音楽監督に金子ノブアキを迎えたenraの新作公演『VOYAGER』とは?主宰・花房伸行とパフォーマー・石出一敬にインタビュー!

インタビュー | 2017.08.03 18:00

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インタビュー/兵庫慎司

世界各国で高い評価と人気を集める、映像と身体表現を融合させたパフォーミング・アーツ・カンパニー、enra(エンラ)が9月8日〜10日、世田谷パブリックシアターで新作公演『VOYAGER(ボイジャー)』を行う。音楽監督に金子ノブアキを迎えたこのステージが、enraにとっていかに新しいトライアルであるか、主宰の花房伸行とパフォーマーの石出一敬に訊いた。

金子ノブアキさんとは宇宙観、死生観が近かった(花房)

花房 enraの公演って、今まで作り貯めた作品を、音楽のライブのように1作品を1曲として考えて、曲を並べて上演するっていう形でやっていたんです。
でも、今回のこの『VOYAGER』は、最初にコンセプトを決めて、ゼロから90分の公演を作って、それ自体をひとつの作品とする…スタイルとしては、演劇だとか、映画だとかに近いというか。そういうコンセプトで作る初めての公演になるんです。
もともとそういうことをやってみたかったんですけど、enraの作品って、作るのに時間がかかるので。公演ごとにゼロから作るってわけにはいかなかったんですけど、結成5年目のこのタイミングで挑戦してみようって思ったんです。
やっとそれぐらいの経験値が貯まってきたかな、って。ストーリーも、これをやろうって言った時点であらかた決まっていて。

──そのストーリーとは?

花房 基本的には宇宙を旅して行くっていうストーリーなんです。enraって、言葉を使わないっていうのが条件にあって、複雑なストーリーは表現しきれないんです。なので、映画とかお芝居みたいに複雑なものではなく、地球を旅立って、宇宙の果てまで行くっていうすごくシンプルな構成にしたんです。その旅の中で、観客のひとりひとりが、自分の想いを入れ込んでもらえるような感じにしています。
最初に僕が全体の構成を考えたんですが…今回、恵まれたことに、金子ノブアキさんに音楽監督で入っていただいて。金子さんに作っていただいた曲を、その構成の中にはめて行ったりとか、金子さんも構成に合わせて、新しく曲を作っていただいたりとか。

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[L→R]花房伸行・石出一敬

──そもそもの彼との接点は?

花房 最初にご一緒したのは、金子さんの「Firebird」って曲でコラボレーション作品を作ったんです。もともと仕事上で僕と金子さんの共通の知り合いがいて、「何か一緒にやってみたいね」っていうので、その人を介して連絡をとって。
で、実際にお会いしていろいろお話をしていく中で……宇宙観だったりとか、死生観だったりが、とても近かったんですね。好きな映画とか、読んでいる本とかもすごく近くて。
で、意気投合して…「Firebird」をやった時点で、金子さんとまた一緒にやりたいと思っていたんです。で、『VOYAGER』自体、僕が2〜3年前からあたためていた企画で。その音楽の世界観が、もう金子さんのサウンドに本当にぴったりだったので、このチャンスしかないと思ってお願いをしたんです。

石出 金子さん、山ごもりまでしてくれてね。山にスタジオがあるみたいで、そこで数日間かけて曲を作ってくれたんです。

花房 バンドのメンバーとの合宿で、『VOYAGER』用のサウンドを作ってくださったんですよね。PABLOさん(ギター)と草間敬さん(マニピュレーター)──実際に世田谷パブリックシアターでは、そのバンドの生演奏で公演をやります。

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enra “VOYAGER”

9月8日(金)9日(土)10日(日) 世田谷パブリックシアター
※9月9日は1日2回公演
NOW ON SALE
[構成・演出・映像]花房伸行
[音楽]金子ノブアキ
[出演]enra / 金子ノブアキ

皆様を最高の旅にお連れします。是非お越し下さい。
金子ノブアキ

金子ノブアキ

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