インドや中国の古代神話をひも解くと、この大地を支えているのは亀ということになっている。亀って我慢強そうだし安定感があるから、世界を支える役目というのはいかにもうってつけに思える。ちなみに、インドの古代神話では、亀は巨大な渦を巻く龍の上に乗っていて、その上に4頭の象が立ち、その上に世界が成り立っていることになっている。おそらく亀は、混沌の象徴としての龍と世界を構成する理性の四隅の柱たる象とをつなぐ存在なのだ。
亀田誠治は、現在のJ-POPシーンを代表するプロデューサーの一人であり、非常に個性的なベースラインを展開する腕利きベーシストである。この“亀”もまた我慢強いと評判で、その仕事ぶりは高い次元でとても安定している。アーティストの才能の混沌の中にきらめきを見出し、賢明なる音楽ファンの果なき欲望との鮮やかなマッチングを実現してみせる。「生まれついての縁の下の力持ち」という自負は“亀”性の証だが、彼が神話世界の亀と違うのは自らの成功の恩返しを思い立ったことだ。
彼の主宰によるライブ・イベント“亀の恩返し”4年ぶり2回目の開催が決定した。
「前回よりも恩返し強度を上げます。なぜならば、この4年間に僕も成長していますし、アーティストも成長しています。東日本大震災を経て、いろんな価値観も変わってきているなかで、音楽のあり方も変わってきました。そのなかで、本当にたくさんの人たちが思いを胸に閉じ込めてかんばっているような気がするんです。その扉を、このイベントから生まれる音楽で開けてあげたいと思ってるんです。その波動をどんどん広げていって、じんわりと効き目の長い、力強い恩返しにしたいと思っています」
“絆”という言葉が近頃のインフレーション状態に陥るずいぶんと以前に、アーティストとの絆を企画のいちばんベースのところに据えていた“亀の恩返し”では、音楽作りの苦楽をともにした者同士だけが生み出すことができる信頼の響きが会場を圧する。いまや音楽の大会場フェスは珍しい出来事ではないし、ひとつのイベントに多くのビッグネームが名を連ねること自体もそれほどの驚きは感じない。そうした状況のなかで、“亀の恩返し”が他のイベントと一線を画すのは、その信頼の響きの中心に亀田誠治という生身の人間の熱い存在感と厚い感謝の気持ちがあるからだ。
「僕は小さいときから母親に“人の役に立つ人間になれ”とずっと言われてきていて、そういう意味では今やっているプロデューサーという職業が本当に天職だと思うんですよね。人の役に立つ裏方人間として、自分の音楽家としての人生を歩めていることが非常に幸せだと思っています」
今回も、ここで初めて生演奏が披露される曲があり、ここでしか有り得ないコラボ満載の内容になる。音楽を通して深くつながり合った者同士の交歓に立ち会い、音楽の歓びを体感する2夜。“亀の恩返し”は、じんわりと僕たちの心を温めてくれるはずだ。
2013年5月18日(土) | 日本武道館 | 16:30 開場 / 17:30 開演 | 指定席:8,888円 (税込) | 【総指揮】 亀田誠治 スピッツ / KREVA / アンジェラ・アキ / スガ シカオ / 秦 基博 / and more.... |
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2013年5月19日(日) | 【総指揮】 亀田誠治 スピッツ / KREVA / 平井堅 / いきものがかり / 秦 基博 |
「亀の恩返し 2013」LIVE特設ページ
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