2年ぶりの新曲、「Paradise」「Today」「Midnight Escape」の3曲を、7月中旬から順次配信リリースし、7月16日(日)の川崎CLUB CITTA'から、13本の全国ライブハウス・ツアーに出る川畑 要。ソロの活動に関しては、自身でマネージメント・オフィスを興しての、DIYでの活動が本格化してから2年。「CHEMISTRYと交互」ではなく「CHEMISTRYと同時進行」で、あとYouTubeやアパレルブランドLOCUS等とも並行して、とにかく大車輪で動きまくる彼に、現在の状況と新曲を携えてのツアーについて訊いた。
自分の新しいボーカル・スタイルを、表現して届けたい
──DI:GA ONLINEでのインタビューは2年ぶりで。その時は、独立して動き始めた頃でしたが、あれから2年経って、いかがですか?
川畑いや、楽しいですね。ほんとに……まあ、ケミ(CHEMISTRY)も同時にやれているので。昨日(6月19日)も大阪でライブだったんですけど。ソロとケミを同時に軸として動かしていく、やっぱりそのふたつがあるっていうのが……身体はひとつですけど、すごく充実しているというか、自分には合ってる。止まれないタイプなので。
──CHEMISTRYとソロが同時進行で、かつ、それぞれの活動のしかたが、はっきりと分かれているのがやりやすい?
川畑そうですね。ソロの方は、新曲とかも、「どう出そうか」とか、「何曲作ろうか」とか、そういうのも全部、マネージャーとふたりでやっているので。それが大変な部分もあるんですけど、その分、うまくいった時の喜びは、やっぱり計り知れないし。大変さよりも、大変だけどおもしろい、っていうことの方が勝っちゃっている感じですかね。手作り感がいいというか、これがほんとのリアルなんじゃないかな、と、実感しながらやっています。
──今度のツアー、ここまで細かくライブハウスを回るのは、初めてですよね。
川畑行ったことないところ、初ばっかりですね。だからやってみたかった、というのはあります。昨日のケミのライブも、大阪のBIGCATだったんですけど──。
──CHEMISTRYにしては相当小さいですね。
川畑そこも初めてだったんですけど。やってみて、「ライブハウスの感覚っていいな」って思って。お客さんのギュッとした感じとか。コロナもあったせいで、そういう画を見ることができなかったのもあって……あと、声も出せるので、ライブ感をリアルに感じられて。楽しかったですね。なんか、汗をかくライブをしたいので。ケミって、良い意味で汗をかかないライブが多いんですよ。
──音楽的にはそうですよね。
川畑そう、しっとり行く曲が中心なので。でも、バンドメンバーのひとりが、さっきインスタを上げてるのを見たんですけど。「CHEMISTRYってロックバンドだったっけな?と思うようなステージができた」って書いてくれていて。あ、確かにそうだな、自分たちはしっとりした曲が多いイメージだったけど、全然ライブハウスでできるな、と思って。それでさらに、ソロが楽しみにもなりました。今回のソロのツアー、セットリストを考えてるんですけど、今までとちょっと毛色が変わるんじゃないかな、と思っていて。それは、これから出る新曲3曲を聴いてもらえれば、わかると思うんですけど。「Paradise」はもうライブでやっていますけど、「Today」と「Midnight Escape」は、まだなので。
──2年前に新曲を3曲出してツアーを行った時は、バックはギター/キーボード/DJという編成で、川畑さんがダンサーふたりと踊りながら、ヘッドマイクで歌うライブでしたよね。(レポはこちら、https://diskgarage.com/digaonline/liverepo/155744 )1年前に東名阪のクアトロを回ったツアーは──。
