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東日本大震災復興支援を目的として1年限定で再結成したPRINCESS PRINCESSでの見事な活動からも予感はしていたのだが、ついに岸谷 香のソロ活動が本格化してきた。5月にベスト盤、6月に新曲とツアー開催。その流れからも彼女の音楽への情熱が伝わってくる。

「単純に言うと、再結成で音楽の火がついちゃったというか。家庭環境的にもなんとかなっちゃったのも大きかった。子どもたちも理解し適応してくれて。今年2月に長男の中学が決まって、そこからまたスタートしました」

ベストアルバム『The Best and More』は過去のまとめというよりも新たな始まりを告げる作品となった。1曲目の新曲「妄想サニーデイズ」はときめきの日々が始まる予感が詰まった、音楽へのラヴソングみたいな曲だ。

「また新しいことが始まったという印象を持ってもらえるベストにしたかったんですよ。再結成の活動をやり終えて、無性に曲を書きたくなって湧き出たのが『妄想サニーデイズ』。この曲が出来た時に、私は本当に音楽がやりたいんだなって実感しました」

この他にも大幅にパワーアップした新録曲「Hello. Hello.」、彼女の新境地が見えてくるPRINCESS PRINCESSの「ムーンライト ストーリー」のセルフカバー、さらに富田京子作詞、岸谷 香作曲という黄金コンビによる新曲「スノーバード」も収録。悲しみを浄化していくパワーを備えた名曲だ。

「再結成があったから一緒に作った曲ですね。“また書けば？”“書きたいよ”というきょんちゃんとの会話があって、“テーマはtime goes byみたいなこと”ってデモテープを渡したら、“君は音楽だ”みたいな言葉が返ってきて、素晴らしい歌詞があがってきた。天に向かって歌うという感覚で録りました」

6月リリースのニューシングル「Romantic Warriors」は近年、「愛の戦士」という名でライブで歌われてきたエネルギッシュな曲。

「浦島太郎が戻ってきて最初に何をやるか難しかったんですが、しっとりだけはしないぞって。落ち着かないというのがテーマ（笑）。ライブでも人気の曲だし、再び始まる曲としてしっくり来てたので、決めました」

6月中旬からはツアーもスタート。タイトルは彼女の口癖を活かした“岸谷 香 2014 LIVE TOUR 47th SHOUT!“いくわよー!!”。

「ツアータイトルを考えるのが苦手なんですが、年齢＋SHOUT!にしたら、今後も悩まなくて済むなって（笑）。久々に新曲もあるので、盛り上がりますね。華があるぞって（笑）」

ファイナルの渋谷公会堂は彼女にとって、バンド時代からの思い出の会場でもある。

「建て替え前にやりたかったから、すごくうれしいです。21歳の時の初の渋公での1曲目は『19 GROWING UP 〜ode to my buddy〜』。私の青春の足跡が残っている場所なので、ちょっと特別扱いして“さらば渋公”って感じでストーリー性を持たせてやっていこうと思っています。解散でも再結成でも泣かなかったけど、泣いちゃうかもしれないなあ（笑）」