兵庫慎司のとにかく観たやつ全部書く:第106回[2022年5月前半・『VIVA LA ROCK 2022』の2日目、『OTODAMA ’22』の全日(3日間)、宮本浩次、筋肉少女帯、『SWEET LOVE SHOWER SPRING 2022』の1日目を観ました]編

コラム | 2022.06.06 18:00

イラスト:河井克夫

 音楽ライター兵庫慎司が、生もしくは配信で観た、基本は音楽のライブ、時々演劇やお笑いやプロレスなどのすべての短いレポを書く連載の106回目=2022年5月前半編です。今回、全7本中5本が春フェスです。半月の間に、これだけ各地に足を伸ばしたの、久しぶりでした。

5月1日(日)10:00『VIVA LA ROCK 2022』2日目@さいたまスーパーアリーナ

 4月30日、5月1日、5月3日、5月4日の4日間開催だった今年の『VIVA LA ROCK』、その2日目に行った。SHE’S、androp、BIGMAMA、ハルカミライ、CHAI、NUMBER GIRL、SHISHAMO、Saucy Dog、マカロニえんぴつ、Creepy Nuts、スピッツ、My Hair is Badなど19アクトが出演した日。
 チケットはソールドアウトで、ロビーや飲食など、かなりの混雑。ふたつ並んだWORLD STAGEとPEACE STAGEが交互に進み、別の場所に小さめのCAVE STAGEがある、というのは例年どおりで、屋外のけやき広場の、チケットを持っていない人も観れるステージがないのは、コロナ禍対策ですね。
 で、CAVE STAGEは、行ってもひたすら並びっぱなしになるであろう、と踏んであきらめ、スタンド席の上の方で、WORLD STAGEとPEACE STAGEをひたすら観続けることにした。
 ハコのでかさに左右されない、CHAIのハートの強さに感嘆したり、復活から3年経ってもヒリヒリしっぱなしのNUMBER GIRLの音にやられたり(特に田渕ひさ子。かっこよすぎてギターの化身のよう)、サウンドチェックが始まった瞬間に「うわ、やっぱりこのバンドの演奏力、すごいんだな」と、マカロニえんぴつに感心したり、Creepy Nutsの人気っぷりに「スターだなあ」と改めて思い知ったり、スピッツの「いつまでも変わらなくていつまでも新鮮なまま」な在りようを久々に堪能したり、マイヘアの「ライブ1本1本がその日だけのドキュメント」っぷりに、惚れ惚れしたり。
 という、とても楽しい1日になった。大して食わず、(今年は会場内で売っていたが)酒も飲まず、ずっとひとりでおとなしく座って観ていたのに、終わって帰る時、ヘトヘトに疲れている自分に気がついて、それだけステージに神経を持って行かれていたんだな、と思った。

5月5日(木・祝)11:00 『OTODAMA'22~音泉魂~“BACK TO THE OFURO”』1日目@泉大津フェニックス

 個人的に大好きなイベンター清水音泉による、個人的に大好きなフェス『OTODAMA'22~音泉魂~“BACK TO THE OFURO”』が、ゴールデンウィークに時期を移して、3年ぶりに復活。しかも過去は1日か2日だったのが、5日・7日・8日と、ゴールデンウィーク中の、平日を避けての3日間開催。
 で、SPICEで、レポの仕事をいただいた。ライターは初日が鈴木淳史、2日目と3日目が僕、という振り分けだったのだが、そんなん初日も観たいがな。というわけで行きました。詳しくは鈴木淳史のレポをどうぞ。
 こちらです。≫ SPICE:『OTODAMA'22~音泉魂~』初日ーー「BACK TO THE 90's」と「素晴らしき未来」が繋がった、2年半ぶり開催の奇跡

