fox capture plan、「実りっぱなしの結成10周年=2021年」を語る!

インタビュー | 2021.10.19 12:00

──トリビュート・アルバムは、自分たちで制作しないからいいとしても、劇伴もあったじゃないですか。
カワイまあ、今年は、劇伴が立て込んで……8月9月は、何本?
井上4本ぐらい?
カワイその4本ぐらいが並行で走ってて、今、だんだん終わって来てるんですけど。
──本業の劇伴作家の量ですよね。
カワイ本業の劇伴作家でも、こんなに同時期にかぶらないと思います(笑)。ライブもやりつつ、アーティストとしてのアルバムを作って、その合間に劇伴……いや、どっちかっていうと、今回のアルバムの方が、劇伴の合間に録ったみたいな感じ(笑)。
岸本確かに。
カワイ同業の劇伴作家の人にも、「そんなに同時にやる人、いないでしょ。引くわ」って言われましたね(笑)。
井上まだ、今こういう世の中で、ライブがあんまりなかったんで。ライブが入ってたら、どんなことになってたんだろう、っていう。
──で、その合間に『XRONICLE』を?
カワイそうですね。先にスケジュールを切って、この日にレコーディングするから、曲をそれまでに間に合わせる、っていう。自分たちで発注して、締切作って、みたいな。
岸本とりあえず、劇伴の仕事が本格化する前に、違うテイストで、僕は4曲ですけど、アルバムの指針になるんじゃないか、っていう曲を作って、メンバーに送るところからスタートして。で、劇伴の仕事と並行しながら作って、レコーディングの初日にギリギリ譜面が上がってくる、みたいな。他のロック・バンドとかだと、事前に曲を作って、プリプロでアレンジを詰めて、レコーディングだと思うんですけど、我々は、レコーディング当日に、初めてその曲を合わせるので。プリプロをやらなくても、メンバー3人それぞれが、自分の曲の完成図を描いてるからできるんだと思うんですけど。
カワイ『NEBULA』の時に参加してくれた、9mm(Parabellum Bullet)の滝(善充)くんに、「絶対ありえない」って言われました(笑)。
井上僕ら、ミックスするまで、全体像を見れてない曲もあるし。ミックスでやっと、「あ、こういう曲になるんだ?」みたいな。
──ほんとに気持ちいいくらい、1曲1曲バラバラですよね。
カワイピアノ・インストのバンドだから、こういう傾向の曲、とかいうふうに、似通った曲が多い人たちもいるわけですけど。僕ら、なんでもかんでも入れちゃうんで。ジャンルかぶりというか、そういうのはアルバム内で起きない方がいいなと思っていて。

録り終わった時は、どんなアルバムなのかが、まったくわからない(井上司)

──生演奏ですけど、トラック・メーカー集団のアルバムみたいな感じもしました。
岸本ああ、6曲目のつかっちゃんの曲(「Time / Break」)とか、生で叩いているけど、エレドラを使うっていう。俺らが作る曲は生ドラムなんですけど、ドラマーの作る曲が打ち込みやったり。
カワイそれに、生楽器で打ち込みサウンドを再現しよう、みたいな努力は、する必要ないかなと思っていて。打ち込みと共存した方が、いいものができるんじゃないかな、って。
岸本それは、7枚目のアルバムまでで、いろいろやったからですね。人力でドラムンベースをしたり、ピアノとかベースにエフェクトをかけたり。それが終わって、8枚目の『DISCOVERY』から、どんどんサウンドのバリエーションを追求し始めてますね。
──1曲1曲バラバラだから、アルバム通して聴かないと、どんなバンドなのかわからない。だから「次の曲、どうなるの?」って、続けて聴きたくなる。ただし、1曲1曲バラバラでキャラが立っているから、逆にその1曲だけ聴かれても成立する。
カワイそうですね。すごく多面的だと思います、今のfoxって。
岸本まあ、天の邪鬼な部分もあるので。fox capture planってこういう音楽でしょ? って思ってる方の、予想を裏切っていきたい、っていうのも、毎回あるんですけど。それが顕著に出たアルバムかな、と思いますね。
──で、最後に通して聴いて、「ああ、こういうアルバムだったのか」とわかった?
カワイミックスの段階でアレンジが完成するというか、最終的な全体像が見えてくる。
井上録り終わった時は、どんなアルバムなのかがまったくわからない。「大丈夫かな」って思ったぐらい、わかっていなかったので。ミックスして「え、すげえいいじゃん!」って。
カワイそう、ラフミックスが終わった時とか、「うーん、大丈夫かな」ってなるんですね。
岸本でも、初期から……「衝動の粒子」っていう曲も、そんなふうにできて。いまだにライブで必ずやる定番曲ですけども。ピアノを重ねて、難しいキメとか変拍子があったりして。録ってる時は、メンバーもいまいち──。
カワイ全然ピンときてなかった(笑)。
岸本『DISCOVERY』も、いろいろ挑戦しながら作っていったんですけど、そういう意味では、『DISCOVERY』でやったことや、『NEBULA』でやったことで、より手応えを得て、『XRONICLE』で、ひとつの形にできた。新しい、第二のfox capture planを確立できたな、と思いました。
井上10枚目にふさわしいアルバムができた、っていう感じですね。マスタリング終わって、最後に聴いて、やっとそう感じました。
──で、ツアーがありますが。
岸本日程的には最後なんですけど、日本橋三井ホールの初日は『NEBULA』、2日目は『XRONICLE』というタイトルにしてるんです。で、そこまでの各地のツアーもあるんですけど、まだライブでやっていない曲の方が多いので。でも、10周年なので、今までの代表曲を聴きたいっていうお客さんも多いと思うので。やらないといけない曲が多すぎて、難しいですね。うれしい悲鳴というか。
カワイちょっとね、曲が渋滞してるからね。

fox capture plan〜Documentary of the Decade〜 Part.1 Trailer

PRESENT

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受付は終了しました

公演情報

DISK GARAGE公演

fox capture plan 10th Anniversary Tour

2021年10月24日(日) cube garden・北海道
2021年11月2日(火) darwin・宮城
2021年11月10日(水) 伏見JAMMIN’・愛知
2021年11月11日(木) Music Club JANUS・大阪
2021年12月19日(日) Gate’s7・福岡

fox capture plan 10th anniversary Live

DAY1 “NEBULA”
2021年12月22日(水) 日本橋三井ホール・東京

DAY2 “XRONICLE”
2021年12月23日(木) 日本橋三井ホール・東京

RELEASE

『XRONICLE』

10th ALBUM

『XRONICLE』

(Playwright)
2021年10月20日(水)SALE

INFO

結成10周年ドキュメンタリームービー、ストリーミング動画配信決定!

fox capture plan~Documentary of the Decade~ Part.1
2021年10月15日(金)21:00スタート
※2021年10月15日(金)~11月15日(月)23:59までアーカイブ配信
詳細:https://w.pia.jp/t/foxcaptureplan-t/

  • 兵庫慎司

    取材・文

    兵庫慎司

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