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＜ものがたり＞
信長に愛された雑賀衆の名狙撃手であった女が、信長亡き後、渡り遊び女の極楽太夫（天海祐希）と名乗り、諸国を回るうちに辿りついた関東荒野。
荒れ地にぽつりと拓けた色里“無界”があった。街道を旅する様々な諸事情を抱えた人々が出入りする遊郭・無界屋では、一番人気の若衆太夫・夢三郎がこの里を盛り立てていた。折しも関東では。髑髏の仮面で素顔を隠した第六天魔王（古田新太）率いる関東髑髏党を名乗る軍団が難航不落の髑髏城を築城、西の豊臣秀吉の天下統一を目前に関東に覇を唱え周辺諸国に攻め入り、村々を襲いその勢力を広げて行っていた。髑髏党に追われる熊木衆の少女・沙霧を行きがかりで助けた極楽と関八州荒武者隊の頭目を名乗る兵庫は、兵庫の口利きで無界屋に身を寄せる。その様子を影から盗み見る眼が二つあった。
一つは戦国武将のひとり徳川家康である。髑髏党を探りに関東にお忍びでやってきた家康は、かつての主君の信頼する狙撃手である極楽に天魔王を討つことを依頼する。もう一つは天魔王。 全ての身分に境の無くなる無界の里で極楽に素顔を晒す天魔王。かつての因果が再び極楽を絡め取ろうと回り出す・・・。