渋谷公会堂物語 〜渋公には伝説という魔物が棲んでいる〜 第2回 語り手:土橋安騎夫(REBECCA)「渋公は登竜門で、そこでやることがステイタスだった」

コラム | 2018.03.10 19:06

「1985.12.25 REBECCA WORLD CONCERT TOUR Maybe Tomorrow in 渋谷公会堂」上映会資料より

──その次に、武道館4days公演を含む体育館ツアーをやって、その年の12月からまたツアーが始まります。
「POISON」のツアーですよね。あのツアーはよく憶えてますよ。長かったから。最後が代々木第一体育館ですよね。その打ち合わせのときに「ステージセットの階段が開いて出てきたら、すごくない?」と言ったんです。僕は冗談だったんですけど、本当にやることになったんです(笑)。
──それも、映像に残ってますね。
ただ、あれは人が押してるんですよね。階段の扉が開くのはすごい予算をかけて油圧でやってるんですけど、僕のと、小田原君の台とオバヲさんの台と、それぞれ3人ずつ9人で押してるんです。それで3日公演があって、1日目、2日目は何事もなかったんですけど、3日目ですよ。3人並んで出ていくはずが、ふと横を見るとオバヲさんが見えないんです。オバヲさんの台がレールから外れてたんですね。それでも、押してる人間はがんばって押すじゃないですか。その一方で、空いた扉が閉まっていくわけですよ。それで、舞台監督が「どけっ!どけっ!」と叫ぶんだけど、押してる人間がそれに気づかずになんとか押し出して、ギリギリのところでセーフだったっていう。やっぱり、ああいうことが起きるんですよね。
──その代々木の公演に限らず、客席から見てる限りでは、もちろんそんなことには気づかずにただ楽しんでたわけですが、ステージ上では機材のことも含め、いろんなことが起こってたんですね。
そうですね。僕も全部憶えてるわけじゃないですけど、いろいろあったと思いますよ。そういうふうに考えていくと、逆にMaybe Tomorrowのツアーくらいまでは平和でしたよね。手作り感満載だったし。だから、忙しかったし、大変だったけど、でも嫌な思い出というか、そういうものはないんですよ。
──レベッカがデビューした80年代前半のロック・シーンは平和というかまだ牧歌的なところもあったと思いますが、それがシーンとしてメジャー化していくプロセスにおいて、レベッカはまさにそのトップランナーだったと思うんです。そういうバンドの中にあって、土橋さんはじめメンバーのみなさんは“シーンを変えていくんだ!”とか“もっとメジャーにするんだ!”というような意識はあったんでしょうか。
どうだろう…。とりあえず、レコーディングして、ツアーに出て、という毎日が本当に日常化していて、そのなかでヒットが出ればライブの会場が大きくなっていくことも理解してましたけど、でも僕自身はとにかくいい音源を作っていいライブをやってということしか頭になかったと思いますよ。
──では、さらに時代が進んで、レベッカが解散し、その怒涛のような日々から抜け出した状況のなかでシーンを見渡した時に、渋谷公会堂という場所についてはどんなふうに思いましたか。
やっぱり登竜門というか…、ライブハウスをやって、青年館があって、それで渋公っていう。そういう道筋がありましたよね。
──ライブの部分で、そういうふうに階段を上っていくような状況があることはバンドが成長していく上で意味があるように思われますか。
その段階を踏んでいくことがステイタスでしたからね。今は違うじゃないですか。今は、いろんな音楽が溢れていて、それぞれにみんな自分の好きなものに集中するから、そのなかで僕らは全然知らないような人が東京ドームをいっぱいにしちゃったりするでしょ。でも僕らのときはインターネットもないから、みんなライブの現場で起こってることだけを見てて、そこで認めてもらうしかないから、それをやらざるを得ないというか、それが王道だったと思いますよ。
──最後に、予定では来年、新しい渋谷公会堂ができることになってるんですが、どんなホールになることを期待しますか。
ウ~ン…、どうだろう。さっきも言いましたけど、僕は渋公というとザ・ドリフターズのイメージだから(笑)。それに、今の時代が昔の渋谷公会堂みたいなホールを求めているのかどうかもちょっとピンとこないし。でも、場所はいいですからね。だから、バンドが成長していくための段階を踏むひとつのステップになればいいなということは思いますね。

「1985.12.25 REBECCA WORLD CONCERT TOUR Maybe Tomorrow in 渋谷公会堂」上映会資料より

1985年「このハガキが届いた貴方、BOØWYファン、REBECCAファンなら大ラッキーです!」というメッセージと共に送られた、まさにお宝DM(ディスクガレージ所蔵)

「渋谷公会堂物語」次回の公開まで楽しみにお待ちください!

