Angeloの最新アルバム『FAUST』の世界観をキリト&Karyuがたっぷり語る!

インタビュー | 2019.11.08 18:00

──ところで、話は少し前後してしまいますが先ほども話題に出ました「ファウスト」は、いわゆる今作においてのタイトルチューンである、と捉えてよろしいのでしょうか。
キリト(Vo) うーん…確かに、タイトルとしては『FAUST』とカブってますけど。っていうか、タイトルチューンって何ですか?
──直訳ではありますが表題曲のことかと認識しておりますし、世間ではそれがアルバムのリードチューンになっていることも多いのではないかと存じます。
キリト(Vo) 『FAUST』というタイトルをつけた以上は、なにかしらそれを象徴するような曲が必要だろうとは思ってましたけど、「ファウスト」って読み方はおんなじだけど表記も違うし。Angeloの場合、必ずしもいわゆる表題曲がそのアルバムを代表する曲ではなかったりするんですよね。そこは少し、ややこしいんです(笑)。別に先行シングルみたいなものを出しているわけでもないから。
──なるほど。では、今作における実質的なリードチューンはどちらになるのです?
キリト(Vo) 取り立ててこれだけがリードチューンです、っていうのは無いですけど。ただ、MVを作って唯一映像化しているという点では1曲目の「A MONOLOGUE BY MEPHISTO」ですかね。

