2014年夏、デビュー10周年を迎えたdoaが、ニュー・ディケイドの最初に刻む新作『FLY HIGH』は「大人のポジティブ・アルバム」。アーシーなアメリカン・ロックのフレイバーを生かしたサウンドにのせて、シビアな現実を乗り越えていこうとするキャリア世代の背中を押す12曲が並んでいる。
徳永暁人(Vo/Ba)「ポジティブ、ポジティブとよく言うじゃないですか。でも、その言葉自体は、僕は大嫌いなんですよ。だって、その言葉を口にしている段階でネガティブなことを考えてるだろうっていう。ホントのポジティブな人間はポジティブなんて言わないっていうことですよ(笑)。でも、現実的には、ポジティブでありたいけれど、いろんなネガティブな要素を大人は抱えていたりして、それでもやらなきゃいけないことがあり、前に進んでいかないといけないという状況は多いじゃないですか。そういうものをちゃんと含んだポジティブ・アルバムというものを作ってみたいなと思ったんです」
同時にそれは、世代を超えて何かを始めようとする人たちに響く音楽でもある。
徳永「よく『夢をあきらめない』と言うけど、夢は今から始めてもいいんじゃないかと思うんです。年齢を重ねると臆病になったりすると言いますけど、ちょっと待て、と。若い人だって、そういうところはあるんじゃないの?と思うんです。例えば、二十歳の女の子が『わたし、もう二十歳になっちゃったから』とか言うじゃないですか。そんなふうに思ってしまっている人も、今からでも何か始めればいいんじゃない?っていう。どんな世代の人も、“いまからだって、何かできるんじゃないか”と思えるようなアルバムにしたいな、というイメージが最初にありました」
もっとも、他でもないdoaのメンバー自身がつねに新たな一歩を踏み出そうとしているからこそ生まれたアルバムでもある。
徳永「こういうアルバムを作ったのは、僕らも10年やってきたからかもしれないですね。10周年おめでとう、と言われて、“じゃあ、次に何をやろうか?”と思ったときに、まだまだこれからだろうっていう気持ちは、3人とも同じでしたから」
2月には、この新作を携えてのツアーがスタートする。
徳永「ライブハウスには長く行ってないなという方や、“ギュウギュウになっちゃうんじゃないの?”っていうふうにライブハウスを敬遠している大人世代の方にも来ていただきたいと思うんです。大人のパーティーをしましょうよ、と言いたいですね」
そして、doaサウンドの最大の魅力は、ライブでこそいっそう輝きを増す。
徳永「3ボーカル、これがdoaの最大の特徴だと思うんですが、人の声のパワーというものを感じてほしいです。一人の人間が歌うよりも、3人が声を重ねて歌うほうが感じてもらえるものが多いと、僕は信じているんです。僕自身それを感じたのが、このバンドを組みたいと思ったいちばんのきっかけなので。だから、3人が思いきり歌ってるそのパワーをぜひ生で体験してほしいと思います」
2015年3月7日(土) | Zepp DiverCity(TOKYO) | 16:30 開場 / 17:00 開演 | 全席指定 ¥5,500(税込) |
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doa (2015.2月号掲載 DI:GA interview)