みんなに愛されるために、音の優しさについて考えるようになりました
先日、さだまさしさんのライブを見に行って、その前に薬師丸ひろ子さんも見に行ったんですけど、どちらも大御所なので、お客さんもご年配の方が多いんですよ。バンドでやってるんですけど、音量が程良い感じで、そういうこともちょっと考えていかないとな、っていうようなところに行ってます。今は。
僕たちはクラブミュージックみたいなことをやってるけど、音量が程良いねっていうところもある程度狙っていかないと、暴力になってしまう可能性があるなっていうのは思いました。そこはこれから考えていきたいので、今回のZeppツアーが、もしかしたら音量の圧力で勝負する最後の戦いかなと思ってるんですね。ここからはちょっと落としていきたいっていう話もしていきたいなっていうか、みんなに愛されるために、そういう音の優しさについて考えるようになりました。
──大事な話だと思います。特に、大人のリスナーに聴かれるためには。
さださんや薬師丸さんのバンドの音は、僕の耳には小さく聴こえたんですよ。でもずっと聴いてられるんですよね、2時間半とか。「これがもしかしたら日本の基準なのかな」とか思い出して、最近見たwacciさんのライブも、そんなに鋭い音は出してなかったし。たとえばZeppの1階フロアの真ん中ら辺で、オカンが見てるとするじゃないですか。そんなイメージをしたら、まず気を使うのは足腰ですけど、音量だなとか、MCのテンポ感だなとか、そうなってきますよね。そこで根底に愛を持ってやれば、心遣いにできるかな?っていう感じがしてます。
──素晴らしい。ベリーグッドマンの3人はもちろんもう大人ですけど、どんどん大人のアーティストになっている感じがとてもします。
このタイミングでさださんとかを見に行けてよかったなと思うし、もっと勉強してくればよかったというか。僕は人のライブを見るのが苦手だったんですよ。
自分でも理由が定かではないですけど、たぶん影響されすぎるんじゃないか?っていう怖さがあったということだと思います。そっちに振り切っちゃう気がして、目をそらしてしまってたなって、ちょっと後悔してますね。もっと自分の足で行って、耳で聴いて、目で見てっていうのをやらないと、どんどん自分の世界や感覚が狭くなっていくなと思うんで。でも今は、そういう大御所の人たちのやってきたことや、旨味とかを、真似してみたいなと思ってますね。
さださん、MCがめちゃめちゃおもろかったんですよ。コントみたいな漫談みたいな、落語の世界ですよね。
──あの人と比べちゃダメです(笑)。でも、そういう意識に目覚めたベリーグッドマンの未来はすごく楽しみですね。新しい時代が始まってる気がします。
でも2025年の僕は、ゲッターズ飯田さん的にめっちゃ運気悪いんですよ。
めっちゃ悪いんです。2023年、2024年が最高潮らしくて、最高潮の次はやっぱり落ちるんで。だから謙虚に行こうと思ってます。
お客さんもみんなで歌う、っていうのが、僕が今ベリーグッドマンで一番やりたいこと
──ツアーで、ミニアルバムや最近のシングルの曲が聴けるのを楽しみにしてます。個人的に「Wonderful Days」が好きなんですよね。軽やかで優しくて、すごくいい曲。
ありがとうございます。ライブでめちゃくちゃ難しいんですけど。あの曲は、僕がゴスペルにハマった時期があって、甲子園の前の夏ぐらいから「ゴスペルっていいな」って思い始めて。で、この話は別に言ってもいいと思うんですけど、まだ事務所には言ってないことがあって、バックDJのMANA-Bもコーラスで入ったらいいんじゃないか?って。サビだけMANA-Bも歌ってるみたいな。
──四声になるってことですよね。それは絶対かっこいい。
そう。MANA-Bくん、絶対暇でしょって。20曲ぐらいワンマンやってて、ずっと手挙げたり振ったりしてるだけで(笑)。あの人が忙しいのって曲と曲の間だけなんで、もしかしたら歌もやってもらうことになるかもしれない。「この人がバックコーラスになりました」とか、紹介することは別にないんですけど、ちょっとそれ面白いなみたいな、熱量変わるんじゃないか?って思うんですね。
で、最終的には、30人ぐらいでステージで歌う曲もあっていいかな?と思ってるんですよ。それを教えてくれたのはゴスペルというジャンルで、ある日から、プレイコードっていう、祈りのコード(ゴスペルで使われるコード進行)っていうものをちょっとずつ学びだして、まだ突き詰めてないんですけど、今の時点ですでに深さとシンプルさを感じ取ってて、「なるほど」っていう感じがあって。「結局音楽って、邪魔をしないものなんだな」みたいな感じですね。お祈りの時に邪魔をしないように弾くピアノやコードがあって、何のためか?と言うと、それは祈りを深めるためだと思ってて。「本当の応援がそこにあるんじゃないかな」って、僕は今思ってるんで。もちろん僕がゴスペルシンガーみたいに歌がうまくなることは絶対ないんですけど、ゴスペルの勢いとかポテンシャルをベリーグッドマンに落とし込むっていうのは、僕の中では甲子園前から始まってる感じです。
