初めてのアリーナ・ワンマンに臨む女王蜂。「この濃度のまま、みんなと一緒に大きくなっていきたい」アヴちゃんが想いを語る。

インタビュー | 2020.01.29 18:00

生まれて初めて、涙で歌詞が出てこない、っていうことになってしまって

──ミュージカルに出たのは二度目でしたよね。どんなものを得られた経験でした?
やっぱね、心をぶっ壊した。自分の性格を捨てたり、心がズタズタになるぐらい……家の玄関のドアを開けられないとか、そこまで追い込んで。そういう時に初めて、家を出られない人の気持ちがわかる。「これは家出られないわ。でも私は女王蜂を背負ってるから、メンバーみんな一旦待っててもらってまでこの舞台をやってるから、がんばんなきゃ」っていうことで、ドアノブをひねって家を出て。でもやってみて一つ、お土産として大きかったのは、どんだけ泣きじゃくっても、歌えるようになりました。演劇の稽古中に、生まれて初めて、慟哭するほどに涙してしまって歌詞が口から出てこないっていうことになってしまって。自分の曲でもそういうことはなかったから。でも、それを経て、この前のホール・ツアーで──「Q」って曲から「十」っていう曲をやった時に、もう嗚咽ですごいんだけど歌は絶対に止まらない、っていう。激情と歌を同居させることが、できるようになりました。
──前の『ロッキー・ホラー・ショー』の時から不思議だったんですけど、演技、未経験でしたよね。なんでいきなりできたの?
わかんない、そんなの!(笑)。
──だって、映像ならNG出してもやり直せるけど、客前じゃないですか。
客前は絶対大丈夫です。いつもライブでやってるし、客前で引き受ける能力っていうのは、芝居もライブも関係ないから。「はい、舞台に出て心決めた何かをやって」「わかりました」っていうのは同じだから。演技が未熟だとしても、舞台に立つための見た目と、その為の歌と、このすさまじさ、この熱源は、確かにおカネを払うだけのものだな、って。まずは絶対に成立させるんだ!って思ってるから。
もっと言えば、それは初めてライブをやった時から思ってますね。チケット1,500円で、友達ばっか誘ってたけど、友達から1,500円もらうってすごいことだから、やるしかない、みたいな。そこの覚悟はできてたその頃からあんまり変わらないですね。あと、舞台をやってみて思ったけど、女王蜂ってすごい舞台っぽいんだと思う。
──あ、それはわかります。
女王蜂のライブ、さほど演出もなくて、その場の衝動と、生きてきただけのものを出すだけの場所だと思ってるんだけど、その熱源っていうものは演劇と変わらないのかなって。役ではないから危険な部分もあるので舞台と全く同じってわけではないけど、流れは舞台っぽいっていうか……でも……あの、舞台はね、すごい素敵だと思います。ただ、ほんとにねえ、ライブもヤバい。ライブってほんとに肯定感がある、人生の。リアルタイムで人生をのっけることができる、誰かにならなくていい。どっちのよさもありますけど、それは芝居をやらないとわからなかったことですね。やっぱり女王蜂って、ライブ、ヤバいと思うから。いい悪いじゃなくて、もう、ヤバいというか。怖い、すごい、みたいな、そういうものに、どんどん……そういう素地は結成当初からあったと思うけれど、まだまだ突き詰めてゆけると思うから。そんなずっと見つめていられる土台ができているってことは、自信につながりますね。

この濃度のまま、みんなと一緒に大きくなっていきたいっていう気持ちがありますね

──それがちゃんと届いてるな、というふうに、女王蜂のライブに行くと思うのが、お客さん、すごくいいんですよね。
すごいですよね。老若男女関係なくみんな最高にイケてる。そして、みんなとてもいい子。
──「普段どこにいるんだ、きみたち!」って言いたくなるような(笑)。あんな濃い人たち、ほかにいないじゃないですか。
いないですよね。ほんとうに濃くて。だから、裾野で広がりたいなっていう気持ちよりかは、この濃さのまま、みんなと一緒に大きくなっていきたいっていう気持ちがありますね。アリーナサイズを、その濃度で満員にできてそこでブチ上がれたら、すごくおもしろい筈。楽しみだなと思って。
──幕張メッセ 幕張イベントホール2デイズの話は、いつくらいから出始めたんですか?
2年前くらいかしら。アリーナで女王蜂やったら、すごいおもしろいと思って。いろんな闘い方ができるバンド、ライブハウスでもホールでもアリーナでもやっていたいバンドだから。
──どんなライブにしたいと考えてます?
来てくれた人みんなが、人間離れどころか、「人間だったのか、あれは!?」みたいな感覚になるライブにしようと考えています。「確かにあの人たちは存在したし、生きていたけど、ものすごいもの観ちゃったね」っていう気持ちになるような。
──これまで、ライブ会場がホールにサイズアップする時とか、実はそんなに演出を入れてないんですよね。映像もないし、セットも階段を入れたくらいで、シンプルだったし。
そうなんですよね。私たちがすごくデコラティブだから。お客さんはやっぱり、私たち、ステージに立ってる人間を通して、自分を見てると思うんです。自分の人生を。肉眼で確認できなくなるくらいの大きさになったら、いちばん後ろの席まで届くサービスを、何か考えた方がいいと思うんですけど。今は、お客さんが自分たちの人生をのっけやすいキャパだと思うので、幕張であろうと。それは絶対に担い続けたいなと思いますね。

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