18/3/13 レベッカ ライヴ フィルム 予告

公演情報

ディスクガレージ公演

ライヴ・フィルム『1985.12.25 REBECCA WORLD CONCERT TOUR Maybe Tomorrow in 渋谷公会堂』

東京/大阪のZeppで一夜限りのプレミア上映!!
レベッカから、メンバーの土橋安騎夫と小田原豊が舞台挨拶予定!

2018年3月13日(火) Zepp DiverCity(TOKYO) / Zepp Namba(OSAKA)
開場18:30 / 開演19:30
【登壇】レベッカから、メンバーの土橋安騎夫と小田原豊が舞台挨拶
※作品本編上映前に登壇。Zepp DiverCity(TOKYO)のみの登壇になります。音声のみZepp Namba(OSAKA)にて同時生中継。

日本屈指のライヴハウスZeppの『ダイナミックな音圧』『ライヴ級の大音量』『迫力の大画面』で、33年前の渋谷公会堂にタイムスリップ!
レベッカ・ライヴのフル・ヴァージョン(105分)で、伝説のライヴを疑似体験!
[2017年/105分/ビスタサイズ/2ch/BD]

企画・主催:(株)Zeppホールネットワーク、(株)ソニー・ミュージックダイレクト

RELEASE

「CHRONICLES/VOLUME ONE」

土橋安騎夫

「CHRONICLES/VOLUME ONE」

REBECCAのリーダー土橋安騎夫(Key)が1987年に発表したソロアルバム「CHRONICLES」と元ECHOESの伊藤浩樹(G)とのユニットTHE REBELSとして1992年に発表したアルバム「VOLUME ONE」を土橋本人が曲順から見直し1枚にまとめたアルバム。
●2018年2月28日(水) 発売
「TRAUMA」

TRAUMA

「TRAUMA」

REBECCAのドラマー小田原豊が1988年に結成し1度きりのライブ、1枚のアルバムリリースをしたTRAUMA。
メンバーは小田原豊(Ds)、元TENSAW横内健亨(G)、六川正彦(B)。
●2018年2月28日(水) 発売
「LANDSCAPE」

高橋教之

「LANDSCAPE」

REBECCAのベーシスト高橋教之が1987年にリリースしたソロアルバム。
2015年、2017年のREBECCAのライブツアーでも衰えぬライブパフォーマンスを披露した。
アルバムにはREBECCA小田原豊の他、是永巧一、中島オバヲ、横田龍一郎が参加している。
●2018年2月28日(水) 発売
「TRUE WOMAN」

NOKKO

「TRUE WOMAN」

2017年REBECCAとして28年ぶりの全国ツアー、17年ぶりのシングル「恋に堕ちたら」をリリースしたNOKKOがソロとして3月21日にリリースするニューアルバム。
※初回限定盤(CD+DVD)、通常盤(CD)の2TYPE
●2018年3月21日(水)発売
「REBECCA LIVE '85-'86 -Maybe Tomorrow & Secret Gig Complete Edition-」

REBECCA

「REBECCA LIVE '85-'86 -Maybe Tomorrow & Secret Gig Complete Edition-」

※DVD2枚組

Disc-1(1985年12月25日REBECCA WORLD CONCERT TOUR~Maybe Tomorrow@渋谷公会堂)
01. HOT SPICE
02. 76th STAR
03. 蜃気楼*
04. ヴァージニティ*
05. LONDON BOY*
06. ステファニー*
07. COTTON TIME*
08. フレンズ*
09. MAYBE TOMORROW*
10. WILD EYES*
11. ボトムライン*
12. ガールズ ブラボー!
13. プライベイト・ヒロイン
14. ラブパッション*
15. フリーウェイ シンフォニー
16. ラブイズCASH
17. フレンズ(※)
18. 瞳を閉じて*
*初収録 ※2回目の演奏

Disc-2:(1986年11月1日早稲田大学SECRET GIG ”REBECCA SPECIAL LOVE LETTER”)
01. RASPBERRY DREAM(※)
02. LONDON BOY(※)
03. LONELY BUTTERFLY(※)
04. LOVE PASSION
05. フリーウェイシンフォニー※
06. PRIVATE HEROINE
※初商品化
●2017年7月26日(水)発売
  • 兼田達矢

    TEXT

    兼田達矢

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