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甲斐バンドは今年、デビュー40周年。昨年の『ROCKS』、今年2月には『ROCKS Ⅱ』と、強力なセルフカバー・アルバム2作品がリリースされたのは周知の通りだが、7月のツアー・スタートに合わせて6枚組DVDボックスと写真集もリリース。重厚かつ豪華なアイテムが、様々な角度から「甲斐バンドの40年」という濃密な物語の実相を浮かび上がらせることになる。

「40周年を迎えるアーティストはたくさんいるわけではないから、取材するほうも『40年を振り返っていかがですか？』とシンプルに聞いてくるんだけど、でもそれは数分で振り返られるようなことではないでしょ（笑）。だから、いろんな角度から見てもらい、感じてもらってやっと見えてくるっていう。それくらいの重きはあると（笑）。その上で、甲斐バンドの醍醐味というか、本領をいちばん発揮する場はライブなので、そこで40周年というものを楽しんでもらうのがいちばん大切なことだと思っています」

というわけで、ファイナルに日比谷野音も控える7月からのツアーは、アニバーサリー・ツアーの名に相応しい内容になるという。

「もちろん、『ROCKS』『ROCKS Ⅱ』という2枚のアルバムからの曲を多く取りあげることになりますが、やっぱり40周年なので、いままでライブでは1回もやったことがない曲やほとんど手をつけていなかったナンバー数曲をセット・リストに入れています。例えばデビュー曲の『バス通り』は、音源になっているスタイルでは最初の2年くらいしかやっていないので、それを今回はやってみるとか、そういう40周年らしい、濃厚でスペシャルな切り口で見せたいなと思っています」

しかも来場者は全員、新曲3曲入りマキシシングルという形に収められた「甲斐バンドの最新形」も手に入れることができる。

「甲斐バンドの現在、さらには甲斐バンドの今後というものをわかりやすい形で伝えながら、バンドの前向きな意欲がストレートに伝わる方法は何だろうと考えたときに、新曲3曲をレコーディングして、それをチケットに付けようということになったわけです」

そして、何よりもこのツアーでは、ライブが本来的に持っているエネルギーの高まりを体感してほしいと語る。

「若い世代だけではなく、40代、50代の人もいちばん楽しみにしてくれていると思うんですけど、その世代は精神的にも肉体的にもゴムが伸び切ってしまったような状態になってしまっている人も少なくないと思うんです。でも、僕らのライブはそれを見て気持ちを活性化させ明日に向かうという、そういう場にしてほしいなと思うんです。ライブって、本来そういうものじゃないですか。10代、20代の頃はそれをわかっているんだけど、年齢を重ねていくうちについつい忘れてしまうんですよね。だから、ここで思い出してほしい。ライブというのは、本当に心の底から熱がわき上がるようなものなんです。必ずや素晴らしいショータイムになると思います。ぜひ期待して見に来てください」