つるの剛士、50歳記念ライブ”50th!!”は「自分の活動の31年と人生の50年とを振り返るようなライブにできたらいいなと思っています」

インタビュー | 2025.05.07 19:00

つるの剛士の50歳(誕生日は5月26日)を記念して、5月31日に東京・日本橋三井ホールでワンマンコンサート「つるの剛士 50歳記念ライブ"50th!!"」が開催される。このライブには、彼の音楽活動や芸能活動と深い関わりのある人々が、ゲストとして参加する予定だ。5月上旬の時点で発表されているのは、河相我聞、野久保直樹、世良公則の3人。楽しくてにぎやかなステージになるのは間違いないだろう。と同時に、デビューしてからこれまでの軌跡や今後の展望が見えてくるステージとなりそうだ。つるのに、50歳記念ライブについて、さらに参加するゲストについて、話を聞いた。
──「つるの剛士 50歳記念ライブ"50th!!"」の"50th!!"の読み方を教えてください。"フィフティース"ではないんですよね。
"ごじゅうっす!!"ですね。そのままです(笑)。
──今回のステージについて、イメージしていることはありますか?
芸能生活31周年でもあるので、自分の活動の31年と人生の50年とを振り返るようなライブにできたらいいなと思っています。ゲストもたくさん来てくださるので、皆さんのお力添えをいただき、トークも交えて、楽しい夜にしたいです。注意しなければいけないのは、トークが長くなりすぎないようにすること(笑)。僕自身、とても楽しみにしています。いろいろと構想を練っている最中なのですが、とにかくにぎやかな、そしてアニバーサリーな夜にしようと考えています。
──まもなく50歳を迎えます。この年齢については、どう感じていますか?
50歳になるのを、ずっと楽しみにしていました。50歳になったら、さらに楽になれるんじゃないかなと。
──楽になれるというと?
30年以上も活動していると、まわりの皆さんも、僕がどういう人間なのかは、わかっているだろうし、僕自身、背伸びする必要はないと思っています。50歳になると、さらにありのままでいける気がするんですよ。そもそも、ここまで来たら、変えようと思っても変わらないでしょうし、これからさらに等身大でいけるなと思っているので、そこが楽しみです。この節目の瞬間を、ファンの皆さんと共有できるのは、ありがたいことですね。
──どんな編成のステージになりますか?
バンドでのステージです。
──2月11日の電大とのコラボレーションライブ、「電大260000V 電撃!神田明神 LIVE 2025」でも、バンドの一員として、歌い、演奏している印象を受けました。つるのさんもとても楽しそうでしたよね。
真ん中に立って歌わせていただくのは、大変恐縮でしたけど、とても感慨深かったですね。"このメンバーの真ん中に立っているのってすげえな"って感じながら演奏していました。多分、中学生の自分があのステージに立っている自分を見たら、ひっくり返ると思いますね。自分的にはハードルがかなり高かったのですが、やってみたらとても楽しかったです。
──5人編成のバンド(つるのさんと、電大の川西幸一さん、手島いさむさん、EBIさん、サポートの村原康介さん)のようでした。
改めて感じたのは、電大の皆さんの柔軟性の素晴らしさですね。あれだけのキャリアを持ちながら、まったく頑なではなくて。超ベテランなのに、子どものように無邪気かつ自由に音楽を楽しんでくださっているんだなと実感しました。とても勉強になりましたし、僕も柔軟に活動していけばいいんだなと思えました。
──今回のバンドのメンバーは?
僕がプロとして音楽活動をスタートした2009年に、カバーアルバム『つるのうた』と『つるのおと』をリリースして行ったツアーのメンバーが集まったんですよ。僕も懐かしいですし、当時から応援してくださっているファンの皆さんにとっても、懐かしいと感じていただけると思います。初心に返るステージであると同時に、50歳から次に向けたステージにしていきたいですね。
──初期のバンドのメンバーは、当時、どのような基準で選ばれたのですか?
同じくらいの年代の仲間たちなんですよ。芸能活動を始めた頃は、歌うなんて夢にも思っていなくて。羞恥心を組んだ流れがあり、歌うことも好きだったので、カバーアルバムを出したところ、たくさんの人に聴いていただきまして、アマチュアバンドでライブハウスでしかやったことのなかった人間が、いきなり5000人クラスのホールを回ることになったんですね。その時に、メンタル面も含めてサポートしてくれたのが、初期のバンドメンバーなんですよ。
──音楽だけでなく、人としても通じ合っていたメンバーなんですね。
そういう意味でも思い入れがありますね。そのメンバーと今回、一緒にステージに立てるのは、とてもうれしいことです。しかもほぼ同級生なので、みんなで一緒に50歳を祝いたいです。
──"50th!!"って、つるのさんのことだけじゃないんですね。
そうです。今回ゲストで参加してくれる河相我聞も、僕と誕生日が2日違い(1975年5月24日)なんですよ。だから、彼とも50歳を一緒に祝いたいです。
──河相我聞さんとは19歳の頃に出会い、河相さんの家に居候していた時期があったとうかがっています。どのような出会いだったのですか?
