稲垣潤一 35周年ツアーに向けて、自らの変化を振り返るロングインタビュー!

インタビュー | 2017.06.07 12:00

“歌うときにどうしても出ちゃうんですよ。35年歌ってきた自分の形というようなものが。”

──リリースされたばかりの配信シングル「週末のStranger」は、そういう稲垣さんのボーカルの魅力がすごくわかりやすく楽しめる1曲ですね。

そう思います。ただ、35年も歌っていると、やっぱり変なクセが身についているということもあるし、歌のピュアな部分が失われてきたりすることがあるんですよ。それは歌ってみないとわからないんですけど、そのあたりをレコーディングのなかで客観的に聴いて、もしそういうところがあると歌い直すということをやるんですよ。そこはデビューの頃とは違ってきてますよね。

──ボーカルのスタイルが違うということですか。

デビューの頃は、まず自分の歌の可能性を自分自身は見えていなくて、ディレクターやプロデューサーがそういうものを引っ張り出してくれました。僕からすれば、“オレもこういう曲を、こういうふうに歌えるんだ”というような感じですよ。ところが、いまはまったく違って、自分で歌えると思えば歌えるんだけど、逆にピュアな感じで歌う難しさというものを感じたりすることがあるんです。例えば去年、最初の3枚のアルバムから選曲してセットリストを作ったコンセプト・ライブというのをやったんですけど、そのなかには歌うのはほぼデビュー以来ぶりという曲があったんです。それを歌ったときに思ったのが“いまの歌い方をしちゃダメだな、デビュー当時の真っさらな、プレーンな感じで歌わないとこの曲の良さが出ないな”ということで、逆に言えば、特に意識しないで歌うと、どうしても35年目の稲垣潤一の歌い方というものになってるということなんですよ。それは、わかりやすく言ってしまえばクセということなんですけど、それをなくして歌うということに去年のツアーではトライしてたわけです。だから、ライブではこう歌ってレコーディングではこう、という話をしましたけど、それとは別に35年歌ってきたということもやっぱり大きいんですね。そのなかで身についたものを削る作業というのも出てくるということなんです。

──「週末のStranger」には♪初めてで懐かしい場所♪という歌詞がありますが、この曲自体の印象として、まさに初めて聴いても懐かしさを感じるようなスタンダード感があります。それは、稲垣さんがこの35年の間変わらずに印象づけてきたクールなボーカルの魅力に負うところが大きいと思いますが、それでも曲によってはそうした積み重ねを削いでいかないと良くないと感じるところがあるわけですね。

良くないというか、その曲を生かせていないと感じるんですよ。デビューの頃のほうが上手いというわけじゃないんですよ。

──上手い/下手の話ではなく、いい歌になっていないということですね。

そうなんです。歌うときにどうしても出ちゃうんですよ。35年歌ってきた自分の形というようなものが。それがいい場合と、良くない場合があって、しかも、その「自分の形」みたいなものが出ていても、それは一般の人が聴いたら全然わからないようなことだったりするんだけど、でも僕のなかではすごく重要なポイントだったりするんです。

──そのこだわりこそが稲垣さんのボーカルの個性を生み出してるんですね。ちなみに、「週末のStranger」は35周年ツアーでは歌われますよね?

この曲と、それから去年出した「夕焼けは、君のキャンバス」は歌います。「夕焼け〜」は大瀧(詠一)さんオマージュ作品ですけど、去年の9月からだったかな、クルマのCMで流れ始めたらすごく反響が大きかったんですよ。この2曲も含め、今回は節目のツアーでもありますので、以前のセットリストとはかなり変わっています。みなさんの反応がすごく楽しみだし、僕自身もウキウキした気持ちでいます。

──いいツアーを期待しています。ありがとうございました。

稲垣潤一

 

■稲垣潤一 Duet With 土屋アンナ – 涙のロンリー・ボーイ(稲垣潤一『男と女5』より)

 

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JCB presents 35th Anniversary 稲垣潤一 コンサート2017

6月10日(土) 群馬・前橋市民文化会館 大ホール
6月17日(土) 大阪・NHK大阪ホール
6月23日(金) 東京・国際フォーラム ホールC
6月24日(土) 神奈川・関内ホール
7月 1日(土) 長野・長野県伊那文化会館
7月15日(土) 福岡・福岡市民会館
7月16日(日) 広島・東広島芸術文化ホール くらら 大ホール
7月23日(日) 愛知・日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール
7月30日(日) 山形・山形市民会館 大ホール
9月9日(土) 北海道・ニトリ文化ホール
9月16日(土) 千葉・習志野文化ホール
9月17日(日) 新潟・新潟テルサ
9月23日(土祝) 岩手・岩手県民会館 大ホール
10月7日(土) 鹿児島・宝山ホール(鹿児島県文化センター)
10月8日(日) 宮崎・都城市総合文化ホール 大ホール

REALISTIV J.I LIVE 2017 AUTUMN TOUR~Personally~NO STRINGS~REALISTIC~このアルバムからあの曲が蘇る

10月14日(土) 山口・Jazz Club BILLIE
10月16日(月)17日(火) 大阪・Billboard Live OSAKA
10月25日(水)26日(木) 東京・Blue Note Tokyo
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(USMジャパン)
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