Eins:Vier、リーダーのLunaにインタビュー。時代も音楽ジャンルも超えた個性的なマッチアップイベント“KATHARSIS 2023”について話を聞いた

インタビュー | 2023.11.28 18:00

──そうして、今年に入ってからはコンセプトライブも行われていましたよね。アインスが1995年7月にメジャーデビューしたあと、自身初のホールワンマン公演として行なった大阪・御堂会館での2DAYSライブをそのまま再現する公演を大阪、東京の2カ所で2DAYS開催されましたが。こちらはやってみていかがでしたか?
これもスタッフから“どうでしょうか、このアイデア”と提案されてやったものなんですけど(笑)。
──これも?
はい(微笑)。でも、やってみたらめちゃくちゃ楽しかったんですよ。全然やってない曲とか、“なんでここにこの曲がくるんやろう?”とかあったんですけど、再現ライブなんで、そのままやりまして。いまサポートしてくれてるドラムの子が驚いてました。“90年代にこんなことやってたなんて、当時のアインスはどんだけトガってたんですか”という感じで。でも、自分たちでもよくこれでメジャーデビューできたなと思いました。
──1995年、メジャーデビューを飾ったシングルは「Dear Song」でしたけど。当時、The SmithsやThe CureなどのUKロックのバックボーンを色濃く出しながら日本語で歌うロックバンドはメジャーのなかでも異色でした。
いまだからいえますけど、あのときはインディーズ時代から俺らのことを知ってる人たちには“魂売ってめっちゃキャッチーになった”って散々言われました。
──インディーズのパワー、セールスともに勢いがあった時代だったので、メジャーデビューして少しでもポップな曲、メロディアスな曲をやると「お前らもメジャーに魂を売ったのか」と叩かれるような時代でしたよね。そんなアインスが、メジャーデビューする前に自分たち主催で、大阪でやっていたイベントが”KATHARSIS”なんですよね?
そうです。当時はまだ“ビジュアル系”という言葉はなかったと思うんですが、関西ではそっち系のイベントがなかったんですよ。それで、僕らは関西でOSAKA MUSE(大阪のライブハウス )と協力して、僕らがプレゼンターになって、MUSEが推薦のバンドもあれば僕が推薦したバンドも入れて。3カ月に1回ぐらいMUSEでやってたのがこのイベントです。
──どんなバンドが出てたんですか?
僕が推薦したのはSilver Roseとmedia youthとSPEED-iDかな。若き日のPENICILLINなんかも出てましたね。
──当時、各地のビジュアル系シーンを華やかにぎわせていたバンドばかりですね。アインス主催なのに、アインスとの音楽的接点が1ミリも感じられないようなバンドばかりですが。
そうです(笑)。サウンドのジャンルで探そうと思ったら、他にはいないから。だから、出てもらったら盛り上がりそうなバンドとか、一緒にやってやりやすい友達とか知り合いのバンドに“出てよ、出てよ”って言って出てもらってましたね。
──それを今回、令和に復活させてみようと思った動機は? これもスタッフさんの企画ですか?
いえ。最初に“やろうよ”っていったのは僕かな。ワンマンばかりの動きだけでは面白くないから、イベント的なものもやりたいなというのが動機です。それで2020年に計画したときも声をかけてたGargoyleとValentine D.C.を誘って。あ、違うか。Gargoyleはリハスタで隣りのスタジオにいたんですよ。たまたま。Valentine D.C.のJun(Ba)をサポートに入れて、向こうもリハをやってたんです。そこで“久しぶり”ってなったときに、GargoyleのKIBA君(Vo)に“いいイベントあったら誘ってよ”ってすっごい言われて。それで誘ったんだ。それならウチとGargoyleとValentine D.C.の3バンドでやるのが一番収まりもいいから。
──それで、1日はAfterZERO所属のバンドで揃えようと。
ええ。でも、あれだけ“誘って”っていってたのに、なかなかKIBA君から返事がこなくて。なんでやろう?と思ってたら、せっかくアインスとやるんやったらなにかスペシャルなことをしたいというので、元メンバーのTOSHI(Ba)君に声をかけてて。その返事をもらうのに時間がかかってたみたい。なので、2日目のGargoyleのステージは、TOSHI君が出ます。あと、Gargoyleは1500本目のライブが年明け一発目らしくて。なのに、僕らのイベントを加えてしまったら、新年のライブが1501本目になってしまうというので、たぶん俺らのイベントに出るために、ライブの本数を調整してくれたんやと思います。
──そこまでやってくれるGargoyleさん、本当に愛を感じますね。ありがたい限りです。Valentine D.C.はValetine D.C.で、連絡したら即答で“出るよ”と言ってくれたし。ありがたいです。
ありがたい限りです。Valentine D.C.はValetine D.C.で、連絡したら即答で“出るよ”と言ってくれたし。ありがたいです。
──では1日目の出演バンドがメリーとH.U.G.になった経緯も教えてもらえますか?
H.U.G.はryo(Vo)君にずっとアインスのデザインをやってもらってて。そういう繋がりもあったので誘いました。メリーはスタッフの紹介ですね。アインスをめちゃめちゃ好きなメンバーがいるらしくて、それでオファーをしたら“ぜひやりたい”と言ってくれたんです。
──その結果、1日目はアインスよりも下の世代と、2日目は同世代の盟友たちと、という構成になりました。
盟友どころか、大阪BAHAMA(大阪でロックの聖地といわれていたライブハウス)で同じ時代にやってましたからね。BAHAMAのAfterZEROには俺らとGargoyle、Valentine D.C.を含めて5バンドしか所属してなかったんですけど。そのうちの4バンドはメジャーデビューまでいったんですよ。凄いですよね。
──しかも、その3バンドがいまも音楽活動を行なっていて、12月23日、赤羽ReNY alphaに集うとうのがなんとも胸アツじゃないですか。
ねっ。これも、みんな音楽を辞めてなかったから集えるんですよ。アインスも解散した後、ドラム以外は音楽を辞めなかった。元々フロントの3人から始まったバンドやったし。それで復活ができた。音楽を2人しか続けてなかったら、この復活はなかったと思います。
──そこからアインスというバンドの第二の人生が動き出した。
でしょうね。昔はもっと自分自身、気負ってやってたんですよ。アインスを守ろうとしてピリついてました。メジャーでは数字(セールス)が出ないと発言権も得られないので、すっごい数の曲を書いたんですけど、持っていっても何度“もっとシングルにふさわしいええ曲を書いてきなさい”って言われたことか。あと、俺は曲をいじられるのもすごい嫌やったんですよ。だけど『Song remains the same』(メジャー1stミニアルバム)ではいじられて。御堂会館でやった曲もここには入ってるんですけど、いまは全部自分たちのアレンジに戻してやってます(笑)。それで3枚目のアルバム(『timeless words』)で、いまはもうお亡くなりになった佐久間正英さんと出会いまして。佐久間さんがプロデューサーになったときは“これがプロの仕事かと思うぐらい衝撃を受けました。自分が描いたものよりも、よくなるんですよ。曲とかもメロディーはいじらず“ここのコード進行、こうしたらどう?”って自分が思いつかへんものを教えてくれて。これがプロの仕事やって拍手喝采でした。そのあとヒロちゃんの脱退が決まったあと、ベスト盤(『UNTITLED』)のボーナストラック(Disc:3)だけ新しくレコーディングしたんですけど。それは、L’Arc~en~Cielとかのプロデューサーをやってらっしゃった岡野ハジメさんだったんです。そのときも岡野マジックを間近で体感して。メジャー後半は、充実したレコーディングをさせてもらいました。

