川村結花、ゲストに渡辺美里を迎えて新ライブ企画「duoでデュオ」開催!「お互いのいいところをギュッと凝縮して、みなさんの心にお届けしたい」

インタビュー | 2023.06.19 17:00

川村結花が7月14日(金)、新たなライブ企画「duoでデュオ」をduo MUSIC EXCHANGE(渋谷)でスタートさせる。
このライブ企画では、川村がこれまでに楽曲提供や共演したアーティスト、彼女自身が“会いたい”と願う方々をゲストに招き、一夜限りの貴重なステージが繰り広げられる。記念すべき第1回目となるゲストは、昨年8月にNHK『みんなのうた』で放送した「愛がお仕事」を共作した渡辺美里。「duoでデュオ」を立ち上げた経緯、渡辺美里との交流などについて、川村自身に語ってもらった。
──「duoでデュオ」は、渋谷duo MUSIC EXCHANGEにゲストを招いて行われるライブ企画。このイベントを立ち上げた経緯を教えていただけますか?
“独奏”というピアノの弾き語りライブをずっと続けているんですが、コロナの時期に斎藤有太さんと一緒にピアノ2台のライブをやったんです(2021年5月に月見ル君想フで行われた2PIANO4HANDS「川村結花×斎藤有太」)。誰かと二人でセッションするのは久しぶりだったんですけど、有太さんとのアンサンブルがすごく楽しくて、「こういうライブをもっとやりたい」と思って。あと、提供曲をテーマにしたライブシリーズも考えていたんですよ。何曲か提供している方にゲストで来ていただいて、一緒に歌えたらいいなと思ってスケジュールも組んだんですけど、そちらはコロナの影響で全部ダメになって。有太さんとのセッション、提供曲を披露するライブの企画が合わさって出てきたのが、「duoでデュオ」なんですよね。渋谷のduo(MUSIC EXCHANGE)を会場にして、「“duoでデュオ”はどう?」と提案したのは私です(笑)。思い付きだったんですけど、「いいね」ということになって。
──いろいろな伏線があって、“ゲストを招いて一緒に歌う”というアイデアにたどり着いたんですね。記念すべき第1回のゲストは渡辺美里さんです。
もちろん“人ありき”と言いますか、つながりがある方をお呼びしたくて。美里さんとの最初に接点は、20年くらい前のNHK-BSのテレビ番組(2004年放送のNHK「BSふれあいホール」)でした。1時間くらいの番組で、美里さんの曲、私の曲を歌って、「少年時代」(井上陽水)をlセッションして。そのときに初めてお話しして、とても心根がいい方だなと感じたんですよね。それからしばらく経って、ベーシストの有賀啓雄さんから「美里ちゃんに曲を書いてくれないかな?」というお話をいただいて。美里さんと私のレコード会社のディレクターが同じ人だったこともあって、歌詞を美里さん、曲を私が書くことになったんです。それが「青い鳥」という楽曲ですね。その後もいくつか提供させてもらって、最近は「NHKみんなのうた」で放送された「愛がお仕事」でも共作しました。
──そのほかにも「また、明日」「ココロ銀河」「すべての一日を愛してる」など素晴らしい楽曲を提供されています。川村さんにとって渡辺美里さんというアーティストはどんな存在ですか?
これは彼女にも伝えたんですが、“ラララ~”で歌うだけでもう美里さんの歌になるのだなあ、すごいなあ、と思います。あと、そのときの年齢に合った歌を歌ってる方だなという印象もあって。成長は顔に出てくると言いますけど、声や歌い方も同じだろうなと。
──なるほど。川村さんご自身も、歌の表現の変化を感じていますか?
そうですね。「Lush Life」(1999年)を聴き返すと「すごく真っ直ぐ歌ってるな」と思いますけど、最近はもっとゆったりというか、テンポを揺らして歌うようになってきて。20代、30代の頃って、一生懸命だったんですよね。その時期が過ぎて、さらに年齢を重ねて……。美里さんとよく話しているのは、「私たちにしかできないことをやろうね」ということなんです。私もそう思うし、美里さんとLINEしていても、最後は必ず「私たちにしかできないことをやろう」という言葉で終わりますね。美里さんのことに話を戻すと、もちろん素晴らしいシンガーですし、さっきも言ったようにとても心根のいい方なんです。すごく真っ直ぐで、曲がったこと、筋が通らないが嫌いで。心が美しい方なんですよ、本当に。
