フジジュンの「ライブ終わったらど~する?」#14 「22時とハイボール。恋や青春に想いを馳せながら、ひとり呑みたい夜もあるおじさんのお話」

コラム | 2024.04.05 17:00

Photo:にしゆきみ

BIGMAMA主宰による、『SCHOOL WARS TOUR <対バン 追試編>』東京編[3/15(金)@渋谷CLUB QUATTRO]は、ゲストになきごとを迎えてのツーマンライブ。BIGMAMAに関しては、以前もこのコラムでも書かせてもらったが。

BIGMAMA「BIGMAMA COMPLETE」ツアー横浜公演

『DI:GA ON LINE』で久々にBIGMAMAのインタビューをしたのは、約1年前の23年2月。メンバー5人に話してもらったのは“決意表明の年”となった22年について、21年にBucket Banquet Bis(Dr)が加入してのバンドの変化。そして昨年行われた、これまで制作した全149曲を披露する全国ツアー『COMPLETE TOUR』への意気込みだった。

BIGMAMAインタビュー

インタビューで、「10年を迎えた時(2017年)に(日本武道館に)立って。現在は武道館へのカッコいい登り方をもう一度考えるというか。武道館のステージに立つプロセスを作るというのが、僕らにとってすごく大事なテーマなんです」と、現在のバンドのテーマと目標を語っていた金井政人(Vo/Gt)。

武道館という明確な目標に向けて、高い意識を持って全曲ツアーや新曲制作に挑む5人の想いにすごく感心したし。実際その後、気合い十分で行われた『COMPLETE TOUR』は本当に素晴らしかったし。<このままでは終われないさ>という強い決意や、大きな目標に向かって駆け巡る現在の季節を“青春”と照れずに歌う、昨年10月リリースのアルバム『Tokyo Emotional Gakuen』は、現在のBIGMAMAの充実ぶりを存分に感じる、熱くエモい作品となった。

その後、最新アルバムを掲げての全国Zeppツアー『SCHOOL WARS TOUR』を行って、昨年11月にはZepp DiverCity(TOKYO)でファイナル公演を成功させたBIGMAMA。

BIGMAMA『SCHOOL WARS TOUR』ファイナル公演

さぁ、次の展開は!? と多いに期待する中、発表されたのが“追試編”と題した対バンツアーと、“留年編”と題したワンマンツアー。そして“卒業試験”と題した、BIGMAMA恒例の“母の日ライブ”だった。熱くてエモい学園生活はまだまだ続く! ということだ。

BIGMAMA
撮影:タカギユウスケ

そして、<追試編>東京公演の対バンに招かれたのは、なきごと。2月に配信シングル「素直になれたら」をリリースし、4月6日(土)には、自身最大キャパでのワンマンとなる東京・Zepp Shinjuku公演を控えた彼女ら。

なきごと、8th Digital Single「素直になれたら」リリースインタビュー

今年2月に『DI:GA ONLINE』で行ったインタビューでは、昨年1月のアルバム『NAKIGOTO,』リリース以降、曲作りやレコーディング、自身の意識に変化があったことを話してくれた彼女ら。ワンマンをやる機会が増えて、改めて自身と向き合うことも多くなって。“疲れ切った日常にほんの少しのなきごとを。”という、バンドの原点にいま一度立ち返りながら、Zepp Shinjukuの大舞台に挑もうとするなきごともまた、大きな目標に向かって駆け巡る“青春”と名付けられた季節の真っ只中。

話をしっかり聞いてたこともあり、個人的に思い入れたっぷりの両組による対バンに、「なんて、俺得な対バンなんだろう!」と嬉々としながら会場に向かった俺。会場に到着すると、世代もジャンルも異なる両組のファンが入り交じるフロアは、対バンならではの雑多感や緊張感があって、そんなワクワクも気分を高揚させてくれる。

先攻は「なきごと」、ライブスタート!

先攻はなきごと。ギターを背負ってステージに並ぶ水上えみり(Vo/Gt)と岡田安未(Gt/Cho)の立ち姿に、「なきごとは画になるなぁ!」なんて感心してると、水上の弾き語りで始まった1曲目は、最新作「素直になれたら」収録の「終電」。女の子のいじらしい恋心をアップテンポな曲調に乗せたこの曲。胸締め付ける水上の透明感ある歌声で、なきごとを初めて見る観客もグッと惹き付ける。

