遂に全開で動き始めた三浦隆一!空想委員会の活動休止から現在までを、たっぷりと語る!

インタビュー | 2022.02.28 18:00

裏方をやったからこそわかったこと

──会社員だった時期もあるんですよね。

はい。空想委員会の活動休止のラスト・ワンマン・ツアーの時はもう会社員だったので。平日働いて、土日はツアーに行って。で、1年ちょっと働いたんですけど、2020年の4月11日にソロで生誕祭のライブをやるので──コロナで1年延びましたけど──そこに向けて集中しようと思って、会社をやめて。
あとは、会社にいた時、このまま裏方をやっているより、俺が表に出た方がおもしろくなるだろうな、みたいに思っちゃったので。

──会社員生活は、いい経験になりました?

なりました。裏方で、表の人を支える気持ちが、やっとわかりました。休止前の頃、スタッフによく言われてたんですよ。「やりたいことを言ってほしい、それを実現するのが裏方なんだから」って。で、僕が裏方になった時、表の人に、もっと自由に暴れてほしかったんです。もっといろいろやってもいいのに、って思って、「あ、前は俺、こう思われてたんだな」っていうことに気づけました。
前の俺は、なんで、まじめに、平均80点を狙うようなことをしていたんだろう、支える側としてはつまんなかっただろうな、と、すごく感じましたね。それは反省しました、ほんとに。
空想委員会、3人ともそうなんですけど、目の前のことをやるのに必死で、もっと先のことを考えられない。なので、当時の事務所の社長が、「次はこういう活動、どう?」って提案してくれるのに乗っかってる感じが、強かったのかもしれないですね。
もっと自分たちから積極的に、次の動きとか、さらに先の動きを考えていかないと。それは裏方をやってみて初めて気づけた。前に出る人がもっと暴れないと、チームとしてつまんないし、そこにいる人たちも盛り上がんない、次に行けないんだな、ということがわかりました。
だから、今はほんとに……ちゃんとやるべきことはやるんですけど、その上で、もっとふざけなきゃな、っていうのはすごく思っていますね。「次、この人、何やるんだろう?」とか。

──確かに言われてみれば、奥田民生とか、「次何やるんだろう?」の塊ですもんね。

ほんとにそうですよ。あの姿勢を見せられると、後輩としては、もっとやんなきゃ全然追いつけないな、っていう。それこそアジカン先輩とかもそうだし。たぶんチーム力が高いんだと思うんですけど、それをひっぱっているのはメンバーだと思うので。そこをもっとやんなきゃ、スタッフさんもそのうち「つまんないわ」って離れて行っちゃうだろうな、ヤバいヤバい、と思って、今やってますね。

お遍路は絶対おもしろい

──そういえば、さっきおっしゃっていた、空想委員会のアルバムの曲を作る時期だった2021年の7月に、お遍路に行ってたんですよね。

そうです。「7月中に作曲してね」って言われる前に、僕はもうお遍路に行くって決めちゃってたんで……あの、僕、『水曜どうでしょう』のファンで。

──(笑)。ああ、お遍路、行ってましたね。

それだけです、ほんとに。大学生の時に岩手のテレビで深夜にやっているのを観て、「この人たちめっちゃおもろい」と思っていて。それで、お遍路は、一生のうちに行かなきゃダメだな、みたいなのがずっとあって。で、会社をやめたので、「あ、これ、行くなら今だな」って、軽く行っちゃったんですけど。
まわりのみんなからは「大変だったでしょ?」とか「どんな願い事があったの?」とか言われましたけど、特に何もなく。で、クルマで10日ぐらいかけて回って、終わったら高松でワンマンをやって、そこからソロのツアーがスタートする、という。今年もやります、お遍路とライブ。お遍路、興味ないですか? 行かないですか?

──行かないです。

いやあ、絶対おもしろいですんけどね。

──何が?(笑)。

僕が思ったのは、空海が作ったあのシステムがすごい、っていう。テーマパークと同じなんですよね。四国全体を使ったアトラクションを空海は作ったんだな、というのを感じて、「あ、これ、パクりたい」って考えてました、回りながらずっと。自分のツアーに、このやり方を活かせないかなあ、とか。っていう意味でも行ってよかったです、お遍路。

──曲は書けたんですか?

