Base Ball Bear、2nd EP『Grape』リリース&全国ツアー開催!必要最小限の音数で最大の威力を放つ、今の彼らの魅力に迫る。

インタビュー | 2019.10.04 18:00

2019年9月4日に4曲入りEP『Grape』をリリースしたBase Ball Bearが、1月リリースの前作EP『ポラリス』も合わせたリリース・ツアー『Guitar!Drum!Bass!Tour』に出る。2018年からまずライブを「サポートなし、3人だけ」に本格的に切り替え、2019年のこの2作から、音源もそうシフトしたと言える。テーマを「秋」に定めて曲を書いたという『Grape』は、まさに必要最小限の音数で最大の威力を放つロック・バンド、今のBase Ball Bearの魅力が詰まった作品になっている。このツアーの初日でもある9月15日の日比谷野外大音楽堂『Guitar!Drum!Bass!Tour~日比谷ノンフィクションⅧ~』を、大成功に終わらせたばかりの三人に訊いた。

可能性を吟味するって、すごい難しいことだなと思いました

──『ポラリス』『Grape』と、2019年はEPを2作続けたのは?
小出祐介(Vo,Gt)3人体制になってまず、『光源』を出しまして。初めて打ち込みを入れてみたアルバムだったんですが、そのあとに、サポートの弓木(英梨乃・ギタリスト)さんと一緒に長いツアーに出て。で、日比谷野音、2回前の『日比谷ノンフィクション』で、サポートに何人も入ってもらって、バンド史上で最多人数編成をやったりもしたんですね。その段階では、3人になって、むしろいろんな可能性が広がったから、大人数でやっていくみたいなことも超ありだなと思ってて。解き放たれ感があったんですよ。野音の打ち上げで「もうこの編成でアルバム録っちゃう?」とか言っちゃうくらい浮かれてて。
で、その時期に、小出のソロを作るっていう話が出ていたんですけど、僕はバンドマンだと思ってるから、ソロに全く興味がなくて。しかもバンドもめっちゃ楽しくなってたんで、断わろうと。野音が終わってすぐ、その時チーフ・マネージャーに「やっぱりソロはないですね」って言ったら、「ああ、じゃあBase Ball Bearは、今後何でもやれるバンドでいいってことね?」って言われて。「あ、いや、違うわ!」と。
──(笑)なぜ?
小出いや、なんかそこで我に返ったというか。俺の憧れてるバンドは、どんどん人数を増やしていって拡大していくバンドじゃなくて、少数精鋭で、ソリッドでポップなことをやるバンドだぞ、そういうバンドが好きだったわ、って思い出して。じゃあ、いろいろ膨らましていくとか、いろんな音入れたいみたいなアイディアは別でやって……それがマテリアルクラブ(福岡晃子とのユニット)になるんですけど。Base Ball Bear本体の方は、もっとソリッドで、吟味したサウンドで、ポップな曲をやっていこう、っていう棲み分けが、自分の中で、はっきりできたんです。
それで『ポラリス』では、そんなモードを表すために、シングルよりEPでバラエティ感を見せたいと思って。じゃあ、その『ポラリス』を受けて、次作どうしようか? ってなった時に、4曲で見せるっていう『ポラリス』のやり方が、今の自分たちのモードにすごい合ってたから。次もEPで、2枚でひとつの見せ方、みたいなパッケージにしよう、というふうに向かっていったんです。
──どんどん拡大していく、何をやってもいい、それがBase Ball Bearだ、というのは違うと思った理由をもう少し知りたいんですが。
小出うーん……なんか、じゃあ、このバンドを80歳までやっていくとして(笑)、ここで今そんなに可能性を広げちゃうと、もう3人だけじゃ演奏できなくなっちゃうなと思って。それぞれの可能性を、むしろ削っていくことになるなと。最小限の音なのに、向こう側にいろんな音が聴こえるっていうのを目指そう、少なくとも自分の好きなバンドはそうだったから。THE POLICEとかね。
可能性を吟味するって、すごい難しいことだなと思いました。頭ん中は最高だから、最高なことを全部詰め込みたいと思っちゃうし、あれもやりたいこれもやりたいと思うんだけど、出口は一個しかない。そこで、バンドとマテリアルクラブ、ふたつのアウトプットがあるっていうのは、僕にとってはすごく音楽的に健康的です。

