ボーカリスト、作詞作曲、ボーカルミックスと多彩な活動を続けるソロアーティスト、梓川。彼が6月4日(水)に2ndフルアルバム『端子』をリリースし、8月3日(日)に2nd ONE-MAN LIVE「POAT_A」を開催する。
アルバムには梓川が敬愛する豪華コンポーザーが参加し、梓川本人による作詞作曲楽曲を含む全12曲を収録。タイトルには異なる個性を持った楽曲群を梓川という端子でつなぐという意味や、自身の歌が音楽とリスナーをつなぎとめる端子でありたいという思いが込められている。その結果、様々なジャンルのリスナーの琴線に触れる多彩な作品となった。
今回のインタビューでは梓川のクリエイティブのポリシーを探りながら、『端子』の制作背景や「POAT_A」へのビジョンを尋ねた。活動開始から5年で様々な成長と変化を遂げてきた彼が今見据えるものとはいったいどんなものなのだろうか。
アルバムには梓川が敬愛する豪華コンポーザーが参加し、梓川本人による作詞作曲楽曲を含む全12曲を収録。タイトルには異なる個性を持った楽曲群を梓川という端子でつなぐという意味や、自身の歌が音楽とリスナーをつなぎとめる端子でありたいという思いが込められている。その結果、様々なジャンルのリスナーの琴線に触れる多彩な作品となった。
今回のインタビューでは梓川のクリエイティブのポリシーを探りながら、『端子』の制作背景や「POAT_A」へのビジョンを尋ねた。活動開始から5年で様々な成長と変化を遂げてきた彼が今見据えるものとはいったいどんなものなのだろうか。
──梓川さんは4月に24歳のお誕生日と活動5周年を迎えました。ということは大学1年生になったばかり、かつコロナ禍で活動を開始したということですよね。
梓川そうです。入学式もなくて、オンラインで授業をして。活動を始めたのはそういう環境も影響していますね。
──家にいる時間が長いぶん自由に使える時間がたくさんあったと。ではなぜそれが「歌ってみた」の投稿だったのでしょう?
梓川その時点でピアノやギターはある程度弾けたので、自分がまだまだ未熟なことをやってみたいなと考えたとき、歌だなと思ったんです。もともとVOCALOIDは好きだったし、当時カラオケにハマってたんですよね。ボカロ曲には公式のインストがあることが多いので二次創作のハードルも低かったし、あと歌い手を通して楽曲が広がっていくというカルチャーも漠然とかっこいいなと思っていたので、SNSにボカロのカバー動画を投稿するようになりました。でも実際にやってみるとあんまりかっこよくならなくて……(苦笑)。それでいろんな人の真似から始めました。
──活動にのめり込んでいった決定的な理由とは?
梓川リスナーさんからの反響はもちろん、あとは成長を感じられたのが楽しかったんです。最初はわからないことだらけだったけど、録音やミックスの仕方を少しずつ学んでいって、どんどん自分の中にあるイメージが解像度高く作れるようになっていくのがすごく面白くて。今もそれがモチベーションですね。その道のプロに近づけるにはどうしたらいいか?と試行錯誤しています。だから4月にリリースしたカバーアルバムの『F4_v』や、今作の『端子』も大半を自分で編集していて、時間に追われまくっているという(笑)。
──(笑)。ご自分の手で成長や変化ができることに喜びを見出すタイプということですね。となると2022年6月にリリースした初オリジナル曲「今さらサレンダー」でソングライティングを担当するようになったのもその一環でしょうか。
梓川実はその頃、曲を作りたい気持ちはそこまでなかったんですよ。でも活動を通して出会った人たちからの後押しもあってやってみたら、意外とできそうだなという手応えがあったんです。それまでの「歌ってみた」の活動や、ピアノを習っていた時代に培った音感が曲作りの役に立った実感もあったんですよね。だから作曲はスムーズだったんですけど、編曲ヤバいな……って。
──どの音を入れるか、どんな音色にするのか。編曲は奥が深いです。
梓川作詞作曲は自分の中にあるものを出力するというシンプルなものだけど、楽器を決めるという行為に対する自分の手札がなさすぎましたね。それで「今さらサレンダー」のプロデュースを柊マグネタイトさんにお願いしました。マグネタイトさんの楽曲はすごく好きだったし、「マーシャルマキシマイザー」や「カノン」のような疾走感のあるアレンジやメロディが得意な印象があったので、それが「今さらサレンダー」にマッチするんじゃないかなと思ったんです。結果的にすごくいいものになったし、マグネタイトさんのアレンジがあったから仕上がりました。
──「今さらサレンダー」はよくライブで披露なさっていますよね。
梓川そうですね。あれから時間が経っているので、歌いながらも正直自分の作詞作曲に関してはもうちょっといろいろやれたことがあるなあ……とは思います(笑)。でも都度都度バンマスさんがライブアレンジをしてくださるので、すごくいいものになるんです。それはマグネタイトさんのアレンジあってこそだし、やっぱりマグネタイトさんはすごいですよね。