Sakura(Dr)× 都啓一(Key)スペシャル対談!

インタビュー | 2019.04.26 15:00

L’Arc~en~Cielのドラマーとしてデビューを果たし、以降ZIGZOやRayflowerといった名だたるバンドで活動し、多数のサポートを行い、プロデューサーとしての手腕も発揮しているSakura。シーンの第一線で活躍し続けている彼が今年50才を迎えることを祝して、11月20日(Sakuraの誕生日)にスペシャル・ライブが開催されることが発表された。現在Sakuraが在籍している4バンドが集う同公演に期待を膨らませるリスナーは多いに違いない。そこでSakuraとRayflowerのリーダー:都啓一(Key)をキャッチして、スペシャル・ライブに向けた意気込やRayflowerの動向などについて語ってもらった。
──11月20日に、Sakuraさんの50才を祝うスペシャル・ライブ<“暗黒秋櫻”~全櫻澤公演 2019~>を行うそうですね。
Sakura自分の誕生日にライブをするのは、今年で10年目なんですよ。元々は39才のときに、自分は来年40才になるけど、誕生日を記念することを今までしたことがないなと思って。それがきっかけになって、40才になるときに第1回を開催したんだ。そのときはZIGZOのRYOとDENがやっているtest-No.に出てもらって、都が当時やっていたスペースフィルターズというユニットにも出てもらったんだよね。
都啓一そう。実は第一回から参加しているという。その後も結構出させてもらっていて、去年も出たんですよ。
Sakura去年も楽しかったね。そうやって40才からいわゆるバースデー・ライブを毎年やってきて、今年は50才を迎えるということで、“全櫻澤公演”というのをやってみようかなと思ったんだ。タイトルの“秋櫻”は、“コスモス”と読むんですよ。コスモスは秋に咲く桜だから。それに、コスモスを英語で書くと“COSMOS”で、“宇宙”とスペルが一緒なんですよね。それで、“暗黒秋櫻”というタイトルにしました。
都啓一Sakuraさんらしい(笑)。そういう節目のバースデー・ライブにRayflowerで参加できるのは、すごく嬉しいです。
Sakura俺も嬉しい(笑)。ただ、こういうデカいイベントを“ボーン!”とやるのは、これでひと区切りでいいかなと思っているんだ。“暗黒秋櫻”という自分の誕生日を祝ってもらおうという企画自体はずっと続けようと思うけど、自分が携わったバンドの手を煩わせるのはこれっきりにしようかなと。来年なにかやるとしたら、たぶん1人で弾き語りでもやると思う(笑)。
都啓一ええっ?それはそれで見たいけれども(笑)。でも、そう言わずに、今後もやってくださいよ。

Sakura

──ぜひ続けてほしいです。それにしても、“暗黒秋櫻”のラインナップを見るとSakuraさんの幅広さがわかりますね。
Sakura4バンドで出るけど、全部毛色が違っているという。それぞれのバンドのドラマーが俺じゃなかったら、この4バンドが一堂に会することはないと思うんだ。そういう意味でも“暗黒秋櫻”は、面白いイベントだと思うよ。
都啓一Sakuraさんがドラムを叩いているという線上で、これだけカラーの違うバンドが集まるというのは面白いですよね。観応えのあるライブになると思うし、RayflowerはZIGZOとは対バンをさせてもらったことがあるんですよ。
Sakura名古屋だったよね。
都啓一そう。それに、去年大阪であったBass On Top主催のイベントでも競演したし。だから、また一緒にライブができるのがすごく嬉しいです。
Sakura最初に名古屋で対バンしたときに、全く違うバンドなのに俺の中でRayflowerとZIGZOの親和性がすごく高かったんだ。お客さんもどちらかのバンドのファンということは関係無く、両方を楽しもうという気持ちに感じてね。だから、今自分がやっているバンドは全部大切だけど、今回俺の中で一番大きかったのはRayflowerとZIGZOをもう一回やりたいなということだった。それが軸にあって、じゃあgibkiy gibkiy gibkiyもやってみようと思って。ZIGZOが主催したイベントで、ZIGZOとgibkiy gibkiy gibkiyも対バンしたことがあるんだよ。そのときはいつもZIGZOのライブでニコニコしながら乗っている人達が、うつむいて固まったんだけど(笑)。で、gibkiy gibkiy gibkiyも出すとなったら、もう一つ大切にしているTHE MADCAP LAUGHSもやろうかなという気持ちになったんだ。
gibkiy gibkiy gibkiy
Rayflower
THE MADCAP LAUGHS
ZIGZO
──揃い踏みですね。異色な顔合わせのライブになりますが、Rayflowerはどんなライブをしようと思っていますか?
都啓一いつもどおりのライブをしようと思っています。それにプラスして、Sakuraさんがやりたい曲を募ろうかなと思っていますけど。そういう意味では、この日しか観れないライブになりますね。
SakuraRayflower単体で見るとイベントであるからいつもよりはシュッとしたライブになってしまうけど、“全櫻澤”というテーマなので、普段のRayflowerのライブでは見れないものを見てもらえると思う。だから、楽しみにしていてほしいね。
都啓一今年に入ってからRayflowerは対バンに誘われることが多くて、短めのライブも多くなるんですよ。そういう機会を通して、ショートライブにも磨きをかけていくことになると思う。だから、“暗黒秋櫻”でもいいライブを、お見せできると思います。
──楽しみです。Rayflowerは昨年から“アッパーなのに圧倒される”という個性に、さらなる磨きがかかっていますし。
都啓一洋楽ではそういうバンドは多いですよね。ジャーニーとか、ボン・ジョヴィとか。ただ、前回のツアーでは特にそこを狙っていたわけでもなくて、そういう一面も出していたかなという感覚です。それを経て、次はどういうふうになるかはまだわからない。アッパーというのは大事な要素だけど、振り幅は広いほうがいいし、ダークなものが嫌いなわけじゃないし。次の制作が近づいたら、またいろいろ考えると思います。“考えてないんかい!”という話ですけど(笑)。
Sakuraちょっと話がズレてるかもしれないけど、今ZIGZOはファン投票によるベスト盤というのを作っていて。ZIGZOでファンに好きな曲を募ったら、我々が“これがZIGZOのメインストリームだよね”と思うものではない曲が結構入ってきたんだ。ライブでやってないからとか、隠れた名曲だからという理由もあるのかもしれないけど、自分達が思っていることとファンの思いにギャップを感じた。それが嫌だということではなくて、そうなんだ、面白いなと思った。だから、Rayflowerもいろんな面を見せていくのは、いいことだと思うよ。

