GOOD BYE APRIL、3rdフルアルバム『Xanadu』で「80’sジャパニーズポップス」を体現。どんなマインドで音楽と向き合ったのか、メンバー全員に訊く

インタビュー | 2020.11.25 12:00

“ネオ・ニューミュージック”を掲げ、良質なポップスを制作し続けているGOOD BYE APRIL。2011年に結成して10年目を迎える2020年は、5月から6ヶ月連続配信リリース、10月にはオンラインライブシリーズ「traveling safari」を2days配信するなど、コロナ禍でありながら絶えず精力的な活動を行っている。2年ぶりとなる3rd フルアルバム『Xanadu』(ザナドゥ)で彼らが体現したのは「80’sジャパニーズポップス」。80年代の香りを令和の解釈で立ち上らせる、非常にエネルギッシュで煌びやかな作品に仕上がった。4人は今作を作るにあたって、どんなマインドで音楽と向き合ったのだろうか。メンバー全員に訊く。
──結成10年目を記念した6ヶ月連続配信リリースが発表されたのはゴールデンウィーク明け。ライブやリリースの中止や延期が相次いでいて音楽シーン界隈が疲弊しているなか、とても明るいニュースでした。
倉品 翔(Vo. & Gt. & Key.)ああ、それなら良かったです。アルバムと6ヶ月連続配信リリースをすることは年明けから決まっていて。4月はスタジオが休業していたので、メンバーと会うことがほとんどなくて不思議でしたけど……もともとフリーライブを合わせても月に1~2回くらいしかライブをしていなかったし、アルバムの制作もあったので、バンドのサイクルはそこまで変わらなかったんです。
延本文音(Ba.)今年は年明けからひたすら6ヶ月連続配信リリースとアルバムの制作を並行させていくという、けっこうハードスケジュールで。どこにも行かなくはなったけど、世間のムードに飲まれずに自分たちのペースを守れていたので、ほんとラッキーでした。
吉田卓史(Gt.)だからコロナ禍やからどうとかそういう作品にもなっていなくて、これまでどおり作っていたというか。5月に配信した「サマーレインと涙の跡」を聴いた先輩や友達に「配信リリースやから打ち込みにしたの?」とか「生で録られへんかったからああなったの?」と言われることも多かったんですけど、あれが曲にとってベストなアプローチやと思ったからああしただけなんですよね。
つのけん(Dr.)本当にたまたまだよね。でもこうやって煽りを受けずに活動できたのは、リリースが決まっていたことがなにより大きいですね。
倉品本当は10周年記念で6月からツーマンイベントをたくさんやる予定だったんですけど……それが白紙になったことが頭から抜けてるくらい、脳がすぐ切り替わって。ひたすら制作と、配信ライブを面白くすることに専念しました。
──ここ何年かで、ご自分たちでいろんなアイデアを出して精力的な活動してきたからでしょうね。
延本あははは。もちろんウイルスには驚きましたけど、環境が変わっていくことに関してはすぐ「どう付き合っていけばいいか?」と考えて、それを実行するようになってきてますね。なにが来てもへこたれない精神はあるかもしれない(笑)。
倉品たしかに。「じゃあこの状況でなにができるかな?」と動いていくことがクセになってるのかもしれないですね。

「優等生ポップスを作るGOOD BYE APRIL」を卒業したかった(延本)

──年明けから6ヶ月連続配信リリースとアルバムリリースが決まっていたということですが、その頃にはもうアルバムの方向性などは定まっていたのでしょうか?
倉品いやあ、全然。2ヶ月に1回レコーディングをしていくなかで、ちょっとずつアルバムを作っていったので、なんの設計図もなかったんです。まず「6ヶ月連続配信でどんな曲を出していこうかな」という考えが先行してましたね。今回は延本から「音楽性を80’sに絞って制作したい」という提案があったので。
──なぜ延本さんはその提案をなさったのでしょうか。
延本10年目だからとかではなく、(いままでの路線に)ちょっと飽きたというか。
倉品またサラッとすごいこと言うね(笑)。
延本めちゃくちゃ飽き性なんです(苦笑)。自分たちの身の丈にあった、想像どおりのいい曲は、ある程度のクオリティで作れるようになって、自分たちの曲にびっくりできなくなっちゃって――それがしんどくなって。「自分たちはこんな曲が作れるんだ!」という喜びを感じたかったし、あとは好きで好きでたまらない80’sや昭和歌謡の時代の人たちみたいになりたいという気持ちもありました。バンド自体もずっと財津和夫さんを目指してきたし、80’sはボーカルの声ともこの4人とも合うと思うので、配信シングル全曲そこに振り切ろうと。それで2020年の終わりには「優等生ポップスを作るGOOD BYE APRIL」を卒業したかったんですよね。
──前回のインタビューで、作品のイニシアチブは倉品さんになること、延本さんになることがあるとおっしゃっていましたが、今回は延本さんだったんですね。提案を受けたお三方はどうお感じになったのでしょう?
吉田倉品から生まれる曲をやっていくのは変わらんけど、それをただやっていた感はあったのかなあと。やっぱり長く続けていると慣れてくるし、すごく居心地はいいけれど、刺激的なものではなくなってきていて――自分もその幅の狭さに甘んじてたところはあるというか。延本から提案を受けて、ここで変化を持たすのはいいなと思いましたね。
つのけんここふたり(つのけんと吉田)は特に洋楽も好きなので、洋楽の80'sも取り入れたりして制作していきました。だから提案も好意的でしたね。
倉品去年、バンドにとってやり残した「僕の精神性を軸にして1個作品を作る」をやりきった『I MISS YOU SO LONG』を経て気付いたのが、自分は「自己主張よりも他者の提案に乗っかるほうが力を発揮できる」ということだったんです。これまでやり残したことを去年清算できたので、思い切って新しいチャレンジができましたね。ただ、僕は大きな変化を作るのも得意ではないし、気に入っているストックの曲も80’sじゃないから入れられないし、「80’s」という縛りで6ヶ月新しく書き下ろしていくのはけっこう厳しいなー……と最初はちょっとゴネたんですけど(笑)。
延本それを「やるんやったら徹底的にやるしかないやろー!」と説得して(笑)。
倉品でも振り切るってちょっと怖いじゃないですか(笑)。とはいえこれまでもニューミュージックは掲げてきたし、80'sに近い音楽はやってきていたから、『Xanadu』で80'sに特化することは僕らにとって不自然ではなかったし。すごくやりがいがありました。リリースしながら次のリリース曲を制作していた時期はけっこうハードでしたけど(笑)、その結果すごくいいものになったので、やってよかったですね。メロディにも新しい引き出しを作ることができました。

【cover】木綿のハンカチーフ(live) from "traveling safari vol.5" @Studio Dig

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