兵庫慎司のとにかく観たやつ全部書く:第13回[8月の巻~前編~]

コラム | 2018.08.23 17:00

イラスト:河井克夫

音楽などのフリーライター・兵庫慎司が、自分が観たライブ等を日記形式でひとことレポートする連載、2018年8月前半編。なのですが、2018年1月から当連載を始めて以降の7ヵ月半の間で、15日間で5日しかライブに行っていない、という、もっとも少ない回になりました。しかもその5日中4日はROCK IN JAPAN FESTIVALで、普通にワンマンに行ったのは一回のみです。だからどうしたと言われると困るが。

8月4日(土) ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2018 - 1日目 @国営ひたち海浜公園

このフェスをやっている会社が発行している月刊の音楽雑誌、ROCKIN’ON JAPANが、全出演アクトの写真&短いレポを載せた別冊付録を毎年8月末に出る号に付けているのですね。その短いレポを書く仕事をいただいて行きました。
レポの担当で観たものも、そうでないものも含めて、この日観たアクトと、それがどこのステージだったかと、その日の雑感をひとこと書いていきます。アクトは、全部観れたものも、部分的に観たものも含む。

Yogee New Waves(SOUND OF FOREST)→SHE’S(SOUND OF FOREST)→キュウソネコカミ(GRASS STAGE)→サニーデイ・サービス(HILLSIDE STAGE)→筋肉少女帯(SOUND OF FOREST)→m-flo(LAKE STAGE)→エレファントカシマシ(LAKE STAGE)
出演5回目にして悲願のGRASS STAGE進出を果たし、ステージのでかさ&客席(って席ないけど)の広さにテンパりつつも、そのお客さんたちを見回すとつい笑顔が出てしまうヤマサキセイヤ──というライブだったキュウソネコカミ。復活以降初めて、3人に戻ってからも初めて、このフェスに出たm-flo。などなど、すばらしいアクト、いくつもありましたが、超満員のLAKE STAGEで「ロック・スターを迎える」あっつい空気の中ライブを行い、見事にオーディエンスを熱狂の渦に叩き込んだエレファントカシマシに、もっともグッときました。かっこよかった。

8月5日(日) ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2018 - 2日目 @国営ひたち海浜公園

SUGARLUNG(BUZZ STAGE)→フレンズ(BUZZ STAGE)→PHONO TONES×ADAM at(WING TENT)→レキシ(GRASS STAGE)→POLYSICS (SOUND OF FOREST) →マカロニえんぴつ(WING TENT)→奥田民生(SOUND OF FOREST)→ASIAN KUNG-FU GENERATION(GRASS STAGE)

最初のSUGARLUNGというのは、優勝するとこのフェスに出演できるというコンテスト、『RO JACK』のこの夏の優勝バンドです。フレンズの大ウケがうれしかったり、1曲目「SHIKIBU」でステージに走り出て来た池ちゃんがマイクに到達する前に豪快にすっ転ぶ、というアクシデントから始まったレキシが最高だったり、ナカムラリョウが加わった4人編成では初めてこのフェスのステージに上がったPOLYSICSに興奮したり──と、この日もいろいろありましたが、特にぶっとばされたのは、奥田民生のバンド、MTR&Y(湊雅史+奥田民生+小原礼&斎藤有太)の出す音の、もんのすごさでした。数えきれないほどライブ観てるのに、今でもビビる。

8月7日(火) ハナレグミ @新木場Studio Coast

『ツアー ど真ん中』のファイナルの追加公演。この人のライブ、11日前の7月27日、フジロック・フェスティバルのFIELD OF HEAVENのトリで観たばかりだったんだけど、その日も、この日も、やっぱり最高だった。2013年リリースのカバー・アルバム『だれそかれそ』で取り上げて以降、彼のライブにおけるキラー・チューンと化している「オリビアを聴きながら」(杏里)、どこでもいつでもお客さんたちの大合唱が起きるんだけど(で、またそれを本人が演奏止めたりしつつ「もっと!」ってあおるんだけど)、これまで観た彼のライブの中で、この日の大合唱がもっとも大きかったかもしれない。

8月11日(日) ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2018 - 3日目 @国営ひたち海浜公園

どついたるねん(WING TENT)→Official髭男dism(HILLSIDE STAGE)→きのこ帝国(PARK STAGE)→ビッケブランカ(HILLSIDE STAGE)→ZAZEN BOYS(HILLSIDE STAGE)→四星球(SOUND OF FOREST)→清水ミチコ(SOUND OF FOREST)→MAN WITH A MISSION(GRASS STAGE)

個人的にこの日特に印象的だったのは、新ベーシストMIYA(385)が加わって新編成になったばかりのZAZEN BOYS、そして清水ミチコ→四星球のいわば爆笑系アクトが続いたSOUND OF FOREST。清水ミチコはこのフェスには初出演、すばらしく大ウケ。ちなみに、ご本人、会場に到着した時、写真付きで「着いたぞ!ロッキンジャパン。」とツイートしておられたのですが、その写真、タクシーの後部座席から会場入口を撮ったものでした。勝田駅からタクシーに乗ったのかな、キーボードもフェスの現場にあるやつを借りて、ほぼ手ぶらで、ごく少ないスタッフと来たのかな、もしそうだったとしたら、それでこんなに大ウケしてるのってすげえかっこいいな、と思いました。

8月12日(日) ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2018 - 4日目 @国営ひたち海浜公園

GOOD4NOTHING(PARK STAGE)→忘れらんねえよ(PARK STAGE)→ゲスの極み乙女。(GRASS STAGE)→ヤバイTシャツ屋さん(GRASS STAGE)→宇宙まお(HILLSIDE STAGE)→ORANGE RANGE(GRASS STAGE)→JUN SKY WALKER(S)(SOUND OF FOREST)→魔法少女になり隊(HILLSIDE STAGE)→THE BACK HORN(LAKE STAGE)→THE STARBEMS(WING TENT)→サザンオールスターズ(GRASS STAGE)

そうか、この日がいちばんいっぱい観ていることと、GRASS STAGEのアクトをたくさん観ていることに、こうして書いてみて気がつきました。当フェス出演3回目にしてGRASS STAGEに進出、「いちばんでっかいフェスの、いちばんでっかいステージに、サークルバンドが立ってます! バンドやっててよかったです!」とこやまたくやが絶叫したヤバイTシャツ屋さんが特に印象的だった。というか、感動した。あと、言うまでもないけど、やっぱりサザン。本編ラストの「マンピーのG★SPOT」の、いつものこととは言えあまりにもあまりな桑田&ダンサーズの演出で涙腺決壊、アンコールの「みんなのうた」「勝手にシンドバッド」でさらに決壊しました。

  • 兵庫慎司

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    兵庫慎司

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