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インタビュー

高橋幸宏×高野寛(2014.9月号掲載 DI:GA interview)



高橋幸宏×高野寛
2014.9.4 up

——高野さんは今年、デビュー25周年。おふたりの付き合いは、27年くらいになりますか?


高橋幸宏「そうですね」


高野寛「最初に幸宏さんとお会いしたのは、僕が21歳くらいのときですね。人生の半分以上、いろいろとご一緒させてもらっていて」


——当時の高野さんの印象は?


高橋「TENTレーベルのバンドオーディションに応募してくれたんだけど、すごくギャップがあったんですよ。見た目は健康的な男の子なんだけど、やっている音楽はかなりヒネくれていて。その屈折度は相当なものだったんじゃないかな」


——高野さんのデビュー曲「See You Again」も幸宏さんのプロデュースですね。


高野「バンドではなく、結局ソロでデビューすることになったんですけど、そのときに背中を押してくれたのが幸宏さんなんです。“高野君は歌えるんだから、ソロでやってみれば?”って」


高橋「まず歌詞が良かったし、いいメロディも書ける人ですからね。僕としては“売る”ということよりも、“いい音楽を作る人”というイメージだったんですよ、当時から。まあ、『See You Again』はいま聴くと音数が多すぎるけど(笑)」




——ブラジル録音による高野さんの新作『TRIO』には「See You Again」のセルフカバーが収録されています。かなりシンプルなアレンジですよね。


高野「オリジナルのアレンジはかなり込み入ったコード進行なんですけど、今回はギター1本でやってるし、そのままやると落ち着かない感じになると思って。他のアーティストのトリビュートに参加するときも、原曲とはぜんぜん違うアプローチをすることが多いんですよ。それを自分の曲に対してやってみた感じですね」


高橋「僕は『TRIO』はすごくいいと思う。昔はさ、“海外でレコーディングしないと、その音は出せない”っていうのがあったんですよね。僕ももちろんそうだったけど、最も典型的だったのは加藤和彦氏で、彼はバハマ、ベルリン、パリなんかに行ってレコーディングしていたわけで。最近はテクノロジーが発達して、世界中のミュージシャンとデータでやりとりできるようになったけど、高野君の今回のアルバムには、海外録音でないと絶対にありえない空気感があるんだよね。ここには高野君がずっと考えてきたことのひとつの結果があるし、財産だと思いますね」


——そしてトリビュートアルバム「高野寛 ソングブック〜tribute to HIROSHI TAKANO〜」では、幸宏さんが高野さんの「やがてふる」をカバー。


高橋「昔から好きな曲だし、やるんだったらこの曲だなと。アカペラでやろうかと思ったんだけど、ちょっと無理だったので、ほぼ原曲通りにやりました」


高野「聴いていて、ニヤけて仕方がなかったです。20代のときは、こんなアルバムが出るなんてまったくイメージしてなかったし…」


高橋「自分のトリビュート(「Red Diamond〜tribute to yukihiro takahashi〜」)が発売になるとき、僕はそのうちの数曲をロンドンで初めて聴いたんだけど、涙が出てきたんですよね。確か最初に届けられた6曲くらいだったと思うけど、その中にはpupaがトリビュートしてくれた『元気ならうれしいね』もあったな。だから、高野君のいまの気持ちはちょっと分かる気がする。前に“トリビュート、どうだった?”って聞いたら、“自分のトリビュートって、嬉しいもんですね”って言ってたし」


高野「参加してくれたアーティストはみんな友達だし、仕事以上の気持ちが音から伝わってきて。自分の曲だから半分自画自賛だけど(笑)、いいアルバムだと思います」




——幸宏さんの最近の活動についても聞かせてください。7月にライブ盤が2枚リリースされました。まず「TECHNO RECITAL」(高橋幸宏&METAFIVE)は、「CUE」「BALLET」などの'80年代の幸宏さんの名曲をほぼ原曲どおりのアレンジで演奏されていて。


高橋「最初は『高橋幸宏とクールファイブ』という名前でやろうと思ってたんですけどね(笑)。もともとはあるコンサート(2014年1月17日/EX THEATER ROPPONGI)のために集まっただけで、1回こっきりのつもりでした。でも、やってみるとおもしろかったし、せっかくライブを収録した音源があるんだから、リリースしようかと」


高野「METAFIVEにおけるまりん(砂原良徳)の貢献度は凄いですよね」


高橋「うん。『CUE』のトラックもそうなんだけど、彼が趣味で作っていた音源をかなり使ってるし。しかも、あえて当時の楽器を使わないでソフトシンセでやってるっていう」


高野「音色って、記憶と密接に結びついてるんだなって改めて思いましたね。しかも過去と現在が混ざり合ってて、単なる再解釈とは違う、ナチュラルな現在形の音になってるのがおもしろいな、と」


——「PHASE」(高橋幸宏 with In Phase)は幸宏さんのルーツである'60〜'70年代のロックをテーマにしているということですが。


高橋「10代の頃に最も影響を受けた音楽をソロ・アルバムではやっていなかったなあと思って。高桑圭君やJames Ihaがやってる音楽とも共通点を感じたし。ユルいといえばユルいんだけど、ライブではかなり緊張感もあるんですよ。ドラムを叩きながらヴォーカルを取っているので、僕が間違えたら大変なことになるし。でも、“METAFIVE”はもっと大変なんですけどね。ハードディスク率が高いからラクかなと思ったけど、そうでもなくて。しかも、メンバーのみんなもテンションが高いんですよ」


——最後に今後の活動について。高野さんは8月下旬からアコースティックツアーがスタート。10月4日(土)には、東京・日本橋三井ホールでライブが行われます。


高野「集大成的なライブになると思いますね。今回は3人でやるんですけど、鈴木正人君(Ba&Key)も宮川剛君(Dr&Per)も多才な人だから、実際には3人以上のアンサンブルになるんじゃないかな。弾き語りもあると思います」


——幸宏さんもトリオのライブが続いてますね。


高橋「メンバーは変わっていくと思いますけどね。メンバーが違えば、また違った楽しさもあるし。また、高野君に頼むこともあると思うけど。 “『pupa』をやってほしい”ってよく言われるんだよね」


高野「僕もいろんなところで言われます」


高橋「アルバム2枚で終わりっていうのも変だから、もう1枚作りたいとは思ってるんだけどね」


インタビュー/森 朋之
撮影/横井明彦


高橋幸宏INFORMATION

高橋幸宏 with Dr.kyOn、高田漣 出演!

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2014年10月26日(日) 恵比寿ザ・ガーデンホール /ザ・ガーデンルーム 12:00 開場 / 13:00 開演 1日券 ¥9,800(税込)
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[問]クリエイティブマン 03-3499-6669

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アーティスト情報

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高野寛INFORMATION

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2014年10月4日(土) 日本橋三井ホール 16:15 開場 / 17:00 開演 全席指定 ¥6,000(税込)
member:高野寛、鈴木正人(ba. & key.)、宮川剛(dr. & per.)
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高野寛バンドツアー「TRIO」~25th Anniversary 2nd season~ 公演詳細はこちら


アーティスト情報

高野寛「TRIO」

25th Anniversary 第4弾アルバム「TRIO」
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高橋幸宏×高野寛(2014.9月号掲載 DI:GA interview)

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