──7月14日の「duoでデュオ vol.1」でも、二人にしかできないことをやろう、と?
そうですね。楽器はピアノ1本なぶん、生の声がむき出しになるだろうなと思っていて。美里さんがライブハウスで歌うのは久しぶりだと思うので、臨場感も楽しんでいただけたらな、と。曲目に関しては2人で一緒に作った曲も演奏しますし、お互いのいいところをギュッと凝縮して、みなさんの心にお届けしたいと思ってます。まだ美里さんと細かい内容までは話していないんですけど、いちばんいい形を探っていきたくて……。私、バート・バカラックがピアノを弾いて、彼が楽曲を提供したシンガーがピアノのそばで歌っているイメージがすごく好きなんですよ。そういうこともやれたらいいなと思うし、とにかく音楽的なものにしたいですね。
──楽しみです!「duoでデュオ」シリーズは今後も続く予定なんですよね?
はい。許される限りやっていきたいと思ってます。私にとっても新しいライブの形だし、提供した楽曲を聴いていただいて、「この人が作ったんだ」と思っていただけたらなと。来てくださる方が「明日もちょっとがんばってみようかな」という感じで笑顔になってくれたら最高だな、と。それはいつも思っていることなんですけどね。
──この3年間はコロナの影響でライブができない時期も続いていましたが、ステージで歌うことに対して、何か変化はありましたか?
2020年もそうなんですけど、1年間、1本もライブができなかった年はなかったんですよ。でも、ライブが思うようにできない時期はつらかったですね。不要不急なんて言われて、「そんな感じなのか」と思ったり。まあ、騒いでもしょうがないので(感染しないように)気を付けてました。あとは自宅で撮った演奏をアップしたり、サックス・プレイヤーの田中邦和くんとリモート・セッションしたり。「またライブができるようになったら、絶対、思い切りピアノを弾いて歌ってやるんだ」と思っていたんですが、久しぶりにお客さんの前で“独奏”をやったときに「そうそう、これをやりたかったんだ」ってウルっときちゃったんですよ。そのときに「私、本当に歌いたかったんだな」って実感しましたね。
──楽曲の制作は続けていたんですか?
はい。NOKKOさんのアルバム(「土器土器」)は全曲の作曲を担当したんですよ。NOKKOさんが「歌詞を送るから、曲を書いてくれない?」と連絡が来て。二人でやりとりしてたら、屋敷豪太さんがプロデューサーとして参加してくれて。ずっと遠隔での制作だったんですけど、それもコロナがなかったら出来なかったことですよね。
──川村さん自身のソングライティング、リスナーのみなさん伝えたいメッセージに関してはどうですか? 
そうですね……。そのときどきで違うところもあると思うんですけど、だんだん生きづらくなっている気がするんですよ、世の中が。SNSは便利だけど、そのぶん閉塞感を感じている人もたくさんいるでしょうし。みんなが感じている息苦しさ、生きにくさ、悩み。それがどこから来てきるのかは人によって違うと思うし、みんなが同じだとは限らないですけど、それでも時代の雰囲気はあるし、それをどかした状態で曲は書けないですよね。
──なるほど。
私としては、どんなに辛いことがあっても、グチャグチャの状況であっても、どこかに希望を見つけたいんですよね。「今日はこんないいことがあった」「よく考えたら嬉しいこともあったな」とか、ちょっとした救いがほしくて。もちろん「そんな甘いもんじゃない」という意見もあるだろうけど、それも受け入れたうえで、「やっぱり私は明日も生きたい」という思いを歌いたい。特に今は「明日は今日よりも少し良くなっているはず」ということを伝えていきたいですね。私はカウンセラーでも何でもないし、そこまで責任は負えないんだけど、心が軽くなるきっかけになれたらな、と。それは私の救いでもあるんですよね。

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