あゆみくりかまき、有観客ワンマンライブ直前インタビュー。「またぎの前でライブがしたい」という強い想い

インタビュー | 2020.09.04 18:00

コロナ禍でも配信ライブやYouTube投稿、LINE LIVEなど、精力的な発信を続けてきた関西出身のアイドルパンクDJユニット・あゆみくりかまき。彼女たちが9月13日(日)、約7ヶ月ぶりの有観客ライブとなるワンマン「あゆみくり夏まき2020〜AKM SEATER ROPPONGI〜」をEX THEATER ROPPONGIにて開催する。EX THEATERは本来ならば、彼女たちが5月5日に6周年記念ライブを行うはずだった会場。だが今回のライブはその振替公演ではなく、また新たな挑戦満載の内容になるそうだ。都のガイドラインに則ったワンマンを目前にした彼女たちは、いったいどんな心境を抱えているのだろうか。ライブの話題を中心に、3人の直近のトピックについて話を聞いた。
──あゆみくりかまきは7月12日に初の無観客トーク&ライブの生配信「みんなと作るHAPPY ROCK LIVE」を行いましたが、終えてみていかがでしたか?
くりかフロアに大きいお習字を置いたり、今までやってきてない演出に挑戦できたのはすごく楽しかったし、新鮮でした。
まき無観客なぶん、フロアで観てくれているスタッフさんの姿がよく見えて。「こんなにもあゆくまを支えてくれるスタッフさんがいたからこそ、配信ライブができたんや」と感動がこみ上げて終盤泣いてしまって(笑)。不安やったりを言い訳せず、どんどん挑戦していきたいなと思いました。
あゆみ「ぼくらのうた」という楽曲で、またぎ(※あゆみくりかまきのファンの呼称)から歌声のデータを送ってもらってコーラス音源を作ったりとか、いろんな試みをして……だから途中で本当に(またぎの姿が)レンズの向こうに見えた気がしたんです。ほんまに感動しました。

”歌うたい”のあゆみ

──「ぼくらのうた」でのまたぎのみなさんのコーラス、とても感動的でしたね。
まきマネージャーさんが「ライブ前に聴かせておかないと、ライブ中に号泣して歌えなくなるだろうから」って事前に聴かせてくれて。その時にも感動して泣いちゃったんですけど、ライブ中も泣いちゃいました(笑)。みんなの声を身体で浴びながらライブをすることができて「幸せやなあ……。早よみんなに会いたいな……!」と思いましたね。
くりか声を聞いて、またぎがすごく近くにいるなって感じました。ほんまに一緒に歌ってる感覚。こういう時期やからこそできたことやし、こういう試みはもっと配信ライブでやっていきたいなと思いました。
あゆみ「コーラスを送るのは恥ずかしい」と言っているまたぎもたくさんいる中、その恥ずかしさを乗り越えて送ってくれた人もたくさんおるんやろな……と考えたらほんま嬉しかったし、またぎの声が唯一聴ける瞬間やったぶん、自分もしっかりとその声に耳を傾けられました。いつもとは違う良さがありました。
くりかやっぱりまたぎがいない中でのライブは寂しさはあったけれど、その前の数ヶ月は出来ないことがいっぱいあったから、実際に配信ライブをして前向きになれたなって思います。またぎが楽しんでくれてることも伝わったし、これからも前向きにいろんなことにチャレンジしていきたいなと思いました。

