みんなに元気になってもらいたいとか、なにかのきっかけにして欲しいっていう気持ちで歌ってきたけど、それは、ただの自己満足なんじゃないかなって考えたこともあって。でも、そこで、改めて、僕たちは人の喜びが、自分の喜びになるユニットだなってことを認識したんですね。僕たちのメッセージとかこだわりは、あくまでも遠くまで届けるための原動力にすぎない。どんな受け取り方でもいいので、とにかく気に入ってもらえたらいい、喜んでもらえることがいちばんだって思い直して。悲しみや苦しみ、ストレスのある日々に少しでも希望が訪れるようなアルバムになったらいいなって思いながら作ってたし、自分でも大好きな1枚になってますね」
── そして、12月からは“ラムジ Xmas Live Tour 2012” が始まります。
「アコースティックになると思うんですけど、このライブがあるからこそ日常を頑張れるって感じてもらえるようなステージにしたいなって思ってます。レコ発ではないツアーだからこそできることも、なにか考えたいなと思ってますね」
── 最後に来年の展望も聞かせてください。
「2月にベストアルバムを出します!いわゆる集大成になるので、いままでのぼくらの歩みを聴いてもらいたいし、7年間分の思いを2013年にぶつけられたらなと思ってますね。そして、また、そのベストアルバムや僕らの活動が、誰かのよいきっかけになったら嬉しいですね」
2013年2月8日(金) | Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASURE | 18:30 開場 / 19:00 開演 | 指定席 4,200円(税込) |
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2012年12月23日(日・祝) | duo MUSIC EXCHANGE(渋谷) | 16:30 開場 / 17:00 開演 | 全自由席 :4,200円(税込) |
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2013年1月5日(土) | 東京国際フォーラム ホールA | 18:00 開場 / 19:00 開演 | 全席指定:9,800円(税込) |
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2013年1月6日(日) | 東京国際フォーラム ホールA | 14:00 開場 / 15:00 開演 | 全席指定:9,800円(税込) |
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