伊藤 蘭 コンサート・ツアー2021、日比谷野音での特別追加公演が決定。 44年ぶりに野音のステージに立つ、その想いを語った。

インタビュー | 2021.08.11 18:00

──今回、伊藤蘭さんのセカンド・アルバム『Beside You』の発売に合わせて、セカンド・コンサートツアーが開催されます。その一環で、9月26日に東京の日比谷野外大音楽堂での公演が決定しました。

私が野音のステージに立つのは、キャンディーズ時代の77年7月17日以来、まさにその場所でキャンディーズが解散宣言をしてから、44年ぶりになります。

──蘭さんにとっても、ファンにとっても、非常に強く印象に残る野音のステージに、立つことへの率直な思いをお聞かせください。

数年前の私でしたらお断りしていたかもしれません。でも、実際にこのお話をいただいたとき、無下にお断りできない、NOと言えない私がいたことも確かでした。私の今の音楽活を支えてくださるスタッフの皆さんのなかにも、キャンディーズ時代の活動や音楽に、思い入れを持ってくださっている方が多くいらっしゃるんです。今回、その方が運んでくださったお話でもあり、これは私ひとりだけで決められるものではないな、とその思いを受け止めることにしました。それは、きっとファンの皆さんも受け入れてくださることなのだろうと思い、野音のステージに立つ気持ちになりました。でも、いまだにピンときていない部分もあって、私が今、野音でコンサートを行う意味って何だろう…と考えているところです。

──一昨年より音楽活動を再開した蘭さんですが、久しぶりにステージに立って歌った時は、どんな思いがありましたか。

もちろん緊張もしましたし、皆さんに受け入れていただけるのか不安もありました。でも、会場の皆さんがあたたかく迎え入れてくれて、そのエネルギーにお応えするような形で乗り越えられた気がします。あの時は、アルバムのレコーディングの段階からいろいろな思いが押し寄せて泣きそうになってしまい、こんな状態でライブなんて大丈夫かしら!? と思っていたんです。マイクを持って皆さんの前に立った時に、泣いて歌えなくなることだけはしたくないと思って…。

──前回のステージでもキャンディーズ時代の楽曲を歌われましたが、今回はいかがですか。

今回も、新曲はもちろん、キャンディーズ時代のナンバーもセットリストに入れています。ステージに立つ前は、当時の楽曲を“歌います!”って言い切れるほどの自信は持てずにいたんです。でも、私ひとりになってしまいましたが、皆さんが喜んでくださるのであれば、歌える曲は歌ってみようと思いはじめました。それにイントロが流れると、自然と当時の感じになってしまうのが不思議なものですね。振り付けも細かいところを忘れていたり、体力的にもなかなか大変ですが、皆さんに喜んでいただけている、その手ごたえがある限りは歌っていけたらと思います。

──蘭さんにとってステージとは、どういう場所でしょうか。

エネルギー源のようなものですね。音楽に身をゆだねて皆さんと同じ時間を共有し、音楽によって心が潤い、終わったあとに、楽しかったねと言える大切な場所です。去年から今年にかけてコロナ禍という状況もあり、皆さんも思うようにならないことがいろいろあったかと思います。“会えない時間が愛育てるのさ”という歌もありましたけれど、だからこそ開催できた時の喜びは、より大きく感じるでしょうね。私も今からその日を心待ちにしています。

──最後に、今回の野音のステージへの意気込み、楽しみにしているファンの方にメッセージをお願いします。

私が44年ぶりに野音のステージに立つ、その意味がどういうことなのか、それが当日分かるのが、私も今から楽しみです。あまり考え過ぎずに、またその場所に戻れたことをお互いに喜び合えるコンサートにできたらいいな、と思っています。皆さんぜひ、日比谷野音に足を運んでください。私も皆さんにお会いできることを楽しみにしています。

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