渋谷公会堂物語 第7回 語り手:斉藤和義「学生時代から馴染みのある、空間的にもやりやすい、やっぱり特別な会場」

コラム | 2018.07.05 12:00

──その後、地方でもホールでやるようになっていくわけですが、他のホールを経験した後でまた渋公でやると、渋公に対する印象が変わったりしたことはありますか。
まずアマチュア時代は地方でライブをやったことがなかったので、東京以外はライブ会場に馴染みがないというか、名前もよく知らなかったので、最初のどこでやっても印象は違わないというか、あまり際立った印象はなくて、そういう意味でもやっぱり渋公は特別でしたね。ただ、ひとつ憶えているのは、『FIRE DOG』というアルバムのツアーのときに渋公が取れなくて、東京は厚生年金になったんですけど、最初にそのことを聞いたとき「なんで渋公じゃないの?」と聞いたくらいで、やっぱりホールは渋公がいいなと思ってましたね。
──それで、実際に東京厚生年金会館でやってみて、その印象はいかがでしたか。
正直に言って、音は厚年のほうがいいと思いましたよ。サンプラザもそうですよね。ステージ上での音の環境とかそういう部分でのやりやすさということで言えば、厚年やサンプラザのほうがいいと思いますけど、でも渋公はそもそも会場に馴染みがあるということもあるし、空間的にコンパクトな感じがやりやすく感じるんですよ。一体感が生まれやすそうだなと最初から思える感じでしたから。サンプラザなんて、2階の奥になるとけっこう遠いから、“あそこまで伝えないと”と思うとけっこうヘトヘトになるんですけど、渋公はそのへんがちょうどいいんですよ。
──ライブは直接お客さんと向き合う現場だから、単純に音響的なことだけでなく、客席から受ける感触みたいなこともライブ会場としては重要なポイントになるわけですね。
そうなんです。お客さんの反応がすぐわかって、盛り上がってるなということを肌で感じられたりするというのが渋公のいいところで、そのへんでライブハウスっぽいと感じるのかもしれないですね。ホールなんだけど、お客さんの反応がダイレクトにわかるというところが。そういう意味で、すごくいいコヤ(会館)なんですよね。
──ちなみに、自分が出演するようになってから、誰かのライブを渋公でご覧になったことはありますか。
タイマーズを見ました。そのときは、ステージの後ろの緞帳とか全部上げて、コンクリートの壁が剥きだしになってて、「安全第一」とか「禁煙」の看板も見えるような状態にして、それをセットに見立ててライブをやったんですよ。だから、ステージにすごく奥行きがあって、その手前で演奏してたのをすごくよく憶えてます。それで、確かそのときに初めて楽屋で清志郎さんにお会いして…。
──タイマーズのあのボーカルの方は清志郎さんじゃないと言われてましたが(笑)。
そうでしたね(笑)。当時はサリン事件が騒ぎになってたときで、タイマーズの「ばらまけサリン」という曲があるんですけど、「そりゃあ、まずいだろう」とか言いながら「ばらまけプリン」という曲にしてやってましたね(笑)。“そりゃ、ベトベトだろ”と思って、見てましたが。
──すごく印象深いライブだったんですね。
そうですね。それから、何を見たかなあ…。(エルヴィス・)コステロも見ましたね。ただ、俺が開演時間を間違えてて、着いたら2曲くらいで終わっちゃったんですけど(笑)。けっこういい席で、すぐそこで歌ってるような感じだったんですけど、でもすぐ終わっちゃったっていう…。
──そういう残念な思い出もある渋谷公会堂ですが(笑)、2019年には復活予定です。“新しい渋公”に何か望むことはありますか。
あまりデカくしないでほしいというか、前のこじんまりとした感じでやれるような、ライブハウスみたいな気配を感じるコヤだったらいいなということは思いますね。地方に行ったりすると、そういうライブハウスとホールの中間っぽい感じの古いコヤがたまにあるんですよ。ステージから見たときに、扇を広げたような感じじゃなくて、1階の奥にずーっと長くて、それでその奥に行くほどせり上がっていって、その延長に2階がちょっとだけある、みたいな。そういう感じが個人的にはやりやすいですよね。椅子席はあるんだけど、空間の感じはライブハウスみたいっていう。座っても見られるんだけど、立ったら立ったであまりホールを感じさせないような、そういうコヤになってくれるとうれしいなと思いますね。

公演情報

DISK GARAGE公演

KAZUYOSHI SAITO 25th Anniversary Live 1993-2018
25<26 ~これからもヨロチクビーチク~

8月24日(金)25日(土) 大阪 大阪城ホール
8月30日(木)31日(金) 福岡 福岡国際センター
9月3日(月) 宮城 仙台サンプラザホール
9月6日(木)7日(金) 東京 日本武道館
9月10日(月) 愛知 名古屋国際会議場センチュリーホール
9月15日(土) 徳島 アスティとくしま

Vo.&Gt.斉藤和義、Dr.河村吉宏、Ba.山口寛雄、Gt.真壁陽平、Key.崩場将夫

追加公演
9月19日(水) 北海道 Zepp Sapporo
KAZUYOSHI SAITO 25th Anniversary Live 1993-2018
25<26 ~これからもヨロチクビーチク~ After Party at Zepp Sapporo
Vo.&Gt.斉藤和義、Dr.玉田豊夢、Ba.隅倉弘至

 

≫ すべての詳細は下記サイトにてご確認ください。

KAZUYOSHI SAITO LIVE TOUR 2018 “Toys Blood Music”

7月05日(木) 長野 キッセイ文化ホール(長野県松本文化会館)
7月07日(土) 石川 本多の森ホール
7月08日(日) 富山 富山オーバード・ホール
7月13日(金) 福島 いわき芸術文化交流館アリオス 大ホール
7月15日(日) 宮城 仙台サンプラザホール
7月16日(月・祝) 宮城 仙台サンプラザホール
7月18日(水) 北海道 帯広市民文化ホール 大ホール
7月20日(金) 北海道 旭川市民文化会館 大ホール
7月22日(日) 北海道 北見市民会館
7月27日(金) 山口 下関市民会館 大ホール
7月30日(月) 広島 広島文化学園HBGホール(広島市文化交流会館)
7月31日(火) 香川 レクザムホール(香川県県民ホール)大ホール

※3月30日(金) 埼玉 川口総合文化センターリリア メインホール〜7月1日(日) 神奈川県民ホール 大ホールは公演終了

 

≫ すべての詳細は下記サイトにてご確認ください。

RELEASE

「Toys Blood Music」

19th Original Album

「Toys Blood Music」

(SPEEDSTAR RECORDS)
2018年3月14日(水) SALE
初回限定盤(CD+特典DISC、通常盤(CD)、アナログLP盤
「歌うたい25 SINGLES BEST 2008~2017」

デビュー25周年記念シングルズベスト

「歌うたい25 SINGLES BEST 2008~2017」

(SPEEDSTAR RECORDS)
2018年7月25日(水) SALE

3形態共通:3枚組SINGLES BEST
初回限定盤A(25周年バブルヘッド人形+斉藤和義選曲による裏ベスト)、初回限定盤B(斉藤和義選曲による裏ベスト)、通常盤

斉藤和義 25周年スペシャルサイト
  • 兼田達矢

    TEXT

    兼田達矢

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