OBLIVION DUST、2MANライブ「Electric Mirror」フロントマン対談第二弾!KEN LLOYD(OBLIVION DUST)×来門(RED ORCA)

インタビュー | 2023.07.24 18:00

デビュー25周年の2022年に、6年ぶりの新作『Shadows』をリリースし、2022年11月から2023年1月にかけてそのツアーを回ったOBLIVION DUSTが、ネクスト・アクションとして、夏に東京で対バンイベントを行う。
タイトルは「Electric Mirror」、2023年8月2日(水)・3日(木)渋谷・Spotify O-EAST2デイズ。1日目の対バンゲストはNewspeak、2日目はRED ORCA、という、ジャンルや世代を超えた組み合わせでの開催である。
というわけでDI:GA ONLINEでは、その対バン相手との対談を企画した。先日公開したNewspeakのReiとの対談に続く今回は、2日目の方の対バン、RED ORCAのフロントマンで、SMORGASやROSでも活動する来門と、OBLIVION DUSTのKEN LLOYDの対談をお届けします。
──おふたりの最初の接点というのは?
KEN LLOYD(OBLIVION DUST/Vo)ATOM ON SPHEREのライブですね。ライブが終わってからの打ち上げの時に、来門がずっとやんちゃな笑顔を見せてたのは、すごく記憶に残ってるんですよ。5年くらい前かな。
来門(RED ORCA/Vo)確か新宿LOFTで、俺がROSっていうバンドで……いや、SMORGASだったっけな……どっちもATOM ON SPHEREと一緒にやったこと、あるんだよな……。
KEN ROSの時じゃないかな。ライブ終わってから、みんなでワイワイやってて。もちろんSMORGASは知ってたけど、当時は会ったことなくて。
──OBLIVION DUSTとSMORGASって、デビューは2〜3年くらいしか違わないですけど、その頃は接点はなかったんですね。
KENうん。SMORGASは、ミクスチャー系の部類に入っていて。OBLIVION DUSTは、なんだろうな……ミクスチャーっていうよりはロックっていうか……。何が違いなのかわからないんだけど。ストリートではなかったかな、っていう。俺はミクスチャー大好きだけど。
──ああ、SMORGASはストリートだったけど。
来門いまだにストリートですよ。早く這い上がりたいな、と思って。
KENいや、ストリートなのがいいんだって。まあそんな感じで、交わりたかったんだけど、なんか、つながらなかったんだよね。
──RED ORCAはご存知でした?
KENもちろん。名前からしてかっこいいなあと思って。もちろん音楽もいいけど、ロゴもかっこいいし……そういうの、僕、すごい大事だと思うから。グッズもいちいちいいし、センス抜群だな、と思って。
──そういえばRED ORCAは、ギタリストがKENさんのFAKE?と同じですよね。
KENああ、PABLOね。それもあるし、金子(ノブアキ)くんも知ってるし。ベースの子は──。
来門あ、(葛城)京太郎。
KENそうそう。彼は前にYouTubeで初めて観て、「いいなこの人、頭おかしいな」と思って。で、のちにRED ORCAのアー写を見たら、「あれ?このベースの人、あの人じゃないか?でも、髪こんな長くなかったよな」って──。
来門そう、最初、坊主頭だったんですよね。
KEN「同じ人かなあ?あの人だったらすごいバンドだなあ」と思って。
──RED ORCAがどういうバンドなのか、という紹介も、少しはしておいた方がいいですね。
KENうん、していきましょう!
──そもそもは、偶発的に始まったプロジェクトだったんですよね。齊藤工さん、芸人の永野さん、金子ノブアキさん、清水康彦監督が作った『MANRIKI』という映画(2019年)の音楽を、金子さんが担当していて、そのために集まったという。
来門そう、あのトラックを草間(敬)さんとあっくん(金子)が作っていて。「来門、今トラック作ってるから、フィーチャリングで1曲やってよ」って誘われたのがきっかけで、RED ORCAでも声をかけてくれた。あっくんのソロ・プロジェクトがあって、それをライブで、もっと激しい感じで、バンドでやりたいんだ、っていうので、このメンバーで始まりました。
──ただ、始まってすぐ、コロナ禍になっちゃったんですよね。
来門そうなんですよ。最初のツアーの1週間前に、コロナでライブが全部できなくなっちゃって。でも、あの期間があったから、インプットというか……こういう言い方をしたら不謹慎かもしれないんですけど、いろいろ曲を作れた時期でもあるのかな、と思うので。大切な時期だったと思うんですよ、全世界のミュージシャンにとって。だから、あの時経験できたことを、さらにもっとポジティブなものに変えて、俺たちが音楽にできれば、と思っていて。
KEN僕も同じような感じかな。ミュージシャンって、別にライブだけじゃないので。特に僕は、制作の方が好きだったりする部分もあるから。コロナで止まっている間、プレッシャーなしに曲が書けた。バンドをやってると、常にライブをやってないといけないとか、表に出てないといけないっていう、特に最近はSNSとかもあって、コンスタントに情報を出していかないと忘れられちゃう、っていうプレッシャーがあるから。まあ、オブリはそれを感じてないかのようなバンドだけど(笑)、一応、僕は感じてて。でも、コロナがあったことによって、休めた部分もありつつ──。