Sakura

──Rayflowerのまた違った魅力に触れることができそうで、ワクワクします。ところで、以前Sakuraさんと話をしたときに、Rayflowerでは歌を聴きながらドラムを叩いているとおっしゃっていましたが、他のバンドのときはどうなのでしょう?
Sakuraその辺は、いろいろあるんですよ。gibkiy gibkiy gibkiyの場合は演奏で道を作ると、そこにkazuma君(Vo)が勝手に乗っかって世界を創ってくれるんだよね。だから、歌を聴くというよりは「はい、こっち」と誘導していく感覚で叩いている。ZIGZOとRayflowerは、歌に対する重きの置き方がだんだん近しくなってきているな。以前のRayflowerは楽器隊が音符を“ガァーッ”と埋めてくるから、俺もそれに肩を並べるために、歌に対しては「ごめん、悪いけどちょっとついてきて」とか「悪い、ちょっとお邪魔するよ」みたいな感じのアプローチだった。俺だけじゃなくて、みんながそうしていたんだ。でも、活動していく中で、「歌のことを考えよう」という思考に変わったんだ。
都啓一田澤君はバックがせめぎ合いみたいな演奏をしていても歌える力量を持っているから、そういうふうにしていた部分もあったんですよ。でも、それだけの歌唱力を持っているなら、それをフルに活かさないともったいないじゃないですか。それで、楽器陣が歌に寄り添うようになったんです。
Sakura都は常々Rayflowerを大きいバンドにしたいと言っていて、“大きくなる=売れる”、もしくは多くの人に認知されるバンドということで、それは多くの人に理解されるということだよね。そのために必要なのは、わかりやすさだと思う。Rayflowerはそこら辺にはいないような技巧派のバンドであるということは他のバンドとの差別化を図るうえで必要な要素だと思うけど、それは音楽的な要素ではないんだよね。音楽全体の要素を決めるのは楽曲のセンスだったりするし、その一番の出口になっている歌と言葉が重要になる。歌と言葉というのは、音楽に詳しくない人にも伝わるものだから。だから、技巧派であることは全然否定しないけど、技巧派が前に出ているのは違うと思う。
都啓一Sakuraさんが言ったように、僕はRayflowerは売れないと意味がないバンドだと思っているんですよ。そこを重要視すると、ポピュラリティーが必要になりますよね。音楽をやるうえで技術は必要だし、テクニックをひけらかす曲もあっていいけど、根本にポピュラリティーがないと独りよがりのものになってしまう。Rayflowerはそれがわかっているメンバーが揃っているから、テクニックで魅せる部分とシンプルに聴かせる部分のバランスをいろいろ変えられるバンドではあるんですよ。つまり、武器が多いんですよね。なので、そこをうまく活かしていきたいなと思っています。
──たしかにRayflowerはそれを楽しめるメンバーが揃っていますよね。今後のRayflowerの活動としては、5月に<Rayflower TOUR 2019 Re:~Endress Journey~>を行います。
Sakura元々は去年の秋から今年の頭にかけてやった<Endress Journey TOUR>のおかわりという位置づけだったんですよ。でも、どうせやるならというところでリーダーの都がすごいアイディアを出して、「3日間でRayflowerの全曲をやらないか?」と言いだしたという(笑)。「いや、いいけど……」みたいな(笑)。
都啓一アハハ(笑)。いや、全曲披露をするとしたら、このタイミングしか無理やろうというのがあって。それに、そういうライブをすることで、“Endress Journey は、ここまで。はい、次!”という気持ちになれると思うんですよね。
Sakuraそう。だから、タイトルは“Re:~Endress Journey~”だけど、意味合いはちょっと違うんだよね。これを都と話したことはないけど、Rayflowerは来年10周年なんですよ。だから、9年目の今年は今までを振り返るのにいい時期だし、10周年という節目を迎えて、また新たな旅に出ることになるから、そこに向けて1回振り返るというのは意味があると思う。だから、5月に全曲やるというのは賛成なんだ。

