あゆみくりかまき、ハッピーメモリー川柳コンテストの選考会を取材。そして、ラストライブへかける想いを訊いた

インタビュー | 2021.06.18 16:00

──では最後に、インタビューで現在のお気持ちを聞かせていただけると幸いです。この取材を行っているのは解散ライブの9日前。前日がゲネリハだったそうですが、手ごたえとしてはいかがでしたか?
くりか解散ライブや脱退ライブというものをしたことがないから、どういうものなのかがわかっていなくて。だからこそ焦りや不安もあってか、張りつめた空気のゲネリハになるんやろな……と前日から緊張してました。でもいざやってみたら楽しくて。 “当日楽しもう”という気持ちを強く持ってきていたんですけど、そのゲネリハきっかけで“当日楽しめる!”と確信しました。

──あゆみさんはいかがでしょうか。
あゆみ気持ちが100入り切ったゲネリハができていたかというとできてなくて。……それはどちらかというと、入り切っちゃうと自分本位のライブになっちゃうからだめだと思っていたところが大きかったんです。わたしの場合は、自分の気持ち云々より、またぎが観ていて気持ちがいいライブを必死に探っているというか。本番になったら、きっとそんなことまで頭が回らなくなるくらい、感情が入っちゃうんじゃないかなと思っていて……。だからリハでそこがうまくコントロールできてないと、いいライヴができないような気がするんです。
──自分の気持ち良さより、またぎのみなさんを楽しませることが重要ということですね。
あゆみほんまに最後やから。またぎが気持ちよく感じてくれるライブをするのが、わたしにとってもいちばんうれしいことなんです。でも……どんなライブになるのかは本番にならないとわからない(笑)。

──そうですよね。わたしもこうやってあゆくまに取材するのが最後だという実感がないし、でもものすごく寂しさもあって。いろんな気持ちが湧き上がっています。みなさんはもっといろんな気持ちが入り混じっていますよね。
まき最近の自分の感情がよくわからないです(苦笑)。リハはブロックごとに前々から入っていたし、ゲネリハの前に通しリハもやってみたりして、進行に関しては問題ないんですけど……MCで最後にまたぎに気持ちを伝えきれるのかな? という不安にも駆られていて。いま3人で“笑って終わろう、泣きたくないよね”という話をしているんです。でもそれがすごくプレッシャーになって、ライブを楽しめてないことをゲネで感じて。でも最後最後と思いすぎると、余計に頭が回らんし、このままやとあゆくまのライブの良さが伝われへんから“こうしよう”と決めるのはやめようと思って。
──感じたままにライブをするというモードに切り替えた、と。
まきやっぱりそれがわたしたちの良さでもあるから。でも泣いてたら前が見えないんですよ。ステージからの景色って、普通の生活では絶対に観られないものやし、6月19日は自分たちの一生の思い出のライブになるから、ちゃんと目に焼き付けて、一音一音を感じてライブがしたい。MCも、用意したものをしっかり覚えて伝えたとしても、全然響かないと思っているから、当日EX THEATERのステージに立って、大好きなまたぎの顔を見て、メンバーが隣にいてくれるという心強い状況のなかで言葉にしたい。自分がどうなるのかはわからないんですけど、あゆくまの盛り上げ役として7年間やってきたことは絶対自分の糧になってるはずやから。自分を信じて当日臨みたいです。
──そうですね。解散を決めながらも、2020年にあんなにたくさん果敢にチャレンジをなさっていたあゆくまですから、最後までその心意気でゴールテープを切るのではないかと思っています。
まきありがとうございます。新旧いろんな曲を織り交ぜて、コントもやって(笑)、ライブタイトルどおり「これが あゆみくりかまき だ」というライブにしたいです。

──あゆくまが解散したあとも、あゆくまが存在した事実や作った思い出、伝えてきた気持ち、音楽は残り続けますし、カラオケやTikTokといったツールで楽しむこともできると思います。みなさんそれぞれ、今後こういうふうにあゆみくりかまきを楽しんでほしいというご希望はありますか?
くりかわたしは解散してもまたぎに寄り添ってたいです。解散を発表してから、あゆくまの曲を聴くと悲しくなっちゃう人もいて。前向きな言葉を掛けてくれるまたぎにも、解散ライブの日が来てほしくない気持ちもすっごくあると思うんです。でも……またぎが大好きやから、ずっと笑っててほしい。この先も、悲しい時、苦しい時に、ちょっとでも気持ちがラクになってくれるような存在でいたいです。
あゆみ「ナキムシヒーロー」に《経験は奪えないし》という歌詞があるんですけど……自分たちのやってきたことが本当に自分たちのやりたかったことなのか、望んだかたちなのか。武道館に行けずに終わってしまったことは、失敗なのかもしれないけど……これまでのあゆくまの活動のなかで出会った人たちのことや、あゆみくりかまきでいた経験は、ほんまに誰にも奪えない経験やと思うんです。それは自分たちの人生のなかで、すごく幸せなことやった。

──それこそ「サチアレ!!!」の歌詞のように。
あゆみそうです。終わりに向かうごとにその気持ちが強くなっていて。あゆみくりかまきハッピーメモリー川柳の大賞のように、またぎであることを自慢だと思ってくださることがすごくうれしいから……。あゆくまが解散したら、もうライブには行けへんかもしれへんけど、あゆくまの歌を聴いて“あの時すごく楽しかったな”と思ってもらえたらうれしいな。わたしもこの先そういうふうに過ごしていくと思います。
──あゆくまのこと、ずっと覚えていてほしいですよね。
まきもう、本当……! そうなんですよね。自分たちが解散を決めて、そんなことを言うのはわがままなんじゃないかなと思うんですけど……。またぎのなかにあゆくまが色褪せず生き続けてほしい。そうなるためにもいいライブにしたいんです。またぎもあゆくまも、みんなが全力で生きた場所がライブハウスやと思う。ちょっと疲れた時、パワーが欲しい時にあゆくまの映像を観たり音楽を聴いて、“あ、がんばろ”と思ってもらえたらうれしいし。わたしたちが残してきたものは全部、人生賭けて命を吹き込んだものやから。直接会ったりライブがないのはわたしたちも寂しいし、またぎはもっと寂しいと思うんですけど、音楽は残り続ける。会いたくなったら、あゆくまの音楽を聴いてほしいです。
──そういう意味でも『サチアレ!!!』がリリースできて、本当に良かったですね。
まきほんまそうですね。2020年には『Grateful』というTHEあゆくまな3曲をリリースして、2021年には『サチアレ!!!』というわたしたちの言葉以上にわたしたちの気持ちをしっかり伝えられる2曲をいただいて……。ほんまに愛されているグループやなと再認識できました。ぽっかり穴があいてしまうのは、わたしたちだけじゃないと思う。それを音楽が埋めていってくれたらうれしいです。
  • 沖 さやこ

    取材・文

    沖 さやこ

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  • 堀 清香

    撮影

    堀 清香

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