──その感覚って、12月に出たばかりの新曲「花よりも花を咲かせる土になれ」にもある気がします。
僕の中では、サビを3人で一緒に歌ってるっていうのがすごく大切で。「みんなで歌う」っていうのが僕は好きなんですよ。みんなで歌った時点で、誰かが突出してうまいとか、そういう世界ではなくなるわけじゃないですか。その感じがいいというか、僕は冗談でずっと、「どんなアルバムになりましたか?」ってインタビューされたら「ばら寿司みたいなアルバムです」ってよく言ってたんですけど、ほんまにばら寿司のイメージなんですよね。シイタケだけがうまいとかじゃなくて、酢飯もうまいし、錦糸卵もいいし、なんかピンクのふわふわしたやつとかもあって。でもばら寿司ってそんなに人気なくて、握り寿司の方が人気だと思うんですけど、じゃあばら寿司はなぜ消えないのか?っていうことなんですよね。そこにめちゃくちゃでっかいヒントがありそうな気がして。
今の時代って、みんな究極の一貫を握ろうとしてるけど、昔ながらのばら寿司やちらし寿司を作る感覚でみんなで歌う、みんなの味がするっていうのが、僕が今ベリーグッドマンで一番やりたいことなので。たとえば「祭りのあと」も、ずっとユニゾンで頭からケツまで歌ってるんですけど、この前リハーサルで歌った時に、HiDEXがハモろうとしてたんですよ。僕とMOCAがメインメロディを歌ってるから、自然と上でハモろうとしたけど、「ヒデ、下に降りてくれ」と。「ここはユニゾンで3人でやりたいんだ」って言って、やった時の、4人めのベリーグッドマンが出てきてる感じがすごい泣けるというか。それをお客さんも歌ってほしくて、会場内で一緒に歌ったとしたら、何十人何百人で歌うこの歌って、 絶対にCDでは聴けない最高の瞬間だなと思うんで。そこなんですよね。そこの指揮を振りたいって、僕はリーダーとして思ってます。
甲子園での「ハイライト」とか、もう時間が詰まってるのに無理やり「みんなで合唱させてくれ」って言って歌ったやつが最高だったんですよ。寒いし、声もちっちゃいけど、ふわーっと響いてて、寒い真っ暗な甲子園球場に湯気が立つような感じで、♪ずっと描いてた~っていう、あの感じは鳥肌ものでした。それが毎回ライブでできたらええのになって思いますね。
──やれると思います。それはきっと、会場が大きいとか小さいとかは関係ないですね。さぁ、そして現在制作中、2月26日にリリースが決まったニューアルバム『サンキュー』。どんな作品になりそうですか。
ほぼできていて、総仕上げの最中なので、「こんなアルバムです」っていうのは100%では言えないんですけど。なんとなく、本当の意味でのベリーグッドマンらしい1枚ですかね。いろんなジャンルが入ってるんで、ベリーグッドマンという人間味がぐっと入ってるんじゃないかな?と思うんですけど、カッコをつけるなら『サンキュー』という感じで、結構真面目なベリーグッドマンって感じかもしれないです。僕ら、ふざけるのは大好きなんですけど、『サンキュー』に関してはふざける要素をあんまり入れてないで、今回はマジで行こうっていうような感じかもしれないですね。ベリーグッドマンのルーツも感じれるし、人柄も感じられるしっていう、「らしい1枚」ですね。
「ここに戻ってきた」っていう感じもあります。ARIGATO MUSICっていうところの所属で、2016年3月9日にメジャーデビューして…という、いろんな意味を込めた『サンキュー』なんで。原点回帰じゃないけど、1周してきてるかもしれないっていう感覚はあります。
──たぶん一生で一回しか使えないタイトルですよね。『サンキュー』って。
そうですね。「ありがとう~旅立ちの声~」でデビューして、『サンキュー』っていうアルバムを出したら、あとはもう向こう10年走りきるしかないですね。また同じように。
──ツアーでは、アルバムからの曲もやってくれますか。
アルバムからはまだわからないですけど、『Party Party Party』の曲は全曲やります。いや、ごめんなさい、「タンスの前でダンス」だけは、ふわっとしかやらないです(笑)。
──1分しかないですからね(笑)。でも盛り上がりそう。とにかく12月28日から始まるツアー、楽しみにしてます。そしてゲッターズ飯田さんの予想に負けず、いい年にしてくだい。
PRESENT
タオル(非売品)を3名様に!
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