兵庫慎司のとにかく観たやつ全部書く:第30回[5月の巻~前編~]

コラム | 2019.05.20 18:00

イラスト:河井克夫

音楽などのライター兵庫慎司が、月に2回ペースで、自分が観たすべてのライブなどについてひとことレポしていく連載です。1年半ほど続けているのですが、今回、最低本数を記録してしまいました。15日で3本。なんで。10連休とかあったのに。大丈夫か俺、と己の仕事状況が不安になった2019年5月前半編です。

5月5日(日)マキシマム ザ ホルモン2号店
@ さいたまスーパーアリーナ『VIVA LA ROCK 2019』

毎年ゴールデンウィークにさいたまスーパーアリーナで行われているフェス『VIVA LA ROCK』、4日間のうちの3日目。この日、3つあるステージのうちの「GARDEN STAGE」で行われた、「マキシマム ザ ホルモン2号店」の初ライブを観に行きました。前後に別の予定があったもんで、ほぼそこだけピンポイントで観てすぐ帰る、という、とてももったいない足の運び方になってしまった。
この「マキシマム ザ ホルモン2号店」という企画に関しては、すでにあちこちで書かれているので(私も書きました。これとか)くり返しませんが、最終的に合格したメンバーが前夜に発表となり、翌日がこの初ステージ、という流れだった。
で。おもしろおかしいライブになるかと思いきや、あにはからんや、めちゃめちゃ感動的なライブなのだった。ステージの上の5人(「2号店」にはDJがいるのです)が「2号店」なのではなく、このストーリーを共有して来て今ここに集まった全員が「2号店」だ、という、すさまじい一体感、幸福感、せつなさ。いいものを観た、本当に。YouTubeでこの企画を追って来てよかった!と強く思った。

5月11日(土) ユニコーン @ 神奈川県民ホール

ユニコーン100周年ツアー『百が如く』50本中の10本目で、神奈川県民ホール2デイズの1日目。「100周年て何?」という方は、DI:GA ONLINEのこのインタビューをご参照ください。
このツアーを観るの、初日の4月6日三郷市文化会館以来だったんだけど、楽しさも興奮もレベルアップしつつ全体にぐっと引き締まった、まさにブラッシュアップされた感じになっていた。決して尺は長くないけど、その分濃いステージ。
で。5月12日は奥田民生54歳の誕生日、なのでこの日はその1日前。途中のMCで「明日どうせあれだろ? なんか(=ケーキとか)出てくるんだろ?」と言い、テッシーに「そういうことを言うな!」とたしなめられてました。「だってもう何回(誕生日にライブを)やってると思ってんの」だそうです。確かに何度も目撃したことある。PUFFYがケーキを押して出てきて「え、このためだけに来たの?」と驚いておられたこともありました。確か、ユニコーンじゃなくてソロ奥田民生の時だった、あれは。

5月13日(月) フラワーカンパニーズ @ 新代田FEVER

ユニコーンとかフラカンとかおんなじバンドをしょっちゅう観てるなおまえは! と自分でも思いますが、フラカンの結成30周年ツアー『30年のキセキ』を観たのは、全21本のうち8本目にあたるこの日が初めて(4月末に観た名古屋E.L.L.2デイズはこのツアーとは別企画で別内容)。
だったのですが、8本目ではあるものの、ちょっと日にちが空いてからのライブだったため、「日が空くと0にリセットされてしまう男」ボーカル鈴木圭介、まあ見事なリセットっぷり。なのでバタバタしたライブだったが、そこが新鮮でおもしろいライブでもありました。彼と35年以上の付き合いになるベース&リーダーのグレートマエカワも感心しておられました、「すごいなあおまえは」と。
あと、ギターの竹安堅一、髪をばっさり切ってから初めてのライブがこの日だったんだけど、圭介「どうしたんだおい、そのジャガー横田のダンナみたいな頭は」、グレート「顔も似とるんだよな」といじられ放題。気の毒だったので終演後に「俺はいいと思うけど」とフォローしたのですが、本人も「いや……言い得て妙だと思った、ジャガー横田のダンナって」と納得しておられました。で、後悔もしておられました、切りすぎたことを。

  • 兵庫慎司

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