兵庫慎司のとにかく観たやつ全部書く:第11回[7月の巻~前編~]

コラム | 2018.07.20 15:00

7月7日(土)『PLAYTHINGS×rawer than raw』 @ 上野水上音楽堂

野外、というか、「ほぼ野外」(屋根はあるのです)みたいな上野水上音楽堂で行われた、弾き語りのアコースティック・イベント。
事前にこのDI:GA ONLINEに、出演者たちの座談会がアップされていた。
こちらです。
で、私も、SPICEで、バンアパ荒井以外は違うメンツでの座談会をやりました。
こちらです。
この座談会で語られているとおり、即席のセッション(フルカワユタカ+荒井岳史とか、荒井岳史+渡邉忍とか)もたくさん観れて、とても楽しい時間だった。
荒井岳史のがんばりっぷり、フルカワユタカの自在さ、日高央のストイックさ、それぞれ堪能させていただきました。

7月9日(月)忘れらんねえよ @ 渋谷CLUB QUATTRO

ベース梅津拓也が5月1日のZepp Tokyoワンマンを最後に脱退、正式メンバーは柴田隆浩ただひとりになってしまった忘れらんねえよの再始動ライブ。サポート・メンバーも一新。ドラムは爆弾ジョニーのタイチ、ベースはgo!go!vanillasの長谷川プリティ敬祐、ギターは突然少年のカニ ユウヤ、というメンツ。それぞれのプレイが爆発していて、特に柴田は大爆発していて、最高のリスタート・ライブだった。
途中のMCで柴田、チャットモンチーの日本武道館に行った話をして、彼女たちの「ハナノユメ」をカバーし、次に自分たちの「バンドやろうぜ」につなげた。「Cから始まるABC」の歌詞にもあるように、爆音でチャットモンチーを聴いて始まったバンドが忘れらんねえよであって、それが最後のひとりになっても「バンド」であることを続けることを選んだこのタイミングでチャットモンチーが完結……どうでしょう。どうしたってグッと来るでしょう、それは。
「ハナノユメ」も「バンドやろうぜ」も、柴田と一緒に叫ぶように歌う超満員のお客さんたちも、とてもよかった。柴田、理解されてるなあと思った。

7月10日(火)横浜DeNAベイスターズ×中日ドラゴンズ @ 横浜スタジアム

これ、フラワーカンパニーズのファンクラブの会報の仕事です。次号から「メンバーひとりずつ、自分がやりたいことをやってそれに他のメンバーを付き合わせる」という企画が始まるそうで、その第一回がベース&リーダーのグレートマエカワ、地元中日ドラゴンズの熱心なファンなので、その観戦にメンバーと行く、と。ついては、一緒に来て、その模様をテキストにしてくれ、と。
というわけで、心底幸せそうなグレート、実は野球好きみたいで意外と楽しそうなギター竹安堅一、酔っぱらってどっちのチームに点が入ったかわからなくなったりしつつもワーワー盛り上がっているドラムミスター小西、ひとり石のように座って空虚な眼差しをグラウンドに送り続けるボーカル鈴木圭介(野球に興味ない上にお酒飲まない)、の4人と一緒に、ゲームセットまでみっちり観て、そのあとメシ食いながら座談会、というスケジュールになったのでした。
なお、試合は乱打戦の末、13対8で中日が勝利。両チームともホームランが何本も飛ぶ、ハデでおもしろい試合ではあった。私、「どっちも広島東洋カープじゃないプロ野球の試合」を生で観たの、生まれて初めてでしたが。レポ&座談会を読みたい方、フラワーカンパニーズのファンクラブ「ヤングフラワーズ」に入れば会報が届きます。ぜひ。
詳しくはこちら
あ、写真は、観戦中のグレートさんの横顔です。

7月14日(土)大木温之 @ 新宿紅布(レッドクロス)

2017年6月9日の日本武道館ワンマンを最後に、実質的に活動休止中のTheピーズ、その大木温之はアコースティックでのライブを精力的に行っている。普段はイベントや対バンに呼ばれて行くことがほとんどだけど、この日は紅布の15周年シリーズの初日ということで、ワンマンを依頼されたらしい。
で。アコースティックで2時間50分オーバー、45曲ぐらいやったんじゃないかという大熱演。あまりに本気で、そしてその本気のパフォーマンスがあまりにすばらしくて、これもう本人の気持ち的に、バンドを再始動させなくてもやっていけるんじゃないかしら、と、途中で不安になるほどだった。
全体の半分くらいは、みったんこと岡田光史(ゴールデンローファーズ)がベースで参加、ふたりでのステージだったのも「……これ、ドラム加わったら新しいTheピーズになっちゃうじゃん」と、その不安を加速させる。
そろそろTheピーズ、ちゃんと動かしてほしい! と、あえて主張しときます。そうしないと、私まで「まあいっかあ、こんなにかっこいいし」と思ってしまいそうなので。
あ、俺の誕生日は12月14日、永ちゃん(彼は矢沢永吉を敬愛しているのです)は9月14日、で、今日7月14日は誰かいないかと思ったらYO-KINGが誕生日なんだって──というMCから、真心ブラザーズの「サマーヌード」をカバーしたのには、びっくりした。

7月15日(日)『JAPAN'S NEXT 渋谷JACK 2018 SUMMER』@ 渋谷 7会場

ロッキング・オン・プレゼンツ、渋谷O-EAST、duo、O-WESTなどの7会場のサーキット・イベント。duoのトリ前だったteto目当てで行ったんだけど、せっかくなのでいろいろ観た。め組、おいしくるメロンパン、嘘とカメレオン、ウソツキなど。
中でも、初めて観たbetcoverがすばらしかった。ダブ感、バック・ビート感のある歌もの、という、自分の好みにずっぱまりな音楽性なんだけど、それだけじゃない天才の風格みたいなものが既に出ている、このヤナセジロウという男。1999年生まれだそうです。末恐ろしい。
で、teto。これも、もう、せつなくなるくらいよかった。観る度に心が洗われるような思いに包まれるし、「こんなふうに生きたかったなあ、もう手遅れだけど」と感じます。なんでバンドやってるか、音楽を作っているか、ライブで人前に立って歌って演奏しているのかに、なんの説明もいらない感じが素敵です。

  • 兵庫慎司

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    兵庫慎司

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