細野晴臣、林立夫、鈴木茂のTIN PAN と矢野顕子は、1976年の矢野顕子デビューアルバム『JAPANESE GIRL』以前から、多くのライブやレコーディングの現場を伴にしてきた盟友です。
1974年のアグネス・チャン、南紗織のレコーディングやライブ参加を経て1975年、小坂忠『ほうろう』,吉田美奈子『MINAKO』、そして矢野顕子『JAPANESE GIRL』(76)、『いろはにこんぺいとう』(77)に至る名演の数々。
その後も細野晴臣のアルバムへの参加や、ライブでの部分的な共演はあったものの4人だけでは初となるツアーを敢行します。
30年以上の時を越えてもなお新鮮で、かつ熟練した、4人にしか繰り出せない音楽がそこにあります。
19 年目のさとがえるコンサート。この貴重な機会は聞き逃せない。
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LIVE 音楽の最高の醍醐味を
北中正和
2014年12月に矢野顕子とTIN PAN(細野晴臣/林立夫/鈴木茂)という顔合わせで「さとがえるコンサート」が行なわれる。この4人は30 年以上前からさまざまな組み合わせ、場面で共演してきた。
しかし4人だけでツアーを行なうのは実は今回がはじめてだ。
30年以上前という数字を見ると、昔の音楽の再現かと思う人がいるかもしれない。しかしことこの4人にその発想はあてはまらない。
30年以上前、本能のおもむくまま新しいポップスを作ろうとしていた4人は、時代の磁場に導かれるかのように、ポップスの最前線で出会い、歴史的な作品を残した。顔をそろえた期間は短かったが、その後、離れていても4人はそれぞれの立場で、音楽体験を進め、深め続けてきた。その過程は不可逆。
だから30年ぶりの邂逅といっても、旧交をあたためあう同窓会にはなりようがないのだ。
ごぞんじのようにいまのポップスの多くはコンピュータを使って作られている。4人もそうした音楽と無縁ではない。それどころか細野晴臣のようにYMO時代からコンピュータを使う音楽の先駆者として活躍してきた人もいる。
だから彼らの音楽の中にはコンピュータ時代の感覚が反映されているのだが、一方で彼らは生演奏の名人でもある。
かつてポップスの演奏は編曲された譜面をそのとおりに再現するものだった。いまのポップスのライヴでもあらかじめ作られたトラックを使う人のほうが多い。
しかしこの4人による演奏は、そうした伝統的なスタイルのポップスではない。矢野顕子は変幻自在な歌やピアノを聞かせる。対するTIN PANは柔軟性において世界有数のリズム・セクション。そんな両者が出会うのだから、当意即妙、創意工夫の余地のある演奏が展開されないわけがない。
なぜかって? それが生の演奏で味わえる音楽の最高の醍醐味だからだ。
時を同じくして、洗練された編曲感覚を持ちつつ自由にポップスを演奏する人たちが、世界各地から登場してきている。今回の「さとがえるコンサート」では、4人の演奏の円熟の味わいはもちろんのこと、そんな最新のポップスの感覚も体験できるのではないかと期待している。
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■矢野顕子さとがえるコンサート2014
2014年12月9日(火)
IMSホール(福岡)
18:30 開場 / 19:00 開演
2014年12月11日(木)
Zepp Nagoya
18:00 開場 / 19:00 開演
2014年12月12日(金)
NHK大阪ホール
18:15 開場 / 19:00 開演
2014年12月14日(日)
NHKホール(東京)
17:15 開場 / 18:00 開演
出演 矢野顕子 / TIN PAN(細野晴臣/林立夫/鈴木茂)
全席指定 ¥7,500(税込)
ジーンズシート ¥4,500(税込)
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