兵庫慎司のとにかく観たやつ全部書く:第135回[2023年5月も数が多いので3回に分けた、その後半編・マカロニえんぴつvsユニコーン、Calmera休止ライブ、電気、バンプなどの6本を観ました]編

コラム | 2023.07.21 17:00

イラスト:河井克夫

 音楽などのライター兵庫慎司が、生で(もしくは配信で)観たすべてのライブの短いレポを書いて、月二回ペースでアップしていく連載です。ただし、1ヵ月の間に観た本数が15本を超える時は月三回にしており、2023年5月はそれだったので三回に分けた、その三回目が以下です。なお今回、「現場まで行ったけど配信で観た」という、ちょっとめずらしいケースも1本ありました。

5月19日(金)19:00 マカロニえんぴつvsユニコーン@Zepp DiverCity

 1日目はワンマン、2日目はゲストありで、マカロニえんぴつが横浜・札幌・名古屋・福岡・大阪・東京を回ったツアーのファイナルで、ゲストはユニコーン。
 リアルサウンドにレポを書きました。未読の方はぜひ。
マカロニえんぴつ×ユニコーン、レアな2マン実現させたはっとりの“本物”のリスペクト 果てしなく濃密で刺激的な3時間

5月21日(日)18:00 Calmera@渋谷ストリームホール/ZAIKO

 5月14日大阪味園ユニバースと、この渋谷ストリームホールの2本のライブを最後に、活動休止したCalmera。当然ながらチケットはソールドアウト。ひとりでも多くのファンを入れたいので、関係者はロビーでZAIKOでの生配信のモニターを観ていただく形になります、それでもよろしければお越しください──ということだった。
 行きました。で、パーテーションで区切られたロビーの一角で、モニターで観ました。けっこうな人数いた、関係者。生配信なんだから、家で観たっていいのに。でも、観るのが画面だとしても、その場にいたかった、言わば「立ち会いたかった」んだと思う。
 で。自分の経験だと、活動休止ライブや解散ライブって、基本、よくなかったことがない。観る側であるこっちの思い入れとかは当然あるが、なるべくそれを削ぎ落として冷静さを心がけながら観ても、「ああ、こりゃあ休止(解散)するわ、アンサンブルがボロボロだもん」みたいに思った経験、記憶にない。
 「え、めちゃくちゃいいじゃん、こんなにいいのになんで休止(解散)なんだろう?」と不思議になることが、ほとんどなのだ。で、そのたびに、「いや、でも、最後だからこそ、こんなにいいライブをやれているんだろうな」と思い直すのだが、この日のCalmeraも、もうその究極みたいなステージだった。
 全21曲・2時間40分、ダレる時間とか「これはつなぎの曲」的な時間、一瞬たりともなし。すべてがハイライトですべてがピーク、と感じるような、本当にかけがえのない時間。
 アンコールで、最後に新曲「THIS IS US」をやった。で、同曲のアウトロが続く中、8人のメンバーがひとりずつ演奏をやめて生声で挨拶し、ステージを下りて行く、そして最後にリーダーの西崎ゴウシ伝説だけになる、という終わり方も、すばらしかった。というか、とても、くるものがあった。

5月24日(水)19:00 うつみようこ&YOKOLOCO BAND、フラワーカンパニーズ、THE NEATBEATS@荻窪TOP BEAT CLUB

 THE NEATBEATSのMr.PANこと真鍋崇が、2023年2月10日(ニートビーツの日)にオープンしたライブハウス、荻窪TOP BEAT CLUBでの3マンイベント。この3バンドが観たい、というのももちろんあるが、このハコに一度行ってみたかった、というのもあって足を運んだ。内装のこだわりとか居心地のいい空気感とか、噂どおりのとても素敵なハコだった。
 さて、この日の出順は、ヨコロコ→フラカン→THE NEATBEATS。ヨコロコは、ギタリスト竹安堅一が衣装のツナギを持って来るのを忘れたり、フラカンはボーカル鈴木圭介が「初めて来たけど、荻窪駅から40分かかった」と言ってお客を驚かせたり(※普通に歩けば10分弱だし、別にわかりにくい場所でもありません)、それぞれ、いろいろと楽しいステージ。
 さらに。トリのTHE NEATBEATSが圧巻だった。演奏もすばらしかったんだけど、MCが特に。常日頃から、そのシャープでスタイリッシュな音&外見と不釣り合いなほど、おもしろすぎるMCでおなじみだが、この日は、直前までスペインにツアーに行っていたそうで、日本語でMCできる機会に飢えていたのか、もう炸裂しっぱなし。
 真鍋、いじるいじる、対バンも、メンバーも、この近所に住んでいるという某バンドの某メンバーも(すぐそこのコンビニにしょっちゅういるそうです)。音に酔って言葉に笑わされる、とても濃密な時間だった。終わったらクタクタになっていたくらい。

