fox capture plan対バンイベント「PLANNING」開催記念!ゲストの渡辺シュンスケ(Schroeder-Headz)とスペシャル対談!

インタビュー | 2021.07.08 18:00

「機械の音楽を人間が再現」に、ロマンを感じる

──テクノ以降のダンス・ミュージックって、楽器を弾けなくても作れるのが革命的だったんだけど、「どこまで楽器を演奏できるか」というところから音楽に入った人たちが、そこに向かっていくというのがおもしろいなあと。
渡辺それまでは、ある程度楽器ができないと、音楽を作ることができなかった。それが、コンピュータが進化して、コードとか音楽理論を知らなくても、すごいかっこいい音楽を作る人がいっぱい出て来て。むしろ知らないから作れるのかもしれないし。あとは、音楽の聴き方が、楽器を演奏する人としない人では違ったり。DJの人の音楽の聴き方って、やっぱり僕らとは違うんですよね。そういうのに対する憧れもあって。あと、フェスで一緒になるDJとか、USBを1個持って来て、ギャラももらって帰るっていう(笑)。
──はははは。ああ、そうですよね。
渡辺筋肉を一切使わないで、USB1個で、お客がガンガン踊ってて、「めちゃコスパいいなあ!」と思って。
岸本・井上はははは。
渡辺こっちは汗だくでやってんのに。でも、自分は筋肉側なので。筋肉を使うところと使わないところ、俺たち両方できんじゃん、みたいな気持ちもあったりして。

──つまり、リスナーとしては、そういう筋肉を使わない音楽も好きなわけですね。
渡辺そうですね。そこのよさを知ってるミュージシャンと、知らないミュージシャンでは、全然プレイスタイルも違ってくるし。
岸本確かに。
渡辺それをうまく取り込んで、自分で選んで音楽を作れるようになりたいな、っていう憧れがありましたね。
──foxもそういう指向性がありますけど、それは結成当初から?
岸本そうですね。もともと僕とカワイくんは、クラブ・ジャズのシーンにいたし。つかっちゃんもポスト・ロック的な音楽を、nhhmbaseでやってたから。
カワイクラブ・ジャズのシーンで、生音のレコードをDJがかけたりしていて。自分たちも生演奏をして、そういう中でやってきたんですけど。でも、それにちょっと飽きてきたというか、違うことをやりたくて、foxを組んだんですよね。生演奏だけど、クラブ・ミュージックを人力で再現する、みたいなところから、作曲の着想を得たというか。テクノっぽくミニマルなフレーズを繰り返したりとか、人力でドラムンベースをやったりとか、っていうふうに、曲作りを始めていたので。作曲するのに、生楽器限定にしちゃうと、作れるものが狭まってくるかな、っていう。

岸本ハウス・ミュージック、もともとルーツはディスコじゃないですか? ディスコが打ち込みでハウスになって、それをまた人が人力で再現し始める、みたいな。そういう、機械の音楽を人間が再現する、みたいなのに、すごいロマンを感じるというか。
渡辺Squarepusherとかもね、ベースめちゃうまいもんね。
井上ああ!
岸本打ち込みかと思いましたもんね。
カワイうん、ドリルンベースみたいな──。
岸本普通のミュージシャンの発想やと、ああいうプレイスタイルにはなんないですよね。

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