彼が主演のドラマ『青春の影』に僕がエキストラとして出演したのが、初めての出会いですね。でも会う前から、この人と友達になるんだろうなという勝手な直感がありました。当時、僕が通っていた養成所で、ドラマの台本を渡されてキャストを見たら、主役が我聞で。その時に、"この人とようやく出会えるな"と思ったのを覚えています。
──運命的な出会いだったんですね。
ドラムのスティックを持って、現場に入って、休憩時間にバタバタやっていたら、我聞が話しかけてくれて。彼はドラムをやっていたので、彼がドラム、僕がベースで一緒にスタジオに入って、セッションをするうちに仲良くなって、彼の家にちょくちょく遊びに行くようになり、「めんどうくさいなら泊まってきなよ」みたいな感じで、僕の荷物が増えていき、気が付いたら一緒に住んでいたという(笑)。ともに音楽好きで、誕生日も2日違いの同い年ですし、自然に仲良くなった感じです。
──性格的に共通するところがあるのですか?
どちらかというと、真逆ですね(笑)。我聞は石橋を叩いて渡るようなタイプで、几帳面なんですよ。僕は無謀で適当(笑)。思いついたら、すぐにやってしまうタイプ。互いに自分にないところに惹かれたのかもしれません。彼のラジオ番組で、コーナーを持ったら、たくさんの人が聴いてくれて、彼の事務所の社長の紹介で、現在の事務所に入ったいきさつもあります。
──河相さんとの出会いがあったから、現在があるわけですね。
彼と会ってなかったら、芸能界には入っていなかったので、50歳記念ライブには絶対に出て欲しいなと思っていました。連絡したら、二つ返事で「いいよ」と言ってくれて、「せっかくだから、一緒に演奏しようよ」と話しています。実は僕はまだ我聞と一緒のステージに立ったことがないんですよ。出会ってから32年越しでステージでの共演が実現するという(笑)。
──どんな曲を一緒に演奏する予定ですか?
2人に共通する思い出の曲をやる予定ですが、曲名は内緒です(笑)。
──羞恥心のメンバーの野久保直樹さんもゲストとして出演する予定です。羞恥心としての活動は、2008年がメインで、活動期間は短かったですが、濃密な時間だったのではないですか?
羞恥心は、自分の中では切っても切れない存在というか、ここを語らずして、何も始まらないというくらい、大きな存在なんですよ。羞恥心をきっかけとして僕のことを知り、今も応援してくださっている方もいますし、羞恥心のメンバーにも来てほしかったので、ノック(野久保さん)に連絡したら、即、「いいよ」って言ってくれました。ノックはしばらくロスを拠点としていたんですが、少し前に日本に帰ってきたので、ファンの人たちも喜んでくれると思います。
──野久保さんとは、どのような付き合いだったのですか?
ノックは5歳年下なので、弟みたいな存在でありますが、忙しい時期をともに過ごしてきたので、一緒に戦ってきた戦友みたいな感覚もあります。自分にとっては、とても大切な仲間なので、ゲストとして参加してもらえたことをうれしく思っています。
──羞恥心として発表したナンバーも演奏することになりそうですね。
やりたいですね。当時の楽曲を歌ってどんな気持ちになるのか、自分でも楽しみです。ただ、当時の衣装を保管していなかったので、ないんですよ。そこをどうするか、いろいろと考えています。
──世良公則さんがゲストとして出演することも発表されています。2015年には、世良公則 featuring つるの剛士という名義で、「いつものうた」もリリースしています。その時よりもかなり前の2009年に、NHKの番組『旅うた』で共演してから、お二人の交流が始まったんですよね。
そうなんです。世良さんって、僕らの親世代のレジェンドじゃないですか。親父が車でツイストの曲をよく流していたので、曲もよく知っていました。それだけにお会いするまでは、怖いイメージがあったんですよ。ところが、番組でご一緒させていただいたら、とても優しくて、よくしてくださって。初めてお会いした時に、Gibsonの LG-1(1940年代から1960年代にかけて製造されたスモールボディのアコースティックギター)を持っていったら、世良さん自らチューニングしてくださったのを覚えています。番組に一緒に出演させていただいた際に、厳島神社の鳥居の前で、潮が引いている時に、「燃えろいい女」を一緒に歌わせていただきました。
──それはすごいシチュエーションですね。
世良さんを前にして思い切って歌ったら、「すごいパワーがあるね」って誉めてくださったんですよ。あの時の言葉とあの光景は、忘れられません。その時からのお付き合いで、僕のアルバムにも参加していただいたり、奥田民生さんが作った世良さんの曲に、参加させていただいたり、世良さんのライブに出させていただいたり。音楽だけでなく、プライベートでもよくしてくださって、家にうかがったり、一緒に陶芸をしたりもしています。おこがましい言い方ですが、僕にとっては、最高の兄貴分でもあるんですよ。
──「いつものうた」のMVでは、つるのさんが世良さんを撮影しているシーンもあって、親密さも伝わってきました。
今回も二つ返事で、「もちろん行くよ」って受けてくださって、ありがたいなと思っています。
──世良さんとは過去にもステージで何度か、共演されています。同じステージに立って、一緒に歌ってみての印象は?