5月26日(金)19:00 T字路s、ピーズ@東京キネマ倶楽部

 T字路sが対バンと東名阪を回る『まむしの2マンツアー2023』のファイナル。名古屋はキセル、大阪はeastern youth、そしてこの日=東京はピーズとの2マンである。
 まずピーズ、立ち位置が変わっていて、ちょっとびっくりした。この前に自分が観た時(4月29日のARABAKI ROCK FEST.)までは、普通にボーカル&ギターのはる(大木温之)がセンターだったのに、この日は左がはる、センターがギターのアビさん(安孫子義一)、右がベースのみったん(岡田光史)になっていたのだ。
 終演後にはるにきいたら、ひとつ前の横浜のライブからこの並びにしてみた、とのこと。3ピースバンドだった頃は、左側でベースを弾きながら歌っていたが、4人でセンターに立ってみたら、他のメンバーを見にくい、特にドラムを見づらくてやりづらい。で、試しに変えてみたら、とてもよかった、と。なるほど。
 T字路sは、伊藤妙子、高校の頃からピーズ大好きだそうで、MCで、その頃の思い出もまじえながら、喜びを言葉にしていた。で、昨年リリースしたカバーアルバムから、ピーズの「そばにいたい」と、RCサクセションの「スローバラード」をやった。あと、今年参加したThe Street Slidersのトリビュートアルバムの「かえりみちのBlue」も。3曲とも、いちいち圧巻だった。
 とか書くと、それ以外のオリジナル曲が良くなかったみたいだが、もちろんそんなわけはない。ただただ声に魅了される存在、自分にとっては男性だと奇妙礼太郎、女性だと伊藤妙子です。幸せだった、この日も。歌詞のひとことひとこと、ギターとベースの音ひとつひとつを噛み締めるように堪能した。

5月27日(土)19:00 電気グルーヴ@EX THEATER ROPPONGI/ZAIKO

 昨年秋のツアーよりも小さめの会場を回ります、という趣旨らしく、タイトルは『CLOSER〜近いツアー〜』。ただ、名古屋ダイヤモンドホールと、地元静岡のLIVE ROXY SHIZUOKAは確かに「近い」し、大阪のなんばHatchもちょっとは「近い」感じだが、このファイナルの東京のEX THEATER ROPPONGIの2デイズは、近くはありませんでした、決して。ご本人たちも、MCでそこにつっこんでおられました。
 で、この2デイズの2日目のみ、ZAIKOで生配信あり。電気グルーヴ、無観客配信ライブは二度やっているが、有観客での生配信は、この日が初である。というわけで。アンコールでピエール瀧が、最近自身に起きた出来事について15分近く話して爆笑をさらった末に、石野卓球が「ちなみに今日配信があるんで、これをMCで話すために、昨日は黙ってました」と報告。大拍手を浴びていた。
 あと、コロナ禍以降のライブでは演奏していなかった、「さんぷんまるのうた」や「Technopolis」や「レアクティオ―ン」を聴けたのも、うれしかった。
 終演と同時に、次のツアー『アンと匂いの樹』を発表。11月から12月にかけて、名古屋・福岡・大阪・札幌・東京×2のZeppを回るツアーである。しかし、つくづく、いいタイトル。

5月28日(日)18:00 BUMP OF CHICKEN@さいたまスーパーアリーナ

 『BUMP OF CHICKEN TOUR 2023 be there』のファイナル、さいたまスーパーアリーナ2デイズの2日目。1本目の2月11・12日有明アリーナの1日目もSPICEでレポを書いたが(こちらです)、今回もSPICEにレポを書きました。なので、未読の方はぜひ。
『BUMP OF CHICKEN TOUR 2023 be there』 セトリやライブ運びから見えたバンプの"いま"

  • 兵庫慎司

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    兵庫慎司

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