昨年2月、結成15周年を記念し、リクエスト含む30曲を超える濃厚なセットリストで日本武道館公演『15th Anniversary Live at BUDOKAN』を行なった、Nothing’s Carved In Stone。ひとつの集大成を見せたのちも、その歩みを止めないバンドの姿をEP『BRIGHTNESS』へと鮮やかに織り上げ、また初のフィーチャリング曲「All We Have feat. Masato(coldrain)」をリリースしと、進化/深化を続けている4人が、2023年以来となるツーマン・ツアー『Hand In Hand Tour 2025』を5月30日(金)よりスタートする。初の顔合わせを含め全国全14公演・10バンドのライブ猛者を揃えたツアー、このラインナップにも今のバンドの前のめりな姿勢が見てとれる。インタビュー後編ではツアー後半の出演バンドのエピソードのほか、5月14日(水)に配信リリースとなる新曲「May」についての話を、村松 拓(Vo/Gt)、生形 真一(Gt)のふたりに聞いた。
■cinema staff
──ツアー後半戦は6月29日のcinema staffとのF.A.D YOKOHAMA公演でスタートします。cinema staffとは付き合いは長い感じですか。
村松 拓(Vo/Gt)cinema staffはすごく久々なんですよ。ナッシングスをはじめて1年目か2年目くらいに、mudy on the 昨晩とか残響レコード系のバンドとよくライブをやってたんですよね。そのときに知り合っていて、対バンにも呼んでいたのかな。
生形 真一(Gt)何回か一緒にやってるよね。
村松その当時からすごくかっこいいバンドだよねって言ってて、みんな大好きで。今回このタイミングで、久々にcinema staffとやりたいねって名前が上がって、声をかけたらすぐに返事をもらえたんですよね。cinema staffの4人は僕よりも年齢は下なんですけど、ミュージシャンとしての内面が濃いイメージがありますね。主催フェスのOOPARTSもそうだし、我が道を行きながら、オルタナティヴロックの人たちとか、ほんとにかっこいいと思ってる人たちを集めて音楽を広めていくみたいなことをやってるというか。そこにリスペクトがあるので、ほんと楽しみですね。
──彼ら自身が音楽ファンで、いちリスナーとしてピュアに音楽に向き合っている感じはありますね。
村松オルタナキッズっていう感じで(笑)。それがずっとそのままの感じなんですよね。
■ZAZEN BOYS
──7月は、ZAZEN BOYSとの福岡、熊本公演があります。ZAZEN BOYSとのツーマンというのは今回が初めてですよね。
生形これまでも対バンしたいバンドとして、事あるごとにZAZEN BOYSの名前は出ていたんですよね。元々ひなっち(日向秀和/Ba)はメンバーでもあったし、今回は満を持してという感じで。ダメ元でお願いをしたら、まさかのOKで(笑)。とにかく強烈なバンドだし、ストイックですからね。すごいライブをしてくるだろうなと思ってます。
──まさにそのとき、その瞬間のものでしかないライブ感や空気感を持っている、ライブバンドですよね。
生形とことんまで突き詰めている人たちなので、ここは気合い入りますね。純粋に曲も、オリジナリティがものすごく高いし。
村松まさに発明している感じがあるよね。
──対バンは初ですが、話をしたり、交流などはあるんですか。
生形前にフェスで向井(秀徳)さんから話しかけてくれたことがありましたね。
村松テーブルで、向井さんとひなっちと真一がいて。僕もそこにいたんですけど、僕はもうただ横で酒飲んでただけなんですけど(笑)。そこで、結構いろいろ話してたよね。
生形こうして今回、ツーマンでできるのは本当に楽しみなんですよね。
■THE BACK HORN
──そして長野、金沢公演がまさに盟友と言えるTHE BACK HORNです。
生形でもじつは、久しぶりなんですよ。イベントで一緒になることはありますけど、自分達のツアーでツーマンっていうのは本当に久しぶりですね。
村松なるべく馴れ合いたくないっていうのがあるんです。
──過去には、お互いのイベントのダブルネームでのツアーもありましたし、古くから一緒にやっているというイメージも強いです。
生形そうですね、2012年の『Hand In Hand & KYO-MEIライブ〜シリウス〜』とか。2017年には9mm Parabellum Bulletとの3マンツアー『Pyramid ACT』もやっていたり、バンドとしてはいちばん長いくらいの付き合いにもなるので。これは恐らくですけど、お互いにあまり一緒にやりすぎずにいい距離を置こうと思っているのはあると思います。
──では久々のツーマンで気合が入りますね。
村松なので、ぶっ潰す勢いで。
生形仲良いだけにね(笑)。
──村松さんは山田(将司)さんとのユニット、とまとくらぶの活動もあってライブをする機会も増えていますしね。
村松そうですね。だからこそ絶対負けないっていうのがあったり。
生形馴れ合いになりたくないもんね。前のときも、お互いの楽屋の仕切りなくしちゃうくらい仲いいんですよ(笑)。
村松だから今回は打ち上げまでは、いい緊張感を持ってやろうと思ってます。
■UNISON SQUARE GARDEN
──そしてツアーファイナル、7月19日の東京Zepp Haneda(TOKYO)の公演が、UNISON SQUARE GARDENです。ユニゾンとはどういった関係値ですか。
生形ユニゾンもこれまでタイミングで同じイベントに出たりとかはしていたんですけど、今回はかなり久々のツーマンになるのかな。もう10年ぶりとか?
村松オニィ(大喜多崇規/Dr)はドラマーの(鈴木)貴雄ちゃんとゲーム仲間らしいんですけどね。
──ユニゾンは3ピースという形で、己の道を極めているバンドですがどういう印象ですか。
生形3人であそこまでスケールの大きなバンドになっていくっていうのは、ものすごいエネルギーがあるし、それくらい頑張っていると思うし。でも当初から、同じ匂いは感じているんですよね。ユニゾンはライブバンドとしてやってきたバンドだから、根本は一緒な気がしているんです。なのでぜひまた一緒にやりたいなとずっと思っていて、今回お願いをした感じだったんです。
──ちなみにギタリストの生形さんは、斎藤(宏介/Vo&Gt)さんのギターのスタイル、ギター・ボーカルのスタイルをどう見ていますか。
生形うまいんですよね、あそこまでできるのは相当だと思います。しかもボーカリストでありながら、ギタリスト寄りのギターを弾くんですよね。ZAZEN BOYSの向井さんもそうですけど、3ピースのバンドであれはすごいですよね。