祝・空想委員会、再始動!「現体制活動終了」から「復活」までを語り尽くすロング・インタビュー!!

インタビュー | 2021.05.24 19:00

コロナでみんなが元気がない時だからこそ、空想委員会をやりたかった(佐々木)

──結局、ソロアルバムのレコーディングをしたのは?
三浦今年の2月です。出したのが4月15日だから、けっこうギリギリですね。
──じゃあそれを録っていた時は、空想委員会をやることは決まっていた?
佐々木そうですね。今年の1月11日に決まったので。岡田くんとは、ちょいちょい一緒に仕事してたので、「空想どう思う?」みたいな話はしていて。特に、去年、コロナ禍になってしまって、いろんなバンドが解散したり、休止したり、亡くなってしまう人もいて。いろいろ思うことがあって……やりたくてもできなくなってしまうかもしれない、いつそうなってしまうか本当にわかんない、空想も、復活したくてもできなくなるかもしれない……ということを、毎日考えるようになって。その時に、復活するならこのタイミングなんじゃないかな、と。岡田くんに「どう思う?」って言ったら、すぐに「俺はやりたいよ」って。それで、三浦くんのラジオに出た時に、生放送でぶっこんでやろうという気持ちで行って。
三浦(笑)。
佐々木で、本番で「空想、どうすんの?」って言ったんですけど、サラッと流されて。でも「今度、うちに飲みに来なよ」って言われて、行ったのが1月11日だったんですね。その日、岡田くんは広島にライブで行っていたので、新幹線で帰って来て、「そのまま三浦くんちに寄って」って呼んで、3人で話して決めました。
──コロナ禍が収まって、普通にライブをやれるようになってからにしよう、という発想はなかった?
佐々木そこは「いや、このタイミングで発表したい!」っていうのが強くあって。コロナでみんなが元気がない時だからこそ、という。俺はけっこう、音楽の力を信じている人間なので。フルキャパ入れられない、赤字になる可能性もわかるけど、今だからこそ意味があるというか。活動を休止した時、「空想がすべてだった」っていうメッセージをくれるお客さん、いっぱいいて。そういう人にとっては、バンドがなくなって、コロナになって、もし仕事もない、とかいうことになっていたら、相当やられるな、と。そういう人のためになりたいと思ったし、今までお世話になった分。だから、コロナが落ち着くのを待つよりも、今、ひとりでも多くの人に元気を出してもらいたい、っていう。まあアホなんですけど。ライブ制作のスタッフに電話したら「え、今!?」って言われました(笑)。
岡田という話をきいて、「まったくそのとおりだな」と思ったからこそ、やろうって言ったんです。僕は慎重派というか、こういう時は「今はおとなしくしといた方がいいんじゃないか」とか思っちゃう方なんですけど。その話をされた時に、「そうだよな、今の自分があるのは、空想を好きでいてくれたお客さんがいるからだよな」と、改めて気づかされて。