“DJ”のくりか

──まさに「みんなと作るHAPPY ROCK LIVE」を実現できたんですね。そしてとうとう東京都のガイドラインに則って、EX THEATER ROPPONGIにて有観客ワンマンライブ「あゆみくり夏まき2020~AKM SEATER ROPPONGI~」が開催されます。あゆくまがお客さんを入れてライブを行うのは約7ヶ月ぶりです。
あゆみ最初「EX THEATERが取れそうだけど、配信にする? それともお客さんを入れる?」と話を持ち掛けられて……このご時世のなかお客さんを入れてライブをすることに対して、いろんな意見はあると思うんですけど、やっぱりわたしたちのいちばんの想いとしては、みんなに会いたかったんですよね。スタッフさんもライブを無事に成功させるためにいろんな安全対策を練ってくださって。自分たちもより頑張ろう!という気持ちになっています。
くりかじつはこのライブが決まる前に、「うまくいけば8月にEX THEATERでできるかも?」という話があって、それを聞いたときにすっごいめちゃくちゃ嬉しくて。でもそれは無理になっちゃって――またぎに会える!と思ってたのに、やっぱ会われへんというショックがすごく大きかったんです。だからなおさらこのライブが決まって「やっと会える!」って嬉しかったんです。
──まきさんはどうでしょう?
まきじつはくぅちゃん(くりか)の言った8月のライブを持ちかけられたタイミングでは、わたしは「またぎに会いたいのはもちろんやけど、こんなご時世でほんまにライブをやっていいんかな?」という葛藤があって。でも配信ライブへのリハを重ねていくごとに勇気も出てきて、できることならまたぎの前でライブがしたいという気持ちが湧いてきたし、配信ライブを終えたらさらに「またぎに会いたい」という気持ちが強くなって。8月に決まらなかったと報告を受けて、それでもマネージャーさんに「どうしてもEX THEATERでやりたいので、ほかの日付はないですか?」とお願いをして――それで決まったのが9月13日なんです。3人で迷わず「またぎの前でライブがしたい」という気持ちが強くなったので、このライブに賭ける想いは3人それぞれ強いと思います。

“盛り上げ役”のまき

──EX THEATERは最新の換気システムが整っているとのことで、縁のある会場がそういう場所なのもラッキーだと思います。とはいえお客さんは声を出すことができない、タオルを回すことができないので、チケットはサイリウム付きなんですよね。
まきあゆくまはほとんどサイリウムありのライブをやっていないんですけど、「夏」がテーマのライブなので、サイリウムの色が海みたいになればいいなって。
あゆみタオルを回せなかったり声が出せないぶん、違う楽しみ方をしてもらいたくて。サイリウム以外にもちょっと違ったアイテムも考えてるんです。
くりか1月のフリーライブで、スマホのライトをまたぎのみんなにつけてもらって。それがめっちゃ綺麗やったし、誕生日や誕生日近くのライブで同じ色のサイリウムを振ってもらうときもすごく感動しちゃうから、9月13日もどんな景色になるんやろ~ってめっちゃ楽しみです。いつもやったらみんなに歌ってもらう場所でも、今回は声を出してもらえないから、そのぶんあゆくまがちゃんと歌を届けたいなってすごく思ってます。
──どうやらアコースティック編成のライブも予定されていると。
くりかそうです!「タオルを回せない」っていうのが今回のセットリストを考えるうえでけっこう重要になっていて。どの曲をアコースティックアレンジするかは内緒なんですけど、選曲でびっくりさせてやろうと思ってます(笑)。
まき5月5日のEX THEATER(※公演中止)でやりたかったことはほとんど配信ライブでやりきったので、9月13日のEX THEATERは5月の振替公演とかではなく、まったくあたらしい解釈で企画してるんです。ちょっとミュージカル風な気がする(笑)。
──なるほど、ライブ中にコントのセクションが入るというよりは、ちょっとしたお芝居を交えながら進んでいくライブを予定している。それもお客さんが声を出せない状況だからこそ生まれてきたものかもしれませんね。
まきやっぱりライブができなかったことは、あゆくまにとってもまたぎにとってもストレスになっていると思うんです。その感情をポジティブに変えていきたいので、これまでコントをやってきた積み重ねがあるからこそ、それでライブを運んでいく見せ方にも自信がついてきたというか。ライブがまるまる物語になっているので。
あゆみ“AKM SEATER ROPPONGI”なので、1本の映画みたいなライブというのも裏テーマなんです。
くりかでも変に小芝居が小慣れてきちゃって、今日のリハ(※取材日は8月31日)でアドリブを付け加えすぎてダメ出しを食らっちゃって(苦笑)。もう1回練り直さないと……!
あゆみお芝居もそうなんですけど、歌ももっと頑張りたいなって。やっぱりまたぎが声が出せないぶん、わたしたちのパフォーマンスに誤魔化しがきかないし。それは配信ライブを観ていても感じたんです。いままではまたぎの声が乗ってあゆくまのライブが完成してたけど、9月13日はちゃんと自分たちの声だけでも魅了できるくらい大切に歌ってライブを作りたい。そしたらお客さんが声を出せるようになったときには、わたしたちの歌にまたぎの声が乗って、もっといい曲になると思うんです。
  • 沖 さやこ

    取材・文

    沖 さやこ

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  • 堀 清香

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