来門ああ、ですよね。
KEN自分のやりたいことを考える時間もできつつ、制作側にフォーカスすることができた。だから、来門と同じで、僕にとってもすごく大事な時期っていうか。それを言うことはね、べつに僕は不謹慎じゃないと思うんだよね。来門の言うとおり、今のRED ORCAがあるのは、その時期があったからだと思うし。今の僕個人がいるのも、その時期があったからだし。だからたぶん、クリエイターとしては大事な時期だったと思うんですよね。パフォーマーとしては足止めをされてた時期なんだろうけど。
──それぞれにききたいんですけど、バンドを始めた頃と今を比べると、どちらが活動しやすいですか?
来門俺は、キャリアを積んできたんで、今の方がやりやすいと思いますね。気づいたらもう25年ぐらいバンドをやってるので。最初は自分を客観的に見るのが、ちょっと恥ずかしかったりしたけど、キャリアってものはやっぱりでかくて。自分の言い回しだったり、自分の歌声だったりが、たぶん武器になるんだな、っていうのがわかってきた。だから、今の方が楽しくできてますね。
──KENさんは?
KEN……難しい質問ですね。どの角度から考えればいいのか……でも、僕の場合は、来門と逆かなあ。イギリスから日本に来て19歳とか20歳でスタートして、自分のことを誰も知らない中で始めたから、失うものが無かったんですよね。今は、ボーカリストとしてのテクニックや歌に関しては、もしかしたら良くなってるのかもしれないけど、楽しいとか楽しくないは置いといて、経験を積んだから、考えちゃうところもあったりする。あと、まあ、今の音楽業界の感じっていうのは、OBLIVION DUSTのデビュー当初の1997年とは全然違うので。
来門ああ、それはそうですよね。
KENあの頃って、ただいい曲を作って、いいライブをやって、っていうのがアーティストの仕事で。宣伝とかはレコード会社が全部やってくれてた。今は、各バンドが独自の企業だと思うので、そのあたりまで考えて活動しないといけない。正直、SNSは苦手なんですよ。
来門(笑)。はははは。わかります。
KENだから、そのあたりがちょっと、僕にはむいてないかな、と思っちゃう。今の自分がいることや、ここまで25年間も音楽が続けられているのは、本当に感謝しかないんだけど……どの業界もそうだけど、時代の変化と共に自分のやることが変わっていくという部分では、悩まされるところがあったり。
来門そうか。いまだに俺は、失うものがなんもないんで、ヤバいですよ。
KEN(笑)え、でもね、この間、たまたまツイッターを見てたら、来門が子供とセッションしてる動画があって。
来門あ! 見てくれたんですか!
KENそれを見て「こういうことなんだよな!」と思ったんだよね。
来門あはは!子供はずっとニュージーランドに行ってて、次に沖縄に行ってて、最近帰ってきて。俺のことを名前で呼ぶんですけど、「来門、俺、ドラムやってるからセッションしようよ」「え、じゃあ俺の練習に付き合ってよ。RED ORCA、みんな忙しいから誰も練習に入れないから」って、ふたりでスタジオに入って、叩いてもらって。
KENそれを見てさ、「こういうのってすげえいいな」って。来門、SNSとかにむいてるな、と思った。
来門マジですか。最近、インスタのストーリーとかもやり始めて。インスタグラムも、1年ぐらい前にやっと始めたんですけど。PABLOが「RED ORCAでインスタライブやろうよ」って言い出して、「俺インスタやってないよ」「いや、アカウント作ってよ!」って。それでやってみたら、おもしろいなって思って。
KENPABLOはいろいろ手を出すっていうか。詳しいよね。
来門そうそう。さっきグッズがいいって言ってくれましたけど、そういうのもPABLOが決めたものだったり。PABLOはそういうところ、上手なんですよ。バンドをどういうふうに見せていくのか、とか。
KEN熱いからね、PABLO。
来門熱いですね。エスパニョールだから。俺、イタリアなんで、そこが違う。
KEN俺、イギリス人だから、全然熱くないのね(笑)。
来門パブロがスペインと日本で、俺がイタリアと日本で、お互いO型の牡羊座なんですよ。ぜひ、今度一緒に飲みに行きましょうよ。
KENうん。俺だけひとりで皮肉を言ってると思うよ(笑)。
──そうだ、対バンする日のギターは?RED ORCAってギタリストがふたりいて、ライブごとに違うじゃないですか。
来門あ、その日はPABLOです。でも、いつかは、PABLOと同道(公祐)も入れた6人体制のRED ORCAも、やってみたいんですけど。
KENでも、RED ORCAのその、ライブごとにギターが入れ替わるっていう、そういうことができるバンドっていうのは、普通じゃなくておもしろいな、と僕は思った。だから、対バンの日にRED ORCAのライブを観れるのは、本当に楽しみなんだよね。まずそれが楽しみで、そのあと自分たちが負けないようにがんばる、っていう。どうやろうかな、ということを、今、考えています。

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