兵庫慎司のとにかく観たやつ全部書く:第17回[10月の巻~前編~]

コラム | 2018.10.17 18:00

10月10日(水) ハナレフジ @ Zepp DiverCity(TOKYO)

ハナレグミとフジファブリックの合体バンド、ハナレフジの全国5ヵ所・6公演の東京編、Zepp DiverCity2デイズの1日目。ハナレグミとフジファブリック、どちらの曲も楽しめます、というだけではない、足し算だけじゃなくて合わさったことで新しいものが生まれているステージで、最高だった。たとえば……って、これがアップされる段階では10月21日Zepp Nambaがまだ終わってないんですね。書くの、がまんします。こういうアーティスト同士のコラボレーションて、昔だったらまず音源ありきだったのが今はライブありきなんだな、それでいいんだな、なるほどなあ、などということを、改めて思ったりもしました。

10月13日(土) 奥田民生 @ 日本武道館

奥田民生として武道館でワンマンをやるのは15年ぶりだそうです(ユニコーンとしてはあり。『ジョン・レノン スーパー・ライブ』なんかのイベントでもあり)。1日目は「MTRY LIVE AT BUDOKAN」と銘打ってMTR&Y=ドラム湊雅史・ボーカル&ギター奥田民生・ベース小原礼・キーボード斎藤有太の、いつものバンド編成でのライブ。2日目は『ひとり股旅スペシャル@日本武道館』と銘打って、奥田民生がライフワーク的に行っているひとりでの弾き語りライブ、という趣向。
MTR&Y、春から夏にかけてホール・ツアーがあって、それも2本観たのだが、なんでしょう、武道館だからなのかツアーからちょっと開いたのが却ってよかったのか、なんでなのかはわからないが、この日、異常によかった。と、感じた。歌や演奏が日本トップクラスなのは今に始まったことじゃないけど(というかこの4人が集まった時点でそうだったけど)、この日は選曲・曲順も完璧というか鉄壁というかMTR&Yの集大成というか。あまりによかったもんで、アンコールあたりで「……あれ?これ、もしかして、MTR&Yとしてのライブは今日で最後、一区切りってこと?」なんてことまで考えてしまい、終演後に事務所のスタッフに訊いたほどでした。違うそうです。「なんで?」「何言ってんの?」みたいな顔をされました。もっともだと思いました。

10月14日(日) 奥田民生 @ 日本武道館

2日目、『ひとり股旅スペシャル』編。武道館のステージ、昨日よりもコンパクトに作り替えられていて、1階席はステージ真後ろまでお客さんが入れるようになっていた。弾き語りに加えて『超カンタンカンタビレ』のコーナーもあり。『カンタンカンタビレ』から派生して発売になったTASCAMの8トラックポータブルMTRの奥田民生モデル、そこに最初から入っている「働く男」、そこに新たに歌とギターを入れたり、お客さんに歌わせてその声を録ったり、それを聴いたり、というものでした。武道館でこれやるか?……とびっくりしたが、このお方、『ひとりカンタビレ』を始めた頃は、ROCK IN JAPAN FESTIVALのLAKE STAGE(当時二番目に大きかったステージ)でもやっていたのを思い出したりもしました。
あ。今気がついた。そういえば『ひとり股旅』の時って、人の曲のカバーもよくやるんだけど(2004年の広島市民球場の時も2015年のマツダスタジアムの時もそうでした)、今回1曲もやりませんでした。自分の曲とユニコーンの曲だけ。ちょっとめずらしいかも。
あと、50歳になった時にユニコーンで発表した「私はオジさんになった」を歌う前に、「最近作った曲の中で、僕的にはいちばん気に入ってる曲です」と紹介していたの、何かうれしかった。大好きな曲なもんで。「やはり!」と思ったファン、多かったのではと推測します。

  • 兵庫慎司

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    兵庫慎司

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