Eins:Vier. Live2021 / 碧い涙 ~ Passion

──イベントに参加する方々は、当時どれだけEins:Vierのサウンドがとがっていたのか、シーンのなかでどれだけ異色だったか。これらの作品を聴いて予習をして、参加して欲しいですね。ということで、計画から3年越しのリベンジ開催となる“KATHARSISI 2023”。こちら、どんなイベントにしたいですか?
当たり前ですけど、思いっきり楽しい2日間になるやろうなと思ってますね。2日間とも全然カラーが違うイベントになるので、僕らもセットリストは日によって変えようかなと思ってます。2日目のアンコールだけはもうヒロちゃんと相談して決めてるんですよ。いつも僕らはみんなで「In your dream」を歌いがちなんですが、今回はあえて別タイトルを歌おうと思ってますので。そちらも楽しみにしてて欲しいです。
──初めて参加する方に、なにかアドバイスはありますか?
昔はイベントっていったら1人でも客を奪ったれという感じでしたけど、いまはもう全くそういうものはないので。仲良く、和気あいあいな感じでやってますので、初めて来るお客さんも緊張せず、楽しんでください。
──それでは最後にメッセージをお願いします。
嫌でも盛り上がる2日間になると思うので、アインスファンのみなさまは、選り好みせずにちゃんとどっちも来て欲しいです。“Eins:Vier Presents”ってついてるんやから、まず君らが来ないでどうするねんって。君らと僕らで“Eins:Vier Presents”なんやから、2日間来て、それぞれの日に出てくれる2バンドも盛り上げてくれ、と。僕らが呼んだんだから。なので、アインスファンのみなさまは赤羽に泊まって赤羽を満喫すればいい。もしかしたら俺も居るかもしれないし(微笑)。

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