帰って来て1週間ぐらいで10曲書いて、曲を出して、「これとこれとこれ」って決まって、そこからふたりはアレンジに入るんですけど、「三浦くん、もっと書ける?」って言われて、追加で書いて持って行って。曲はどんどん書けましたね、今回。

一個一個ストレスを排除した

──今回の曲作りで、新たに気がついたこととか、ありました?

そうですねえ……あの、自分の作るメロディと歌詞は、誰でも書けるってずっと思ってたんですけど。あんまり自分の曲を、特別だとか特殊だとか思ったことないので。いい曲だなと思うことはあっても、絶対三浦じゃなきゃダメだ、っていう感じではないだろうな、他に代わりは効くだろうな、と思っていて。
でも、休んでいる間に、意外と……周りから言ってもらえることが増えて、「三浦節みたいなのがあるね」とか。じゃあ、自由に作ったらそうなるんだな、と思えたから、好きに作りましたね。
あと、大きかったのが、今まであたりまえと思ってやっていたことの一個一個が、けっこうストレスだったんだな、って感じるようになって。

──たとえば?

たとえば曲を作るのも、売れなきゃなんないからヒットしそうな曲を狙って作る、とか。その曲を伝えるためのデモを作るのとか、そういうのも、周りもみんなやってるから、あたりまえだと思って、あんまり好きじゃないけどやってたんですけど。
世の中がコロナ禍になってから、なんで嫌いなのかな、っていうことを、考えるようになって、ストレスに感じてたんだな、って気づいて。それを一個一個分解して、自分は何が嫌いなのかっていうのを考えて、排除するようにはなりました。「これは嫌いだからやらない」とか「これはメンバーにまかせちゃう」とか、そういうのを一個一個できるようになりました。ストレスを抱えないでできるようにしなきゃな、っていうのを、この時期はすごく考えましたね。

──やっぱり、一回止めたバンドをもう一度やるんだから、前と同じ失敗はしたくない、という思いが強かったんですね。

そうですね。自分も楽しいけど、周りの方も楽しくて、それがどんどん広まっていけるような仕組みにしないと、続かないだろうし、がんばれないだろうなって思ったので。そこは意識するようにはしてますね。

公演情報

DISK GARAGE公演

三浦隆一独演会 〜生誕祭〜

2022年4月11日(月) 渋谷CLUB QUATTRO
17:30 開場 / 18:30 開演
全自由 ¥3,800(税込)
出演者 三浦隆一 / 空想委員会(ゲストドラマー:HAZE / 大宮洋介)

チケット一般発売日:一般発売:2022年2月9日(水) 14:00

空想委員会 デビュー10周年記念 【世渡り下手の伝え方ツアー】

2021年12月28日(火) 東京・渋谷GUILTY
2022年2月27日(日) 青森・八戸LIVE HOUSE ROXX
2022年3月1日(火) 北海道・札幌Sound lab mole
2022年3月5日(土) 岩手・盛岡the five
2022年3月6日(日) 宮城・仙台enn 2nd
2022年3月24日(木) 愛知・名古屋UPSET
2022年3月25日(金) 大阪・梅田シャングリラ
2022年3月27日(日) 香川・高松MONSTER
2022年5月8日(日) 新潟・新潟CLUB RIVERST
2022年5月15日(日) 茨城・水戸SONIC
2022年5月29日(日) 福島・福島PEAK ACTION
2022年6月19日(日) 福岡・福岡INSA
2022年6月21日(火) 岡山・岡山CRAZYMAMA 2ndRoom
2022年6月22日(水) 広島・広島セカンド・クラッチ
2022年7月29日(金) 東京・下北沢シャングリラ

料金:¥3,800(税込)+1Drink

チケット一般発売日:2022年1月29日(土) 12:00

RELEASE

『空集合』

ソロデビューアルバム

『空集合』

2021年4月15日(木)SALE
  • 兵庫慎司

    取材・文

    兵庫慎司

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