EPという曖昧な感じが、今、やりやすい

──定額配信サービスによって、音楽の聴かれ方がすっかり変わりましたよね。たとえば、「アルバムサイズの作品、本当に必要なのか?」とか。そういうようなことも考えた上での、EP2作品連続リリース、というアイディアだったのかな、とも思ったんですが。
小出まあもちろん、そういうことを考えてなくはないです。最近の、特に海外の人たちの作品を聴いてると、アルバムっていう作り方を、壊したがってるというか。EPとかミックステープなんていう体でコンセプチュアルなパッケージを作ってる人が多いし。で、それ、めっちゃ聴きやすいんですよね。4曲だって思うと、それぞれの曲に集中して聴けるっていうか。
僕、常々思ってるんですけど、フルアルバムで12曲入りとかの時に、「捨て曲」みたいに言われたりすること、あるじゃないですか。いや、こっちは全部本気で作ってるんじゃい! とは当然思ってるんだけど、人によってはフルアルバムのなかで、「これはアルバムっぽい見せ方の曲」なんて、わざと作ったりもするじゃないですか。捨て曲みたいな聴き方をされるのをわかってて、こっちもそういうつもりで作る、みたいな。それ、要る? って思うんですよね。
堀之内関根(笑)。
小出捨て曲とかじゃない、全体の抑揚やコントラストをしっかりと考えて作った4曲で聴かせた方が、絶対聴く方も集中して聴けると思うんですよね。こういうパッケージの提案のしかたみたいなのは、今後増えていくと思う。あと、1曲にかけるお客さんの集中力、どんどん低下していってると思うんですよね。1分間でどれだけいいか、みたいなところで、判断してる人も多いんじゃないかなあと。こちらも、どう聴かれるのかをより意識していかないといけない。その上で、どんな作品を作るかというチョイスを各々がしていく。
『ポラリス』を作った時に、実際、「ちょうどいいな」と思ったんですよ。すごく作りやすいし、聴かせやすいというか。今回の『Grape』も、4曲すごい集中して作れたし。パッケージとしてまとめやすい。お勧め。作り手の方にもお勧めです。
関根史織(Ba,Cho)(笑)。なんか、EPって、昔はよくわからなかったんですけど。昔からEPって形は一応あったじゃないですか。でもこのご時世になって、自分の中でもすごいしっくりきたので。
小出確かにね、昔はあんまりわかんなかった。EPってどういう意味なんだろう? シングルとどう違うんだろう? みたいな。ミニアルバムでもないし。その曖昧な感じが、今、やりやすいんでしょうね。
堀之内大介(Dr,Cho)うん、そうかもしれない。

四つ打ちのギター・ロック、みんなやらなくなってきてるところで、うちだけ急にやりだす(笑)

小出今回意識したのは、今だんだんみんな、四つ打ちのギター・ロックみたいなのを、やらなくなってきてるんですよね。
──そうですよね。
小出そこで、うちだけ急にやりだすっていう。
堀之内関根(笑)。
小出みんなが四つ打ちのギター・ロック合戦になってきたところで、そういうのを嫌がって、アルバムでいうと『C2』ぐらいでそこから本格的に抜けて、シティ・ポップを意識したものを作り出して。で、まわりがみんなそういうサウンドに寄ってきている2018、2019年に、突然四つ打ちギター・ロックをやりだす(笑)。
──みんながまだやってなかった頃と、みんながやり終わったあとにやるという。
堀之内(笑)。そうですよね。
──ツアーはどんなふうに考えてます?
小出『Grape』ができたことで、だいぶみなさんも、3ピースのBase Ball Bearというものに、聴き馴染んできてくれたんじゃないかと。ライブとしても、もう一段おもしろいところに行けそう。『ポラリス』『Grape』は、これまでとサウンドの打ち出し方も違うし、その中で昔の曲をどうやって聴かせるんだろう、というところも楽しんでもらいたいですね。自分たちとしても『ポラリス』と『Grape』があることによって、ライブの組み立てが変わったんですよ。今回の8曲がセトリに組み込まれる。今までは、曲目は違っても、全体の緩急のパターンみたいなものがあったわけですよ、好みのバイオリズムというか。でも、新しい8曲によって、新しい構成が見えてきた。自分たちでも、今後がより楽しみになってきましたね。また次の作品ができたりとか、ツアーをやったりとか、でまた新しい曲ができて、作品を出して、曲の弾数が増えて……ってなると、どんどんライブの形が変わってくるだろうな、と。そういう意味で、これから2年後ぐらいがより楽しみですね。
関根最初から3人だけで成立する曲を、どんどん作っているので。それをライブで演奏していて……やりがいと、手応えを、ライブでいちばん感じるので……やりがいと、手応え……やりがいと手応え、最高! みたいな感じです。
堀之内(笑)おい! それで終わり?
関根最悪だよね(笑)。
堀之内僕は……今回のツアーは20ヵ所なんですけど、今のBase Ball Bearってこういう状態なんだぞ、っていうのを、より広く伝えていきたいです。“うわ、今最高じゃん!”っていうのを、自分らの演奏と作ってる作品、全部を一致させて、届けていけたらいいなと思います。全国に、Base Ball Bearの現状をお伝えしに行きたいな、と思っております。

PRESENT

直筆サイン入りポスターを3名様に!

※転載禁止

受付は終了しました

公演情報

DISK GARAGE公演

Guitar!Drum!Bass!Tour

2019年10月12日(土) 長崎 DRUM Be-7
2019年10月13日(日) 熊本B.9 V2
2019年10月19日(土) なんばHatch
2019年10月26日(土) 松本Sound Hall a.C
2019年10月27日(日) 新潟・studio NEXS
2019年11月4日(月・振休) 横浜BAY HALL
2019年11月9日(土) LIVE rise SHUNAN
2019年11月10日(日) 松江AZTiC canova
2019年11月21日(木) 仙台darwin
2019年11月23日(土) 青森Quarter
2019年11月29日(金) 千葉LOOK [SOLD OUT]
2019年12月1日(日) 甲府CONVICTION
2019年12月7日(土) 函館 club COCOA
2019年12月8日(日) 札幌cube garden
2019年12月15日(日) 名古屋 DIAMOND HALL
2019年12月21日(土) 小倉FUSE
2019年12月22日(日) 広島CAVE-BE

※終了公演は割愛

チケット一般発売日:2019年9月7日(土)

RELEASE

「Grape」

2nd EP

「Grape」

(DGP RECORDS / VICTOR ENTERTAINMENT)
>>各配信サイトにて好評配信中!

☆パッケージ版[CD+DVD]はライブ会場限定販売中!
  • 兵庫慎司

    取材・文

    兵庫慎司

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