えんぷてい、5人編成後での初インタビュー!新作『TIME』と初東名阪ツアーへ向けて、一人ひとりに語ってもらった

インタビュー | 2024.04.11 18:00

名古屋で結成された5人組・えんぷていが初の東名阪ワンマンツアーを開催する。昨年12月にドラムの神谷幸宏とベースの赤塚舜がメンバーとなり、初めて5人編成で制作されたニューアルバム『TIME』は独自の平熱感やサイケ感はそのままに、よりポップに、よりエモーショナルに、間口を広げた素晴らしい作品。流行り廃りのない普遍的な良さ、どの世代の人でも繰り返し再生して追体験したくなる「TIMELESS」=「時間」をコンセプトに、SF的なモチーフをちりばめた歌詞も、バンドの記名性を強めている。この日はメンバー5人での初取材ということで、『TIME』に込めた想いを一人ひとりに語ってもらった。
──まずは昨年末にメンバーになった2人との出会いと、加入に至る経緯を教えてください。
奥中康一郎 (Vo,Gt)ベースの舜は大学の軽音部で先輩後輩として出会って、僕がギターを弾いてるところを見て、軽音部に入ってくれたみたいで、コピーバンドを一緒にやったりとかして。そこから2019年の12月にえんぷていの一番最初期の形になる学内のバンドを結成したんですけど、そのときに(赤塚が)リードギターを担当していたんです。なので、「煙」っていう初期の曲とかは一緒にやってたよね。
赤塚舜(Ba)あれはギター弾いてましたね。
奥中その後、コロナ禍で学内での活動が規制されてしまったので、学校外に活動を広げようってなったタイミングで、高校生のときからの知り合いの石嶋くんを鍵盤に呼んで、新しくバンドを組み直したんですけど、舜は運転とか物販とか、活動のサポートをずっとしてくれてたんです。で、2021年にリズム隊のメンバーを公募したときに、それまでベースはあんまりやったことがなかったけど応募してきてくれて。えんぷていに入るために練習したんだよね?
赤塚そういうことですね。

奥中康一郎

赤塚舜

──奥中くんはもともと先輩だったし、えんぷていもずっと見てきたから、「ベースでもいいからこのバンドをやりたい」と思った?
赤塚そうですね。最初期はメンバーとしてやってたし、スタッフとしてもずっと関わってた中で、「メンバーを公募するらしい」っていうのを聞いて、あんまり他の人がベースをやってる印象が自分の中で湧かなかったので、ダメ元でやってみるかって思ったのが最初でした。
奥中そこからまずサポートをしてもらうようになって、僕らと一緒のタイミングで上京して。ファーストアルバムの東名阪ツアーを2023年4月にやって、そのときはもう一人サポートベースをやってくれる方がいたんですけど、名古屋と東京で舜がベースを弾いてくれて、それが終わってからメンバーとして加入することが正式に決まって。12月7日に発表という形だったので、メンバーとして入ることが確定しているのに半年以上ずっと隠してる感じでした(笑)。
──やっぱりバンドのことをずっと見てきたから、ベーシストとしては歴が浅くても、バンドの楽曲に対する理解力が高かったんでしょうね。
奥中ストーリーへの理解というか、やってきたことをほとんど見てるので、いろいろ乗り越えていく段階とか、精神的な変化があったときに、メンバーではなくともめちゃめちゃ関わっていて、関係性がすごく良かったんです。プレーヤーとしては、最初はどうしても初心者なので、まだ整ってない部分がありましたけど、それもツアーとかで急成長して、今はバンドのアンサンブルをすごく理解してくれる、必要なピースになってくれました。
──その一方で、神谷くんとの出会いは?
神谷幸宏(Dr)もともと顔見知りではなくて、2020年の11月末に突然奥中から「サポートドラムお願いしたいんですけど、やってくれませんか?」みたいなDMが来たのが事の発端ですね。それから曲を聴いて、よさそうだなと思って、2021年の1月からサポートをやりだした感じです。当初は別のバンドもやってたので、正規メンバー云々とかは全然考えてなかったですけど、ときが経つにつれて、えんぷていに対する熱意が自分の中でどんどん上がってるのは自覚していて。上京したときもまだ正規メンバーとしてやるのは決まってなかったですけど、いざ東京に来て、活動していくにつれて、やっぱりえんぷていを今後も末永くやっていきたいなっていう思い……でしかないなっていうのに気づいて、「正規メンバーになりたいです」と伝えました。さっき話に出た東名阪のツアーが終わって、今回の『TIME』に入ってる新曲ができ始めた頃、それに対する手応えも感じていたので、決意しました。

神谷幸宏

奥中神谷くんは年も近いし、共通の友達がいたりもして、人間的な波長が合うのかなっていうのは、最初に会ったときから思ってて。当時はThe Shiawaseっていう名古屋のバンドで活動してたんですけど、上京するタイミングでそのバンドは抜けて、それはドラマーとしてもっと成長したいっていうのが理由だったそうなので、もともとは僕らと一緒にやるためじゃなかったと思うけど……。
神谷いや、でもそれも理由のひとつではあったよ。当時はベースだけじゃなくてドラムも公募してたんですよ。で、何人か候補がいたけど……。
奥中すでに神谷くんが爪痕を残しすぎていたので、そこをカバーできるドラマーとはお会いできなかったんです(笑)。
──2人が加入したことによるバンドの変化について、比志島くんと石嶋くんはどう感じていますか?
比志島國和(Gt)プレイももちろんなんですけど、それより個人的により実感として強かったのは、ライブ後の物販でメンバーがお客さんとお話したりすると思うんですけど、神谷くんと赤塚くんがサポートとしての対応じゃなくて、正規メンバーとしての対応をしているんだと思ったときに、「えんぷていの人になってくれた」っていうのを一番強く感じました。
石嶋一貴(Key)この5人になってから、バンドとして本当に切り替わったよね。「これから本気でやっていくぞ」っていうムードがちゃんと出来上がった。もともとの3人はそれぞれ個性が強くて、その真ん中がえんぷていみたいな感じだったんですけど、この2人が入ったことによって、バランスが取れたっていうのもあるし、メンバーになってから客観的な意見も出してくれるようになったので、バンドとしても視野が広がったかなと。3人のときは、それぞれがやりたいことをやってるみたいな感じだったんですけど、バンドとしての結束力が高まって、同じ方向を向きやすくなりましたね。

比志島國和

石嶋一貴

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