渋谷公会堂物語 〜渋公には伝説という魔物が棲んでいる〜 第17回 語り手: 高木ブー「ドリフターズにしたら、渋公がすべての始まりだったよね」

コラム | 2019.09.06 17:00

──生放送というところで、ブーさんが特に印象に残ってるトラブルは?
火事と停電かな(笑)。コント中にセットが燃えたのと、始まってすぐに停電になっちゃったのと。
──あの頃は「全員集合」の生放送も毎週あって大忙しで、遊びに行ってる暇も無かったんじゃないですか?
いや、みんな飲みに行ってたんじゃない?僕と長さんは世帯持ってたから、終われば家に帰るけど。若い連中がどうしてたかは知らない(笑)。
──ブーさんは出かけなかったんですか?渋谷公会堂の周りの風景も当時と大きく変わりましたが、渋谷の思い出はないですか?
渋公以外だと、「渋谷ジァン・ジァン」で舞台に出たくらいかな?あとはジャズ喫茶やライブハウスがあったから、若い頃はバンドで出たりしたけど。「全員集合」やってる頃に街に出ることはあんまり無かったかな?
──「全員集合」の時は直接会場入りして、そのまま帰るだけ?
そう。一番奥に畳の大部屋があって、そこをドリフ全員の楽屋として使ってたんだけど。いつもの席に座って、みんなでギャーギャー騒いでて、楽屋も面白かったですよ。稽古は前日終わってるから、当日は動きの確認だけなんだけど、どんなステージになってるか分からないからさ。行ってみたら実物大の汽車があったり、スケート場があったりしてビックリしたよ(笑)。

──凄い話ですよね。一度、生で見てみたかったです!
いまのコントって本人たちの実力が大事で、そんな大掛かりなセットでやったりしないもんね。でも、実力で出来るのは素晴らしいことだし、それは今の子たちに敵わないけど、物を使わせたらドリフが一番ですから。
──それは本当にそうだと思います。めちゃくちゃ面白かったですもん!
ちょっと気を抜いたら怪我するってところで、ずっとやってましたから。僕も屋根から落ちてお尻打ったこともあったけど、生放送だから止められないし。
──そうですよね。あと「全員集合」って、会場にお客さんを入れていて。家族連れのお客さんも多かったですが、子どもがゲラゲラ笑ってるのって、ヤル気に繋がったんじゃないですか?
子どもたちが「バカだなぁ!」って言ってるのが聞こえると「今日は大成功だ!」と思って嬉しかったね。「俺たち、バカに見えてるんだろうな。上手くいったな」って(笑)。長さんが言ってたのは、「俺たちは学歴もないし、頭も良くないから、学校コントやるなら、誰にでも分かる小学生のコントやろう」って。だから「全員集合」の出発点は学校コントなんです。小学生でも分かるような、バカバカしい学校コント。あれを何回かやって、「違うこともやってみようか?」って、母ちゃんコントとか色んなコントが生まれるんだけど。一番最初は、長さんが先生やってる学校コントだから。先生があっち向いてる間ならめちゃくちゃやっていいっていう、小学生の発想が原点なんだよね。
──はい、いまの子どもたちにもドリフみたいな存在がいて欲しいです。
あとドリフは5人いたから、僕なんか端っこで何もしなくてもいいってところもあって。5人で合わせてギャグやるのも大切だけど、ドリフには5人それぞれのカラーがあって、その5人で作り上げた形が「全員集合」なんだよね。だから、今は昔やったコントを、4人でそのままやってみたらどうなるか?ってことに興味があって。年齢的に動きや設定も変わってくると思うけど、年取ったからこその面白さもあると思うんだよね。僕、絵を描いてるんだけど、昔のコントを今やってる絵があってね。みんなじいさまなんだけど、それを想像すると楽しくてね。そういうことをやってみたいの。

作画:高木ブー

──現在の4人でやるドリフのコントを、渋谷公会堂で見れたら最高です!
あっはっは、そうだね(笑)。でもね、「全員集合」みたいなステージを作れる人も今はいないだろうね、想像付かないと思う。「全員集合」だって、最初からあんなのが出来たわけじゃなかったからね。荒井さんが抜ける前、あのふてぶてしいキャラがウケて、やっとドリフの形が出来てきて。
──その後、志村(けん)さんが加入して。ドリフの成長と共にテレビや制作スタッフも成長していって、「全員集合」の形が出来ていったんですね。
そういうことなんだよね。だから、ドリフターズにしたら、渋谷公会堂で過ごした時代はすごく大事な時期だったし、あそこがすべての始まりだったよね。

公演情報

DISK GARAGE公演

<高木ブー INFO>

shima fes SETOUCHI 2019 ~百年つづく、海の上の音楽祭。~ 出演
2019年9月15日(日) 小豆島ふるさと村 (香川県)

ウクレレの集いスペシャル2019 ウクレレだョ!全員集合!! 出演
2019年10月20日(日) 會津稽古堂 (福島県)

山人音楽祭2019 高木ブー出演!

2019年9月21日(土)9月22日(日) ヤマダグリーンドーム前橋
開場9:30 / 開演11:00

【ARTIST ※50音順】
■9月21日(土)LINE UP
Ivy to Fraudulent Game / 石崎ひゅーい / 打首獄門同好会 / ザ・クロマニヨンズ / サンボマスター / G-FREAK FACTORY / 四星球 / SPARK!! SOUND!! SHOW!! / 竹原ピストル / DJダイノジ / NAIKA MC / NakamuraEmi / NAMBA69 / ハルカミライ / HAWAIIAN6 / フラワーカンパニーズ / HEY-SMITH / 夜の本気ダンス / locofrank

■9月22日(日)LINE UP
ACIDMAN / Age Factory / ENTH / OAU(OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUND) / OVER ARM THROW / Creepy Nuts / Survive Said The Prophet / G-FREAK FACTORY/ SiM / SHANK / ストレイテナー / Spinna B-ILL / 高木ブー / 10-FEET / FOMARE / ヤバイTシャツ屋さん / LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS / ROTTENGRAFFTY

■9月22日(日)「山人MCバトル」LINE UP
Mc.Kj / MC 龍 / 小池潔宗 / 崇勲 / TK da 黒ぶち / NAIKA MC / BUSS / 歩歩 / マチネ / MIRI / 裸武 / 裂固(※50音順)
<司会>K.I.G <DJ>R da Masta

■オープニングアクト:高崎頼政太鼓

チケット一般発売日:2019年6月22日(土)
※中学生以上チケット必要。小学生以下は保護者同伴のもと、入場無料。但し1保護者につき1名のみ入場可。

>>>山人音楽祭タイムテーブル

>>>そのほか、すべての詳細は山人音楽祭オフィシャルサイトをチェック!

  • フジジュン

    取材・文

    フジジュン

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  • 撮影

    近藤宏一

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