都啓一

──ファンの皆さんも嬉しいと思います。ということは、5月に向けて昔の曲をさらったりされているのでしょうか?
都啓一まだ、してないです(笑)。全員やってない(笑)。ライブのセットリストの叩き台はいつも僕が作るので、今回早めに出しますねと言っていますけど。
Sakuraでも、セットリストはどうでもいいというわけじゃないけど、今回は全部やるわけじゃん(笑)。だから、セットリストが決まるのが早い、遅いというのはあまり重要じゃないんだよね(笑)。
──たしかに(笑)。5月のツアーの後もライブや音源のリリースがあるでしょうし、今年のRayflowerも楽しみです。
Sakuraさっきも言ったように、Rayflowerは2020年で10年目になるんですよ。10周年に主流になるものを2019年のうちに創るのか、それとも10周年を迎えてから創るのかというのがあって。俺は’19年のうちに創ったほうがいような気がしているんだ。あくまでも俺の感覚だけど。
都啓一いや、僕はメンバーのそういう意見を、いろいろ聞きたいんですよ。逆に、あり余るくらい曲ができても、今年はリリースしないほうがいいと思うという意見もあるかもしれないし。いずれにせよ、僕はRayflowerにいい風が吹いていることを感じているんです。新しい元号が、“令和”じゃないですか。Rayflowerを短縮すると、令和になるんですよね(笑)。令和という元号が発表された瞬間に僕はそれをツイッターで呟いたんですけど、ものすごい数のリツイートがきたんです(笑)。
SakuraRayflowerでステッカーを作ったほうがいいですよという声がいっぱいきた(笑)。ステッカー作ろうよ。“令腐裸和”とか、どうかな?(笑)。
──ええっ?昔のヤンキーみたいじゃないですか(笑)。
Sakuraハハハッ!でも、そんなステッカー作ったら、絶対にどこかに怒られるよね(笑)。
都啓一怒られる(笑)。だから、それはちょっとやめておきましょう(笑)。

PRESENT

【Sakura×都啓一】サイン色紙を2名様に!

受付は終了しました

公演情報

DISK GARAGE公演

Sakura 50th Birthday Anniversary “暗黒秋櫻”~全櫻澤公演 2019~

2019年11月20日(水)新宿ReNY
出演:gibkiy gibkiy gibkiy / Rayflower / THE MADCAP LAUGHS / ZIGZO

チケット一般発売日:2019年6月2日(日)

Rayflower TOUR 2019〝Re:〜Endless Journey〜″

2019年5月20日(月)初台LIVE-BAR-The DOORS ~“Shining GARDEN”会員限定公開ゲネプロ~
2019年5月21日(火)HEAVEN’S ROCKさいたま新都心VJ-3
2019年5月23日(木)名古屋E.L.L
2019年5月24日(金)味園ユニバース(大阪)
2019年5月28日(火)、5月29日(水)東京キネマ倶楽部

Rayflower史上初、全公演異なるセットリストにてデビューからの全曲を網羅!
チケット一般発売日:2019年3月10日(日)

Rayflower LIVE 2019

2019年9月14日(土)EX THEATER ROPPONGI

チケット一般発売日:2019年6月30日(日)

ZIGZO 20TH ANNIVERSARY TOUR 2019

2019年6月2日(日)BAYSIS(横浜)
2019年6月21日(金)浦和Narciss

チケット一般発売日:2019年4月27日(土)

  • ライター

    村上孝之

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