米倉利紀、1年ぶりの新作が間もなく届く。タイトルは『streamline』。その言葉自体は「流線型」という意味だが、その類語をさらに調べていくと、例えば「簡素化された」とか「能率的な」といった意味に行き当たる。つまりは、必要なものだけしかない、エッセンスが凝縮された状態を表す言葉だと思われるが、その意味を自分の実感に引き寄せ、さらには誰もが聞き知った「断捨離」という言葉で説明してみせるのが米倉流のPOPであるだろう。
「僕は19歳でデビューをして、20代を勢いで駆け抜け、30代は自分なりに“どんな20代を過ごしたんだろう?”ということを振り返りながら考えたり、あるいはその20代に得たものを土台にしながらも苦戦した時期でもありました。それらを吟味する時期というか。30代で得たものを、“今度は整理していくのが40代なのではないかな”という風に思うようになってきたんです。前作の『rough lux』というアルバムくらいまでは30代の勢いというか、20代で得た材料をいろいろ試す時期だったという風にも言えると思うんです。まあ、今も貪欲に試す期間は継続しているとは思うんですが、同時に少しずついろいろなことを整理していかないと、荷物だけが増えてしまって50代が辛くなりそうな気がしているんです。それで、人間関係やら身の周りの物理的なことやらを<断捨離>というか、整えていく時期がスタートしたのかなと思い、今回のアルバムコンセプトに繋がったわけです」
米倉流の「断捨離」の果てに浮かび上がってきたのはHappyというテーマだったそうだが、それが作品化されたこの新作では、大人のデリカシーが浮かび上がらせるHappyの陰影を濃厚なボーカルで表現している。
「僕も40代になり、「デリカシー」を本当の意味で理解しようと努力する毎日です。人は、年齢を重ねていく中で、経験と価値観からその人なりのルールが定まってくるじゃないですか。で、そのルール、価値観にはまらないことに出くわすと、“なんでだ!”と心を逆撫でられる瞬間もあるんですよね。その違和感なり不満を、相手にただぶつけるのではなく、その相手との会話やコミュニケーションの中でいかに上手に伝えていくかということが大事だと思うんです。他人同士が理解し合うというのは基本的には難しいことだと思います。それでも、理解できないながらも歩み寄れるデリカシーが人として欲しいなと思うし、今回のアルバムはラブソングが中心ですが、ラブソングこそデリカシーが重要なのではないかと思うんです」
この新作を携えて春に行われるツアーも、もちろんstreamlineな内容になるはずだ。
「このアルバムに収録されている楽曲が中心になってくるとは思いますが、同時にこれまでの活動を整理したり、これまでみなさんに支持していただいてきた代表曲たちを見直すタイミングでもあると思っています。会場に足を運んでいただくみなさんにも、“米倉利紀の音楽の柱になってきたポイントって何なのかな?”とか“柱になってきた曲って何だったんだろう?”ということを楽しんでもらえる集大成的なツアーにしたいと思っています」
2015年4月4日(土) | PREMIERE HALL | 16:30 開場 / 17:00 開演 | 全自由 ¥7,020(税込) |
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2015年5月3日(日・祝)4日(月・祝) | 赤坂BLITZ | 15:30 開場 / 16:00 開演 | 全自由 ¥7,560(税込) |
【先行抽選受付期間】 1月13日(火)18:00~1月20日(火)13:00 【受付公演】 4月4日(土)PREMIERE HALL 5月3日(日・祝)4日(月・祝)赤坂BLITZ |
2015年2月28日(土) | 渋谷CHELSEA HOTEL[FC公演] | 16:30 開場 / 17:00 開演 | スタンディング ¥5,940(税込) |
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NEW ALBUM「streamline」
[(株)徳間ジャパンコミュニケーションズ]
1月21日(水) SALE
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米倉 利紀 オフィシャルサイト
米倉 利紀 (2015.1月号掲載 DI:GA interview)