ニガミ17才。2年半ぶりの新作「曲さえかっこよければ評価される環境作りを、後の世代のためにしていきたい」

インタビュー | 2020.11.20 18:00

「私たち、第二の人生なんで(笑)」(平沢あくび)

──あくびちゃん、最近、テレビでよく見るんですけど、メディアでの活動を「バンドにこう還元しよう」みたいなのは考えているんですか?
平沢はい。ニガミ17才の曲とライブが絶対的にかっこいい自信はあるんです。バラエティに出てる私を見て、なんとなく自分たちのことを知ってくれた人に、曲さえ聴いてもらえたら引っ張り込めるとは思っているので、広告塔としてやっていこうと。メンバーに相談しても、みんな「行ってらっしゃい」って言ってくれたんで。
岩下でも、あくびが初めてテレビに出たの、2年前くらいやったやん? その時はバンドの人間がバラエティに出てるみたいなの、見たような記憶があんまりなくて。最近でこそCreepy Nutsさんとか川谷絵音さんとかもめっちゃ出てますけど。
──そうなんですか?
岩下知らないんですか?
平沢あと、ライブシーンのバンドの中には面白い人たち、結構いるじゃないですか。私がテレビに出て行って、業界の皆さんにそういう人たちを紹介することで、もっとバンドマンにスポットが当たって、ライブハウスや音楽界の地位が上がっていけばいいなって。
──まわりのバンドのことも考えてテレビに出てたってことですか?
平沢はい。
──それは他にいないんじゃないですか? みんな自分のことしか考えないじゃないですか普通。
岩下でも、まわり回って自分のことってことやろ?
平沢そうそう。あと、一時期、ニガミのメンバーで「神輿をかついで、一つのバンドを祭り上げたいよね」って話をしてたんですよ。たとえば、King Gnuさんがバーンっていった時は、バンドシーン全体でKing Gnuさんをワッショイワッショイすれば、スポーツとか、他の文化とも戦えるんじゃないかって。最近は楽曲だけじゃなくて、器用にいろんなことができないとなかなかスポットを当てられない気がするので、もっとシンプルに、楽曲さえかっこよければ評価されるっていう環境作りを、私たちの後の世代のためにしていきたいよねーって。私たち、第二の人生なんで(笑)」
──第二の人生にしては若いですよね。
岩下でも本当に、自分たちのことも考えてるからこその意見だと思いますよ。
平沢私たち、結成当初から「紅白に出たい」って思ってるんですけど、自分たちが上に行ったとしても、その後、孫のひ孫くらいの世代で途切れちゃったらヤだなと思って。
──“孫のひ孫”までいけたら、もうかなり時間は経ってますけどね。
平沢(笑)
──ニガミ17才って、“2回目”のバンドと思えないですね。新世代感があるっていうか。普通、2回目の方が凝り固まる人多いと思うんですよ。「1回目のバンドでできなかったことを2回目でやってやろう!」みたいな。しかも2回目だから、「オレたち、ずっと前からやってたし」って感じで、他のバンドに対するリスペクトが無くなっちゃったり。ニガミはそれが全然ないですよね。
岩下今回のミニアルバムの話で言うと、たとえば、曲を作ってて「これをやったら恥ずかしいな」みたいなの、あるじゃないですか。そういう時にあくびは「そっちにした方がかっこいいよ」って平気で言えるんですよ、音楽始めたばっかりだから。で、「あくびがそう言うならこれにしてみるか」みたいになることも多々あったりして。
平沢「恥ずかしい」とか言われると、すごくびっくりするんですよね。「え!? そうなの!?」って(笑)
──音楽歴が一人だけちょっと短いから、リスナー目線がちゃんとあるってことですね。歴が長くなってくると変な癖がついてきちゃいますからね。それで、自分たちにとって“かっこいい”音楽を作って満足しちゃったり。そういうピュアな意見ってなかなか言えなかったりするから、それはすごい強みな気がしますね。

僕だったらここから「これで絶対に行けるぞ」っていう全然違う新曲を一曲作って、そのMVを4月くらいにあげて、それがバズることを想定して、4ヶ月後の8月にアルバム。

──今回のミニアルバムの曲、ライブでどうやってやるのかなって。あと、次のライブはどういう雰囲気になるのかとか、その辺をちょっと聴きたいんですけど。
イザキニガミの醍醐味はアドリブの多さだったりするので、ベースのフレーズ一つでも、「あ、ここはそういう風に変えてるんだ」っていう面白味がわかるようなライブにしたいなと思いますね。特に今回のミニアルバムに関しては、そういう要素を色々出せる気がしていて。
小銭久しぶりに新曲がめちゃめちゃできたんで、新しい演出を取り入れたり。それが自分もめちゃめちゃ楽しみですし、お客さんにも楽しんでもらえると思います。
岩下僕らが目指してるのはディズニーランドなんですよ。ショーの要素があるものが好きなので、演出をたくさん入れたり、作り込んだものを考えるんでしょうね。あと、今回のアルバムはカットアップとかを結構使っているので、生で演奏した時の面白さはライブでしか体感できないと思います。
──この音源がもっと肉感的になるってことですもんね。やっぱりニガミはライブと音源が乖離しているのがいいなって思いますね。僕もライブ、行きたいと思います。あと、フルアルバムを出す予定はあるんですか?
岩下ないですけど…
平沢いつくらいがいいと思いますか?(笑)
──いやいやいや(笑)うーん…来年の夏とかですかね?
平沢ふーん。
岩下ほえー。
──僕だったら、ですよ? 僕だったらここから「これで絶対に行けるぞ」っていう全然違う新曲を一曲作って、そのMVを4月くらいにあげて、それがバズることを想定して、4ヶ月後の8月にアルバム。
岩下なるほどー。それでいきましょう(笑)
──いやいや(笑)僕の一意見ですよ? でも、こうやって作品作りにちゃんと時間をかけられるのはすごいと思います。ライブばっかりやってて新曲がないと、不安になって中途半端な状態で新曲を出しちゃったりするじゃないですか。こういうインタビューで「曲がすごくいいんで」ってパッと言えるの、かっこいいと思います。17時間の生配信とかも普通はやらないじゃないですか、面倒くさいし(笑)やっぱり、面倒くさいことを進んでやる人が成功するんだろうなって思いました。今日はありがとうございました。
岩下ありがとうございました。なんか変な取材(笑)
  • 取材・文

    Enon Kawatani

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