兵庫慎司のとにかく観たやつ全部書く:第51回[3月の巻~後編~]

コラム | 2020.04.07 17:00

イラスト:河井克夫

音楽などのライター、兵庫慎司が、自分が観たすべてライブなどについてひとことレポを書いて、半月に一度のペースでアップしていく連載ですが、ご存知のように、4月上旬現在、ほとんどのライブが中止・延期になっている状況です。が、3月後半はまだ、「ライブハウス」「でも混まない」という中で行われているライブが、若干数ありました。以下、そういうライブ3本と、無観客生配信イベント2デイズのレポです。

3月17日(火) peanut butters,YUMEGIWA GIRL FRIEND,Ezoshika Groumet Club @ Zher the ZOO YOYOGI

UKプロジェクトの新人フックアップ・イベント。「この日ヒマになっていたら来ません?」とお誘いいただいて、頭から最後まで観た。前から知っていたのはYUMEGIWA GIRL FRIENDだけだったが、三者三様でとてもおもしろかった。
佇まいも音も、アート・スクール感(木下理樹のじゃなくて、本来のイギリスとかの学校の方)出まくりの、peanut butters。バンド名の「YUMEGIWA」はSUPERCARの曲名、ボーカル&ギター鷹嘴力哉が着ているTシャツはNUMBER GIRL、彼の髪とヒゲの感じはsyrup16g五十嵐隆、ただし音を出すともそのどれとも違う感じのYUMEGIWA GIRLFRIEND。Ezoshika Groumet Clubは、曲のポップさとギターの激しく自由な鳴りのギャップが耳に残る感じ。それぞれ活躍していきそうな可能性を感じた。

3月22日(日) 日本マドンナ @ Zher the ZOO YOYOGI

17日にZher the ZOOに行った時、この日のナックルチワワのイベントに日本マドンナが出ることを知って、観に行きました。DJが2人、バンドが4組出演、日本マドンナはバンドの2番目。
ライブ観たの、8ヵ月ぶりくらいだったが、めちゃめちゃかっこよかった。まさに「パンク」ではなく「パンク・ロック」、すごく正しい意味で。遠藤ミチロウ「オデッセイ」のカバーをやったり、新曲を披露したり。「自称評論家」という曲が特によかった。お客さん、ナックルチワワのファンが大半だったと思うが、しっかりウケてたし。
しかし、初めて観た時はあんな(Vo&B)とまりな(g)は高3でさとこ(ds)は高1だったよなあ、あれから11年も経ったのかあ、と、ちょっとしみじみしたりもした。一度解散したけど復活して、今もこんなにいいライブをやっているのは喜ばしいことです、素直に。

3月25日(水) クリトリック・リス、突然少年 @ 下北沢シェルター

クリトリック・リスと突然少年が、3月23日(月)・24日(火)・25日(水)の3日間で大阪・名古屋・東京を回った対バンツアーのファイナル。「ライブハウスが大好き」とか、「ライブハウスで生きている」とかいう次元でなく、「ライブハウスがないと死んでしまう」二者の、ガチンコなステージ。観て大笑いしたし、痛快な気持ちにもなったが、同時に何か気がついたら涙がにじんでいるみたいな感動も孕んでいた。
なお、クリトリック・リス=スギム、MCで、「ノーツイートで」と前置きした上で、昨夜の名古屋の本番終了後の出来事を話していた。爆笑もんのエピソードでした。で、確かにこれ、ツイートしたらアウトだわ、と思いました。

3月28日(土) 『聴志動感』 1日目 @ 都内某スタジオ

奏-KANADE-、プラムチャウダー、イープラス、サウンドクリエーター、という関西のライブ制作スタッフ四社が急遽立ち上げた、無観客スタジオライブ生中継イベント、2デイズの1日目。オフィシャルのレポを書く仕事の打診があり、「ぜひぜひ!」と引き受けました。アップされたらリンク貼ります。
この1日目は、Anly、Rin音、坂口有望、MOROHA、Hump Backの5組が出演。

3月29日(日) 『聴志動感』 2日目 @ 都内某スタジオ

その2日目。SCANDAL、ヒグチアイ、クレナズム、ズーカラデル、Rei、ハルカミライの6組が出演した。こちらも、アップされたらリンク貼ります。
あ、これ、2日とも、その配信をやっている都内某スタジオまで行きましたが、そのスタジオの中で、直でライブを観てはおりません。外で、モニターで観ながらレポを書きました。

というわけでこの連載、今回まではなんとか書きましたが、4月になって以降、ライブハウスからの生配信もできなくなっている世の中なので、次回からが本格的に困ることになります。どうしよう。

  • 兵庫慎司

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    兵庫慎司

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