wacci、日本武道館「YOUdience」開催間近！橋口洋平に武道館ワンマンにかける思いを聞いた

──メンバーとはどんな話をしてますか。

実はこれからしっかりと作っていくようなところがあって。47都道府県ツアーがやっとひと段落して。いつものツアーのような達成感というよりは、やっと終わったという安堵感があったので、ここからギアを入れて、考えていきたいと思いますけど、メンバーもみんな、去年の無観客から1年後のストーリーを頭に描きながらやってきたと思うので、みんなで意識を高めあって、いいものにしたいなと思います。

──メジャーデビューから10年という節目でもあるんですよね。メンバー交代もなく。

そうですね。メンバーとはこの10年、一緒に歳を取ってて。音楽だけじゃなく、プライベートでも共有し合ってる部分がある。このご時世で今はみなさん、人間関係も大きく削られていってると思うんですけど、その中でも大きく変わらず、一緒にいて、共有し合えるメンバーがいることはありがたいことだなと思います。

──10周年を迎えた心境というのは？

うーん、どうですかね。積み重ねてきたものが、しっかりと形となって出ていけばいいなと思いますね。10年目で武道館というのは側から見たら綺麗なストーリーなので、10年目の武道館はなんとしても成功させないといけないなと思いつつ……。

──あまり、アニバーサリーイヤーに突入という心境ではない？

ないですね。やってる側はあんまりないものだと思うんですよね。こういう時にいつも思うのは、周りで支えてくれる人に対しての気持ちだけですね。事務所に入ってからも10年になるので、ずっと応援し続けてくれているわけで。古くから応援してくださっている方ともう10年も歩んで来てるんだなと思うと、感謝の気持ちでいっぱいですね。自分たちがどうというよりは、自分たちを支えてくれた人との10年というところでは感慨深いものがありますね

──武道館では10年間の集大成を見せますか？　それとも今のwacciを見せたい？

イメージ的には後者ですね。今のwacciをしっかりと見せるという気持ちで臨もうかなと思います。でも、今のwacciをちゃんと見せるということは、これまで積み重ねてきて、いいものを選び取ってきたつもりなので、これまでの軌跡を見せるというところにもきっと繋がってくると思う。ファン感謝祭というよりは、今のいいものをしっかりと見せることで、10年分の歩みもしっかりと伝えられるようなライブにしたいと思います。

──内容はもう考えてますか。

ある程度の大枠のセットリストは作っているんですけど、ライブハウスツアーを受けて、二転三転していきそうだなっていう感じもあって。ただ、やっぱり、初めての有観客での日本武道館なので、とにかく良いものにしようっていう気持ちは、メンバーもスタッフも一緒だから、同じ目標に向かって頑張っていきたいなと思います。ただ、今言えることは、床の下からポップアップで出てくる登場はないです。怪我しちゃうタイプなので（笑）。あと、ゴンドラも乗らないと思います。

──アリーナを周回したりはしないんですね(笑)。では、「YOUdience」というサブタイトルにはどんな思いを込めてますか。

無観客から有観客へっていうストーリーがあった中で、特に最近は「無観客」「有観客」っていう言葉も市民権を得ていて。今はもうみんなが使ってる言葉だと思うんですね。今回は有観客で、観客は英語でオーディエンス。その観客の中には応援してくれるあなたがいて、wacciに出会ってくれたあなたがいる。観客と１つになるんだけど、届ける先は「あなた」ですっていうような意味ですね。一対一で音楽を届けたいという思いで、造語なんですけど、ユーディエンスという言葉を作って、タイトルにしました。

──あなたに向けて一対一で届けるという思いなんですね。

そうですね。無観客の配信ライブもたくさんやったんですけど、今まで以上に画面の向こうの一人を意識してやることが多かった。それは、さっき言った１年間でのパワーアップのうちの１つなのかなと思って。有観客でも“あなた”を意識して届けるのを大事にしようかなと思いますね。

──その観客の皆さんにはどんな気持ちで足を運んで欲しいですか。

このご時世で、初めての武道館ワンマンライブを胸を張ってやる。希望のあるライブにしたいっていう強い思いでステージに立つバンドをただただ観に来て欲しいなと思いますね。背中で語るじゃないですけど、そこできっと伝えられるものがあると思う。47都道府県ツアーもそんな思いで続けてきたところがあるので、少しでも前に進もうとするバンドとしてのあり方みたいなのをちゃんと伝えたいなとは思います。あとは、昔からいつも言ってるのは、何の用意も要りません！　ってこと。なんの準備もいらないですし、身１つで来てくれたら、楽しんでもらえると思います。

──武道館が叶ったあとはどう考えてますか。燃え尽きそうですか。

うーん、燃え尽き……ないですね（笑）。ゴールという感じではないですよね。ただ、今後、世の中がどういうふうになっていくかもわからない中で、バンドとして、どういうふうになっていきたいのか。それは、武道館ライブが終わった時に見える景色がきっとあると思うんですね。その時にまた、バンド５人で足並み揃えて、どっちに一歩を踏み出していくかを考えていきたいなと思いますね。ここまでがむしゃらにライブをやりまくってきたけど、自分たちのバンドとしてのあり方とか、求められているものとか、歌いたいテーマとかも探したいなと思う。来年にホールツアーの振替がはみ出しているので、2月にはホールのライブもあるんですけど、今は武道館までを目標にして、そのあとは、武道館が終わった後に考えようかなと思います。

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