川畑バンド編成でした。で、今回は、DJとギターとベースとキーボードです。新曲の再現性を考えると、そういう編成になりました。今は、ダンス・ミュージック的な方向よりも……新曲3曲のうち、2曲がそうなんですけど、音楽的にはわりとシティ・ポップっぽい……っていうのは、自分の新しいボーカル・スタイルを表現して届けたい、みたいな気持ちが大きくて。そういう新曲を作りたい!と思って、すぐ動いて、作家さんと話して、曲の感じだったり、歌詞の世界だったりを共有しながら、書いてもらったんですけど。
──じゃあ音楽的に「次はこれをやりたい!」というモードに──。
川畑入りましたね。ようやく入りました。新しい歌は、これまで2年間、YouTubeの「歌ってみた動画」しかやっていなかったので(笑)。で、コメントを書かれるじゃないですか。「自分の曲を歌えよ」とか(笑)。「なんだこいつ、腹立つな」と思いながらも、でもなんか、自分に火が点かなかったんですよね。「今作りたい感じもないし……」という。だから、ソロの10周年に入ってからです、「今作りたい!こういうのをやりたい!」ってなったのは。独立して2年経って、状況も少し落ち着いてきたから、というのもあるんですけど。それも含めて、ようやく音楽としっかりと向き合える自分が出てきた感じですかね。だから、新曲を持ってツアーを回って、どう受け止められるのか……たとえば、今まで僕を知らなかった人にも興味を持ってもらえるのか、とか。それがすごく楽しみですね。
ライブしながら自分の声を探している
──今度のツアーで不安なこと、楽しみなこと、それぞれ教えていただけますか?
川畑え?不安はそりゃあ、お客さんが来てくれるかどうかです。いつもあります、それはどんなライブでも。「お客さんがひとりでも関係ないです、全力で歌います」みたいなことを言う人、いるじゃないですか。僕、あれ、嘘だと思っていて。
──はははは。
川畑本当はそんな気持ちじゃないだろう、すげえ傷ついてるだろう、と思うんですよ。僕はそういうタイプなので(笑)。いや、歌いますよ?全力で歌うんですけど、入れるだけ入ってほしいじゃないですか?気にしない、っていうのは、僕は言えないですね。僕は気にする!(笑)。だから、とにかく来てほしいです。足を運んでもらうっていうことが、すごい難しいことだというのはわかっていて、そこは思い通りにいかないもんだ、というのもわかっている。でも、来てくれたら、もう楽しくてしょうがないじゃないですか。「うわあ!」ってなるじゃないですか。こういうライブをやりたい、こういうライブを見せたい、という準備は、できているので。
──では、楽しみなことは?
川畑いや、その不安以外は、楽しみなことしかないですけど……まあ、今回の新曲で自分が試したものが、生で表現できる、っていうのは楽しみですよね。レコーディングとライブは違う、レコーディングそのままの気持ちと歌い方で歌えばいい、ってもんじゃないのがライブなので。そこで、どういうふうに自分がライブでのスタイルをつかんでいけるかっていうことじゃないですかね、楽しみなのは。今でもですけど、ケミのライブをやってても、ライブしながら自分の声を探してる時、あるので。「この歌い方じゃない方がいいのかな?」とか、「どこから声を出せばいいんだろう?」とか、ずーっとライブ中に試してるんですよね。ということに、最近気がついて。
──え、最近?
川畑はい。昔は、ただ精一杯歌うしかなかったんですよ。デビュー当時って。とにかく何もわからないし。でも最近、ようやく歌のコントロールとかが、できるようになってきて、そういうことを考えながら歌える余裕が出てきた。というか、考えながら歌っていることに気がついた。たぶんね、僕、正解がないんですよ。正解がないからおもしろくて。ないからライブ中に「もっとこういう声を出してみよう……うわ、出た!」みたいな時もあるし、「こういう歌い方じゃ、聴いてる人、うるせえんじぇねえかな」とか、「ここはこの声がいいのかもしれない」って試してみるとか、やってますね。そういうのを、ライブ中、ずっとやっている気がします。昨日のケミのライブでもやってました。だから、毎回同じセットリストでやっても、同じ内容にはならないし。やっぱりそこが、ライブの楽しさだと思っているので。
PRESENT
川畑 要サイン色紙を2名様にプレゼント!
受付は終了しました