▼Angelo「A MONOLOGUE BY MEPHISTO」2019.11.6 Release New Album「FAUST」より

──こちらはまた、別の意味で非常にインパクトの強い仕上がりとなっておりますね。正直申し上げまして、これだけキャリアのあるバンドが今さらながらにこれだけオトナゲナイ音を繰り出してくる、というところに尖った痛快さを感じました。
Karyu(Gt)こっちはさっきの「STOP THE TIME, YOU ARE BEAUTIFUL」とは逆に、不協和音をさんざん轟かせつつサビで一転するところがポイントです(笑)。
──サビの伸びやかさと、イントロの禍々しさのギャップが何とも鮮やかです。
キリト(Vo) この曲はひとつの仕掛けなんですよ。最初にこれを聴いたり、MVを観たりしてからアルバム全体を聴くと、また面白さを感じるんじゃないかと思います。これは言ってみれば、Angeloとしての攻めの姿勢を示した飛び道具的なものですね。自分としても、Angeloには何時までもオトナゲナイことを平気でしちゃうバンドであって欲しいと思っているから(笑)、どうしてもこういうことになるんですよ。
──『FAUST』と冠されているアルバムでありながら、「A MONOLOGUE BY MEPHISTO」=メフィストのモノローグから始まる、という構成も実に粋です。そして、最後の「STOP THE TIME, YOU ARE BEAUTIFUL」もまたメフィスト視点で描かれているということは…今作はメフィスト側からみたファウストの物語なのですね?
キリト(Vo) はい、根本的には。でも、交互にファウストの視点から歌ったものも出てくるし、そこは入れ替わりもあるんですよ。細かいところは考えながら聴いてください(笑)。
──承知いたしました。それから、キャッチーといえば3曲目の「HYBRID CENTURY」も爽やかささえ感じるような仕上がりで、これもかなり思い切ったアプローチが取られていると言えますね。
Karyu(Gt)これは、キリトさんが嫌がるかな?と思いながらも敢えて出した曲です(笑)。
キリト(Vo) こういうの、日本語が乗りにくいからね。もらった時は、どうしようかな?ってなっちゃって(苦笑)、アタマのところだけは歌詞を英語にしましたよ。まぁでも、こういう曲もひとつのサプライズにはなるだろうから、アルバムの中にこういう曲があるのは面白いんじゃないですかね。
Karyu(Gt)なんか、個人的にはギターキッズが聴いて喜びそうな雰囲気の曲が欲しかったんですよ。キャッチーさの追求っていう面でも、この曲ではだいぶ思い切れました。
──それから、「THE SELECTED NEW AGE」には〈時代が終わる〉という1節があるのですけれど、おそらくこのアルバムが作られていたのは平成から令和に変遷していく過程だったのではないかと思います。そのことが、ここになにかしら影響を及ぼしている可能性はありますか?
キリト(Vo) いや、そこは全く意識してなかったし、ストーリーの中で必要だった歌詞だったったていうだけですね。ただ、意外とこれまでもそういうことってわりとあるんですよ。これもたまたまその時の状況とリンクした、っていうことだと思います。
──音の面について言えば、こちらはかなり重さが重視されているように聴こえます。
Karyu(Gt)そうですね。これはキリトさんが作ってきたデモの段階からもう凄かったんですよ。展開が多くて面白くて。
キリト(Vo) 我ながら、これは展開が多過ぎる曲になっちゃいましたね。ちょっとやり過ぎたかな、って思いくらいに(笑)。でも、凝ってこうなったというよりは、わりと自然にこうなっちゃったんだよね。
──それだけに、この曲からはコンポーザーとしてのキリトさんの新境地を感じますよ。
Karyu(Gt)複雑は複雑だし、実際にレコーディングを始めてみたら大変でしたけど(苦笑)、曲としては完全にまとまってるんですよね。
キリト(Vo) Aメロから始まって、Fメロまで行ったのはさすがに初めてだったからね。今のAngelo ではKaryuが中心になって曲作りが進んでいくので、僕は全体のバランスとか考えずにやりたいことをやってしまえる立場にあるっていうのが、この曲ではより強く出たっていうことなんだと思います。セオリーとか、全て度外視したらこうなりました(笑)。
Karyu(Gt)いやー、ほんとイイと思います!こういう曲が欲しかったんだよな、っていうところにピッタリとハマってくれたんで、俺としても嬉しかったです。
──コンポーザーとしての覚醒ぶりという点においては、前回のアルバムでの「BREATH」に引き続いて、今作では「JIHAD」を作られているギルさんの仕事ぶりにも目覚ましいものを感じました。
Karyu(Gt)センスはまたかなり上がってきてると思います。
キリト 彼はとにかく数を多く打って精度を上げてきている感じですね。数を打ち続けてきた成果がここに出たというか。
──この曲調にはギルさんのキャラといいますか、あの優しいパーソナリティが反映されているようにも感じますよ。
Karyu(Gt)このメロは、俺には絶対に作れないものですね。こういうポップセンスは、俺には無いものです。
──ただし。旋律としては柔らかい質感を持っている反面、この楽曲には「JIHAD」というタイトルがつけられており、歌詞も非常に奥深いものとなっております。この対比がまたなんとも鮮烈ですね。
キリト(Vo) 自分でも、この歌詞は書いている途中で「…あれっ?」ってなったんですよ。キーワードとしては、“屍”って出て来たあたりから内容がそっちに傾いて行った感じです。
──キリトさんは、それこそ前バンド時代から正義というものについては、さまざまなかちで表現をされて来ていますけれども。このタイミングで描かれるジハードは、より無情なものになって来ているように思えます。
キリト(Vo) この『FAUST』というアルバムにとっての大きなテーマが“人間って何?”っていうところにある以上、正義と悪についても書く必要があったということでしょうね。その双方は見方や状況によっていくらでも入れ替わってしまうものだし、どちらが良い・悪いっていう観点で判断できるものでもない。こちらにとっての正義はあちらでは悪になり、あちらの正義はこちらでは悪になる、みたいなことが昔も今もいろんなところで起きてるわけですから。しかも、正義と悪を巡っては狂気や矛盾も生まれてしまう。美しいものと壮絶なものの両方が、こういう曲の中に同居していることがよりリアルだし、トリップした感じを醸し出したなと思います。
──今作の中では、最も真の意味で怖い曲ですよ。また、現実世界を如実に描写しているという意味では「RITUAL」も実に興味深い1曲です。なんとも土着的な雰囲気を持ったパーカッションの音から始まるることで場面が切り替わり、不思議な異世界が生まれていくような感覚を得ました。
Karyu(Gt)あのパーカッションのフレーズが出て来てなかったら、そもそも原曲のデモをメンバー皆に聴かせることはなかったでしょうね。あと、この曲は自分なりの実験を特にたくさんした曲でもあります。民族楽器と無機的な打ち込みとハードなギターサウンドを融合させてみたら、思っていた以上に面白いものになりました。

公演情報

DISK GARAGE公演

Angelo Tour 2019-2020「THE CONTRACT DEADLINE」

2019年11月9日(土) CLUB CITTA’
2019年11月16日(土) TSUTAYA O-EAST
2019年11月21日(木) 新宿BLAZE
2019年11月22日(金) 新宿BLAZE
2019年11月30日(土) umeda TRAD
2019年12月7日(土) 横浜BAY HALL
2019年12月8日(日) 横浜BAY HALL
2019年12月14日(土) 札幌 PENNY LANE 24
2019年12月19日(木) 名古屋ボトムライン
2019年12月20日(金) 広島CLUB QUATTRO
2019年12月25日(水)TSUTAYA O-EAST【FC公演】
2019年12月22日(日) 福岡DRUM LOGOS
2019年12月28日(土) 仙台 Rensa
2020年1月4日(土) マイナビBLITZ赤坂
2020年1月5日(日) マイナビBLITZ赤坂

チケット一般発売日:2019年9月21日(土)

Angelo LIVE at LINE CUBE SHIBUYA「A CONNECTED FIELD」

2020年2月24日(月・振休) LINE CUBE SHIBUYA[渋谷公会堂]

チケット一般発売日:2019年11月2日(土)

RELEASE

FAUST

11th ALBUM

FAUST

2019年11月6日(水) Release!

※初回限定盤[CD+DVD]、通常盤[CD]
  • 取材・文

    杉江由紀

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