5月6日(日)18:30 宮本浩次@三重県文化会館大ホール

 その『OTODAMA’22』の、1日目と2日目の間の空き日だった5月6日。何もしないのもなんなので、関西で何か観たいライブないかしら、と探していて、宮本浩次が全都道府県を回るツアー『日本全国縦横無尽』が、この日、三重県津市で行われることを思い出した。近いじゃん、大阪から。
 と思うあたりが、土地勘のなさ丸出しである。難波から津まで、1時間半ちょっとかかった、近鉄の特急アーバンライナーで。で、津の駅からも遠いのね、三重県文化会館大ホール。調べたら「1.8キロ、徒歩24分」だったので、それくらいなら、と思って歩いてみたが、道のアップダウンがけっこうあって、30分くらいかかった気がする。
 それはともかく、ライブは最高だった。このツアーを観るの、8本目だが、あたりまえだけど毎回違うし、毎回必ず新しい発見があるし、毎回ハラハラドキドキする瞬間が必ず訪れる。宮本も、メンバー4人も含めて、エンタメとドキュメントがせめぎ合っている感じ、というか。いやあ、いいもの観た、という気持ちのまま、難波まで戻りました。
 余談。各地で宮本は、その土地に「ベイベー!」を付けてオーディエンスをあおる。で、この日、「三重県ベイベー」はいいが、「津ベイベー!」というのは、字数的に、というか語呂的に、なんか不思議な響きになっていた。と思っていたら、アンコール恒例のMCで、小林武史がそのことに触れた。曰く「『津ベイベー!』、ポップです!」。

5月7日(土)10:20 『OTODAMA’22 〜音泉魂〜』2日目@泉大津フェニックス

 で、『OTODAMA』の2日目。ブッキングのカオスっぷりがとりわけ楽しい日だった。この日は私がSPICEのレポを書きました。こちらです。
 ≫ SPICE:『OTODAMA'22~音泉魂~』2日目ーー「なんかもうカオス!」だけど「これがやりかった」必然に満ちたドラマチックなラインナップ

5月8日(日)11:00 『OTODAMA’22 〜音泉魂〜』3日目@泉大津フェニックス

 そして3日目。この日のSPICEのレポも私です。ユニコーンにマカロニえんぴつのはっとりが加わって「服部」を歌う、などのサプライズがいろいろあった日でした。こちら。
 ≫ SPICE:『OTODAMA'22~音泉魂~』3日目ーー「これだ!」「戻ってきた!」感覚と「フェス」でしかなし得なかった幸福な空間

5月12日(木)18:30 筋肉少女帯@川崎クラブチッタ/Streaming+

 筋肉少女帯、1年後のデビュー35周年へ向けたカウントダウン・シリーズ・ライブの1本目で、この日は結成40周年を祝うライブ、という趣旨。ややこしいですね。そのへんのややこしさの説明も含めて、このDI:GA ONLINEにレポを書きましたので、ぜひ。
 ≫ DI:GA ONLINE:筋肉少女帯、35周年カウントダウン・シリーズ・ライブ、スタート! 1本目の5・12クラブチッタをレポ!

5月14日(土)10:30 『SWEET LOVE SHOWER SPRING 2022』1日目@山中湖交流プラザきらら

 今年は夏だけでなく春にも行われた、スペースシャワーTVの『SWEET LOVE SHOWER』の1日目のトリは、客前でライブをやるのは昨年8月のフジロック以来の電気グルーヴ。行かないわけにはいかない。
 というわけで、山中湖交流プラザきららまで行ったのだが、『OTODAMA』でも観た羊文学がさらに良くなっていたり、初めて観たKroiがめちゃくちゃかっこよかったりして、それ以外にも収穫の多い1日だった。
 で、トリの電気。観ながら曲をメモって終わってすぐセットリストをツイートしたくらい、良かった。ってどんな良さだ、それは。デビューから30年以上、ほぼ全時代の曲をプレイしつつ、今の電気がいちばんかっこいい、ということを見せつける、そんな良さ、とでも言いましょうか。ここにもセトリ、書いておきます。
 1Set you Free 2人間大統領 3Shangri-La 4Missing Beatz 5モノノケダンス 6The Big Shirts 7Fallin' Down 8ガリガリ君 9B.B.E. 10SHAMEFUL 11MAN HUMAN 12FLASHBACK DISCO 13N.O. 14富士山

  • 兵庫慎司

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    兵庫慎司

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