音楽のチカラはコロナに負けない!をテーマに思い思いのイラストを描く

──で、岡田さん個人としても、今なら「現体制」じゃない自分でやれる、と思った?
岡田そうですね。2019年が終わった直後は、「いや、まだまだ」っていう感じだったんですけど、2020年の後半には、コロナでいろいろ考えることも増えつつ、音楽でやれることをせっせとやっていく中で、「これで空想委員会やれたら、俺の人生、完璧だな」っていう気持ちが、どんどん芽生えてきて。曲を作らせてもらえる場所があって、ベースを弾かせてもらえる場所があって、ソロもやれている、それの集合体である空想委員会があったら完璧じゃん! と思って。その頃にはある程度、自分の中で自信が持てていたんだと思います。
──じゃあ、三浦さんは──。
三浦いや、僕は言われるまで、全然考えてなかった。やっとソロの音源も出るし、今の時代に合った方法論でがんばっていける体制になるんだろうな、と思っていた時だったので。でも……まあ、コロナは大きかったですね。2020年、自分は発信してないんですけど、聴き手として、音楽から受け取る力をすごい感じていたので。大学生の時とか、音楽を聴いて「うわ、すげえ!」ってなってたのが、空想委員会をやるうちにだんだんなくなっていって。現体制活動終了の時には、もう音楽の力を信じられなくなっていたんですけど、それをコロナ禍で取り戻した感じがあったので。じゃあ俺、音楽を投げる側になろう、と思えたのは、大きかったですね。で、ソロとして投げるつもりだったんですけど、空想の話をされて、「そうか、アウトプットの形はいっぱいあってもいいな」と。
──あ、バンドもやるし、ソロもやる?
三浦はい。もともと憧れが、(奥田)民生さんだから。ユニコーンもあるしソロもある、両方ちゃんとやってる、っていうのが憧れなので。そうなれるかもな、っていう道を、ふたりに作ってもらった気はしています。
岡田僕らも、他での活動は続けますし。「現体制終了」前と、いちばん違うところはそこです。空想以外でも、やれることがいっぱいある。
三浦一回止める時は、空想しかなかったので。そこが崩れだすと、ほんとに立ち行かなくなる、っていうのがすっごいプレッシャーで。でも、軸が別にもあると、空想がコケても他で守れるじゃないですか。もう一回戦うんだったら、別軸もあった方がいいよね、今の時代だったら特に、っていう。それがふたりともできている状態だったから、「あ、いけるかも」と思いました、言われて。

一回リセットして、新しい方法論で戦おう、っていうのは、楽しみではありますね、今(三浦)

──でも、言われるまでは考えてなかったということは、言われた時はびっくりした?
三浦いや、びっくりしなかった気がするな。自然と、言われたから「あ、いいよ」みたいな。
佐々木「ねえ、空想やろうよ」「あ、いいよ」「いいんかい!」みたいな(笑)。
三浦いや、ダメな理由もないし……たぶん、今話したみたいに、今の体制ならできるんじゃないかな、っていうのが、あったんだと思います。僕も、空想委員会をやっていく方法論みたいなのが、ひとりでいろいろやっていた2年間で……インディーズ・デビューの前、アマチュアの時に、「この方法論でがんばったらきっとうまくいくから、やってみようよ」って、ふたりにプレゼンしながらやってたんですよ。それで、動いて、「ああ、結果、成功だね」っていうのを積み重ねてきたので、最初の何年間かは。その頃の感じにもう一回戻るんだろうな、みたいな。「この方法でやろう」っていうのを試していく、もう一回そのチャンスをもらえた、というのが、楽しみでもあって。またゼロからできる。それ、なかなかできないじゃないですか、ずっと続けてるバンドは。一回リセットして、新しい方法論で戦おう、っていうのは、楽しみではありますね、今。
──今、YouTubeで、セットリストとか、グッズとか、ファンに意見を求める企画をやっておられますが──。
三浦僕らがアマチュアの頃は、ミュージシャンとお客さん、距離が離れてる感じで。そこがかっこいい、完成されたものを「はいどうぞ、楽しんでね」というものだった気がするんですけど。だんだんそれが変わってきて、今は巻き込んだもん勝ち、みたいになっている。それを学んだんですよ、サラリーマン時代に。だからもう、思いっきり使おうと思って。それこそセトリなんて、お客さんも一緒に決めたら、自分ごとになるし。そういうふうにどんどん巻き込んで、チームになっていきたいという。この間もタオルの色で悩んでて、「どうする?」「いや、もう、買う人が決めるのがよくない?」って。
佐々木「なるほどね!」と。
三浦それでツイッターでアンケート取ったりして。そういう制作過程まで含めて、楽しんでもらえればな、という感じですね。

空想委員会オンライン会議「グッズとかセトリとかその他にも色々会議」

──で、マネージメントは自分たちで?
佐々木そうです。ツアーも、ライブハウスに自分で電話して。そういうことをやって思ったのが、「今まで何も知らなかったんだな」って。
三浦それは本当にそう。
佐々木今までほんと甘えてたんだな、と思いますし。これを知ってたら、ライブ1本1本……今までも手を抜いてたわけじゃないけど、もっと、やる上での気持ちが違ってくるんじゃないかな、という。だから、よけい楽しみですね。

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  • 兵庫慎司

    取材・文

    兵庫慎司

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  • 撮影

    Kondo Hirokazu

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