サブスクで他人のプレイリストをのぞき見するヘンな趣味。【横山シンスケのライブオアダイ】連載:第27回

コラム | 2020.03.16 13:00

今や音楽ファンの間にサブスクリプション(定額制音楽聞き放題)は完全に定着した。
僕も数年前Spotifyに加入した時は、最新の話題曲から自分が10代の多感な頃に聞いた音楽までほとんど網羅されていてしかもそれが定額で聞き放題なので、夢中になって毎日新旧の色んな楽曲を探しまくり聴き漁りまくった。

それでサブスクは自分の聞きたい曲を自由に並べて「プレイリスト」を作れるので、僕も自分の日常の色んなシチュエーションに合わせて、自分の店の「BGM」や、「作業時」「ランニング時」とか、他にも密かに「帰り道」「ブルーな時」「甘酢っぱい」とか、恥ずかしい個人プレイリストまでも作って聞いていた。
だが、何の勘違いか僕はそのプレイリストを全部「公開する」という設定(その設定にすると加入者は誰でもそのプレイリストを聞けてしまう)にしてしまっており、ある日それが自分の店のスタッフに発見され、それが知り合いやお客さんにまで拡散してしまい、「普段はロックンロール!とか言ってるのに帰り道はアイドルばっか聞いてるのな」とか「横山店長のブルーな時と甘酸っぱい時のプレイリストどん引きしたわ」とか散々言われて、死ぬ程恥ずかしい思いをした事がある。

でもそのアホな失敗をキッカケに「他の人は何を聞いているんだろう?」というのに興味を持ち、探り始めるとこれが楽しくなってしまい、いつしか他人のプレイリストをのぞき見するというヘンな趣味ができてしまった。
でも音楽好きなら、他人の(特に自分と近しい音楽好きの人とかの)趣味嗜好やプライヴェートな素の部分が滲み出ているプレイリストを垣間見るというのは、それを聞かずにそのセットリストを見てるだけでも楽しいもんである。

そこで今回は“他人のプレイリストウオッチャー”というヘンな趣味の持ち主の僕が今まで見てきて気付いた「プレイリストあるあるネタ」をいくつかご紹介したい。

ちなみにその他人の公開プレイリストをここにそのまま貼ると、僕みたいになって作者にマジで迷惑をかけるかもなので、あくまでも僕が今まで発見して面白かった例を僕がわかりやすくシミュレーションした形でここに貼っておきます。

途中から全部同じアーティストのみになる“途中で自分を発見する系”

一番多いのはこれで、公開プレイリストなので最初は他人が聞いても楽しめるように気合い入れて色んなアーティストの曲を散りばめるんだが、途中から自分が一番好きなアーティストの曲の素晴らしさを改めて再確認してしまい、ひとつのアーティストのみになるというパターンで、個人的に「自分探しの旅に出てその途中で自分を発見するプレイリスト」と長いジャンル名で呼んでいる。

“途中で自分を発見する系”の例

※途中からサザンへの愛が止まらなくなり全部サザンになってしまう

テーマを決めてるのに途中から“趣旨が変わってしまってる系”

これも非常に多く、最初はテーマを決めて作成してるんだが途中から飽きてきて、関係ない楽曲サーフィンが始まってしまい、最後の方は全然テーマと違う曲だらけになってしまうというもので、「リラックス」みたいなタイトルで最初はスローなまったりした曲のみなのに途中からハードテクノやEDMのみになってたり、「ラブソング」みたいなタイトルなのに、途中からバキバキのメタルやパンクになってたり最初の趣旨からブレブレで、まあこれも自分発見系というかその人の本性が途中で出てくるのを時系列で見れたりするので楽しい。

“趣旨が変わってしまってる系”の例

※モンパチから本性が出始めて最後はバキバキになってる

その人の素が一番出ている“なぜこれがここに?系”

人のプレイリストを観察してて一番面白いのがこの「なぜこれがここに?」系で、例えば普通のポップスが並ぶ中に突然プロ野球の応援歌が入っていたり、パチンコで流れる曲があったり(当然それが好きなんだろう)、更にサブスクは音楽だけじゃないので、途中に落語が入っていたり、英会話講座が入ってたりする人もいる。
個人的に一番ウケたのは「旅行BGM」という感じのタイトルだが、電車の走る音やチャイム音とかばかり間に入っていて要するに鉄道オタクの方のプレイリストで、途中からもはや音楽もなくなっていくんだが、試しに聞いてみるとこれが旅の臨場感バッチリでマジで旅に出てる気分になれて、結果的に非常に優れたプレイリストだという発見もあった。

“なぜこれがここに?系”の例

※いわゆる「音鉄」の方。鉄道愛があふれてる。

面白いけどヤバい匂いしかしない“近よるなキケン系”

プレイリストは配信曲であれば好きな組み合わせで自由自在に作れて、検索で何から何まで探せるが、そうなるとフリーダム過ぎて色んな意味でヤバいプレイリストを作ってる人も見かける。
そんな人のプレイリストを聞いてると、「よくこんな曲配信できるなあ...」というような今まで知らなかったアブない曲も多数知る事ができるが、過去に発見した時にヤバいと思いながらもそのセンスに笑ったのがジャンルはバラバラだが同じタイトルの曲ばかりのリストを作ってる人がいて、「恋」というタイトルの曲だけ集めたのとかあって、もう出オチみたいな絵面で笑ったんだが、中には「爆弾」と「爆発」というタイトル曲ばかりのプレイリストもあって、笑いながらも「この人大丈夫か?」と心配になった。

“近よるなキケン系”の例

※近よるなキケン!

そんな感じで、サブスクはどこのアプリも配信曲がどんどん増えてるからこういう楽しみ方もできるし、持ち運びができる超巨大な音楽博物館みたいなものなので、皆さんも僕みたいに色んな個人的な楽しみ方を見つけてると更に楽しいと思いますよ。

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