なきごと / 『終電』【Music video】

「BIGMAMAが最高の日になきごとを呼んでくれました、しっかり応えたいと思います!」と、「憧れとレモンサワー」を披露して会場中が手拍子を合わせると、BIGMAMAや観客への感謝を伝えたMCでは、タモリばりの拍手止めの手拍子で観客とコミュニケーションを取る水上。BIGMAMAとのライブ前の交流も嬉しそうに話し、早くも対バンの楽しさを満喫してる感のある彼女ら。感傷的な水上の歌声と岡田のギターで始まった「ラズベリー」で、観客をなきごとの世界のさらに奥深くへと誘う。

「忘却炉」、「知らない惑星」と続き、丁寧なライブ運びで観客の心を鷲掴んでいったなきごと。「今日、めちゃくちゃ楽しみにしてました。どんだけ自分たちを知らない人に、初めて対バンする相手に届くかな?ってワクワクしてました。一番、あなたの心掴めるかな?って曲、聴いて下さい。あなたに届け!」と披露したのは、代表曲といえる「メトロポリタン」。手拍子を合わせ、手を挙げ合わせる観客に「超最高で~す!」と水上が愛らしい笑顔を見せる。

ライブが進むごとに観客の拍手も大きくなっていき、少し余裕を感じるホーム感さえ出てきた彼女らのステージ。水上がハンドマイクで披露した「マリッジブルー」、新曲「グッナイダーリン・イマジナリーベイブ」と続き、ミディアム・バラード「退屈日和」へ。寂しい夜にそっと寄り添ってくれるなきごとの楽曲たちは、ライブハウスで多くの人と共有することで昇華されていく感覚もあり、部屋で一人聴いてる時とはまた違った印象、魅力を与えるから不思議。

MCではBIGMAMAにリスペクトを贈り、自分のビッグママ(母親)について語った水上が、「ママが辛い時に私が出来ることは、ただただ側にいることだと思ったんです」と、自身のルーツとも取れるエピソードを話す。さらに、「音楽って、聴く人の悩みに直接的に関わらなくても寄り添うことは出来るし、救いになったりするから。私たちの音楽があなたの生活のBGMでも良いので、少しでも拠り所になれたらなと思って、なきごとというバンドを組みました」と自身の音楽やバンドへの想いを熱く語ると、ママへの想いを綴ったという「ぷかぷか」を披露。丁寧なライブ運びで、さらに距離が縮まった感のあるステージとフロア。たっぷり気持ちを込めた美しい歌声と演奏に、会場中が手を挙げて仰ぎ応えていた。

ラストは僕も大好きな曲「深夜2時とハイボール」でフィニッシュ。一人寂しく過ごす深夜2時、なきごとも言いたくなるような夜に生きることを優しく肯定して、心の拠り所になってくれる彼女らの音楽。「あなたがどこにも居場所がないなんて言わせないように、ずっと音楽を鳴らし続けます。あなたの日常にほんの少しのなきごとを」とメッセージを届けて、ライブをフィニッシュ。先輩バンドのBIGMAMAへのリスペクトをしっかり感じ、彼女らの魅力を存分に分からせてくれたこの日の対バンが、なきごととの良い出会いになった人はたくさんいたはず。

公演情報

DISK GARAGE公演

BIGMAMA SCHOOL WARS TOUR 2024

<ワンマン 留年編>
2024年4月7日(日)愛知・名古屋 JAMMIN’
2024年4月12日(金)宮城・仙台 enn 2nd
2024年4月17日(水)大阪・梅田 シャングリラ
2024年4月19日(金)岡山・岡山 IMAGE
2024年4月21日(日)福岡・福岡 Queblick
2024年4月27日(土)北海道・札幌 BESSIE HALL

<卒業試験 (母の日)>
2024年5月12日(日)Zepp DiverCity(TOKYO)

なきごと 8th Digital Single “素直になれたら” Release Tour 2024

RELEASE

 「化学|𝐔𝐭𝐬𝐮𝟐 」

BIGMAMA Digital single

「化学|𝐔𝐭𝐬𝐮𝟐 」

2024年4月1日(月)配信リリース

詳細はこちら!
「素直になれたら」

なきごと 8th Digital Single

「素直になれたら」

2024年2月3日(土)配信リリース

詳細はこちら!

PROFILE

フジジュン

1975年、長野県生まれ。『イカ天』の影響でロックに目覚めて、雑誌『宝島』を教科書に育った、ロックとお笑い好きのおもしろライター。オリコン株式会社や『インディーズマガジン』を経て、00年よりライター、編集者、デザイナー、ラジオDJ、漫画原作者として活動。12年に(株)FUJIJUN WORKSを立ち上げ、バカ社長(クレイジーSKB公認)に就任。メジャー、インディーズ問わず、邦楽ロックが得意分野で、笑いやバカの要素を含むバンドは大好物。

  • フジジュン

    TEXT・撮影

    フジジュン

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  • 撮影(ライブ写真)

    タカギユウスケ

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