一緒に歌っていると、世良さんのパワーのすごさを感じるんですよ。世良さんも、「一緒に歌っていると楽しいよ」と言ってくださって、ありがたいことだなと思っています。世良さんからは、喉のケアの仕方も教えていただきました。
──どんなケアの方法なのですか?
僕はボイトレにも行ったことがないので、喉のケアの方法を知らなかったんですよ。ツアーのたびに喉を潰しては、病院でステロイドの入った薬をもらっていました。それで世良さんに相談したら、「それは良くない」と言われまして。その時に教えていただいたケアの方法は、ライブが終わったら喉をすぐ冷やすこと、アイシングすることだったんですよ。
──プロ野球のピッチャーが登板直後に肩をアイシングをするのに似ていますね。
喉も筋肉なので、一緒なんだと思います。そのケア方法を教えていただいてからは、ずっと実行しています。それからは、喉を潰すこともなくなりました。
──50歳記念ライブでは、「いつもの歌」もやるのですか?
いや、どうなるか、わかりません(笑)。せっかくだから、フィーチャリングではない、世良さんの歌を歌いたいという気持ちもありますね。初めてお会いした時の歌とか、特別な思い出のある歌を歌えたらと思っています。
──ゲストの方々についてのお話をうかがっていると、さまざまな人との繋がり、縁みたいなものがあったからこそ、50歳のステージを迎えられるのだなと納得しました。
音楽だけでなく、いろいろな活動の中で数多くの方と出会って、刺激や影響を受けてきたからこそ、今があるわけで。ステージに立ちながら、そうした縁の大切さも感じたいですね。
──ゲストの方々の振り幅もとても大きいです。
多分、この他にもいろいろなゲストが来てくれると思います。なので、当日はかなり忙しくなると思いますが、その忙しさも含めて、アニバーサリーを楽しみたいです。
──観にくる方々にメッセージをいただけますか?
「ありがとうごさいます」という言葉に尽きますね。31年、50歳、皆さんと一緒にお祝いして、自分だけでなく、皆さんにとっても、記念の日になったらうれしいです。「今までありがとうございます。これからもよろしくお願いします」というライブにできたらと思っています。
──50歳からの抱負を教えてください。
そろそろ健康に気を付けなきゃいけないなと思っています。先輩の皆さんが元気で活動されているのは、日頃からの努力があるからなんですよ。僕は今までは若さで突っ走ってきましたが、これからはそうもいかないと思うので、体のことを考えながら、日々を過ごしていく所存です。人生を考えた場合にも、子どもも大きくなってきましたし、自分自身ともっと向き合いたいという気持ちも強くなってきました。「自分とは一体何なのか?」「どうして今、ここに立っているのか?」ということも考えるようになってきました。
──節目のコンサートであると同時に、未来に向けてというニュアンスもありそうですね。
これまでの人生は前フリに過ぎないと思っているんですよ。自分の中で抑圧していたものも解き放って、より自由になっていくだろうし、ここからが自分の人生の本番が始まるので、楽しみです。
──これまでも多彩な活動をされてきていて、自由という印象がありますが、さらに自由になっていくということなんですね。
これまでも偶然を大切にしてきましたが、さらに大切にしていきたいですね。昔の僕からすると、ステージに立って歌っているなんて、夢にも思っていなかったことなんですよ。偶然が繋がったからこそ、今ここにいるのだと思っています。偶然が起こった時に、その波にしっかり乗っていくことが重要なんですよ。
──偶然の波に乗るためには、どんなことが必要ですか?
サーフィンと一緒ですね。体力をつけて、波に乗るためのサーフボードを用意し、準備を怠らないことが大切だと思います。波に乗ったはいいけれど、波に飲み込まれたらアウトですから、"波に乗った""楽しかった"で終わらず、ここで波から降りてみようという、判断力やクールダウンの意識も必要ですね。常に備えを忘れず、次に波が来た時には、柔軟かつ迅速に、迷いなく新たな波に乗れる心と体を持っていたいです。

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